
振付家であり作曲家でもあるホフェッシュ・シェクター。舞踊と音楽、映像を横断しながら世界の舞台芸術シーンを牽引してきた彼が、話題作『Theatre of Dreams』を携え、7年ぶりに日本へ帰ってくる。10月に愛知県芸術劇場、彩の国さいたま芸術劇場で日本初上演される。

シェクターは、イスラエルのバットシェバ舞踊団でダンサーとして活動した後、音楽を学ぶためパリへ渡り、2002年に英国へ。2007年の『In your rooms』で英国ダンス批評家賞最優秀振付賞を受賞し、その名を一躍世界に知らしめた。自身のカンパニーでの創作に加え、NDT 1、パリ・オペラ座バレエ、英国ロイヤル・バレエなど名だたるカンパニーに作品を提供。ミュージカル、オペラ、映画などにも活動の場を広げている。

日本では2010年の『ポリティカル・マザー』で初来日。激しいビートと、そこから突き上げるように生まれる独特の身体表現で大きな衝撃を与えた。2019年には同作の規模を拡大した『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』を上演し、上田竜也ら日本人アーティストも参加。Bunkamura オーチャードホールを熱狂に包んだ。

2024年にパリ市立劇場で世界初演された『Theatre of Dreams』が誘うのは、タイトル通り“夢の劇場”。恐怖、欲望、希望といった人間の感情が、12人のダンサーの身体を通してむき出しになっていく。そこに重なるのは、シェクター自身が作曲したシネマティックな音楽を奏でる3人のバンドメンバー。絶えず開閉する幕とトム・ヴィッサーによる繊細な照明が空間を切り取り、夢と現実との境界を少しずつ曖昧にしていく。

シェクター作品の大きな魅力は、振付を「見る」だけでは終わらないところにある。低く響くビートは身体に直接届き、ダンサーたちの集団が波のようにうねる。静けさの中から突然爆発する動き、その身体を一瞬だけ浮かび上がらせる光。今回公開されている舞台写真にも、強烈な逆光のなかで身体がシルエットとなって浮かび上がる場面や、ブルーの照明に包まれて群舞する姿が収められ、舞台全体がひとつのインスタレーションのようにも見える。

そして今回、公演アンバサダーを務めるのが上田竜也だ。2019年の『ポリティカル・マザー ザ・コレオグラファーズ・カット』に出演した上田は、今年5月、上海で『Theatre of Dreams』を一足早く体験。作品の魅力について、「静」と「動」のコントラストや緻密な舞台美術、照明、シェクターの音楽を魅力に挙げている。上海公演では、若い世代を含む観客の熱気に包まれたという。
予測不能な身体の動き、大音量の音楽、光と闇。そのすべてに身を委ねた先で出会うのは、悪夢なのか、それとも希望なのか。劇場という暗闇の中で見る“夢”を、身体ごと体験してみたい。
舞踊 ホフェッシュ・シェクター・カンパニー『Theatre of Dreams』
振付・音楽/ホフェッシュ・シェクター
照明デザイン/トム・ヴィッサー
衣裳デザイン/オスナット・ケルナー
出演/ホフェッシュ・シェクター・カンパニー
上演時間/約90分(休憩なし)
<愛知公演>
日程/2026年10月16日(金)・17日(土)
会場/愛知県芸術劇場 大ホール
料金/16日(金)一般 SS席¥8,000 S席¥7,000 A席¥5,000 B席¥3,000 U25 A席¥3,000 B席¥2,000
17日(土)一般 SS席¥9,000 S席¥8,000 A席¥6,000 B席¥4,000 U25 S席¥4,000 A席¥3,000 B席¥2,000
主催・企画・制作/愛知県芸術劇場(公益財団法人愛知県文化振興事業団)
URL/https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/detail/20261016hofesh.html
<埼玉公演>
日程/2026年10月23日(金)~25日(日)
会場/彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
料金/一般 S席¥8,000 A席¥5,000 U-25 S席¥5,000 A席¥2,500ほか
主催・企画・制作/公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(彩の国さいたま芸術劇場)
URL/https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/107729/
