少し遅めの逃避行。北軽井沢で見つけた静かな贅沢「あさま空山望」へ | Numero TOKYO
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少し遅めの逃避行。北軽井沢で見つけた静かな贅沢「あさま空山望」へ

人で賑わう観光地を巡るよりも、ただ静かに過ごしたい。できることなら誰とも会わず、自然の中で心ほどける時間を過ごしたい。大型連休が終わり、街がいつもの速度を取り戻した頃、休暇を取って向かったのは北軽井沢の「あさま空山望」。浅間山を望む広大な敷地にわずか16棟だけが建つその場所は、まさに求めていた静寂そのもの。今年開業5周年を迎え、フラワーデザインブランド「Nicolai Bergmann Flowers & Design」とコラボレーションした特別宿泊プランも登場。自然とアートが響き合う、この場所ならではの滞在を体験した。

何もしないために訪れる場所

一棟ずつの間隔が十分に取られたレイアウト。他の宿泊客の気配をほとんど感じない。
一棟ずつの間隔が十分に取られたレイアウト。他の宿泊客の気配をほとんど感じない。

軽井沢駅から車で約40分。浅間山の麓に広がるあさま空山望は、「誰にも邪魔されずに過ごす」ことを大切にしたラグジュアリーヴィラリゾートだ。

約6万㎡の敷地に点在するのは、わずか16棟のヴィラ。8名まで宿泊できる最上級ヴィラ「ポラリス」、6名まで利用可能な「シリウス」、3名向けの「カシオペア」の3タイプで構成されていて、すべてのヴィラが浅間山の景観を最大限に楽しめるよう設計されている。隣棟との距離も十分に確保されており、滞在中に他の宿泊客の気配を感じることはほとんどない。

チェックインは非対面式。暗証番号を入力して客室に入るスタイルで、フロントで待つことも、スタッフと必要以上に言葉を交わすこともない。ホテルというより、美しい自然の中に自分だけの別荘を持ったような感覚を味わえる。

大きな一枚の絵画を部屋に飾ったような眺め。時間によって山の表情も少しずつ変化していくのも見どころ。
大きな一枚の絵画を部屋に飾ったような眺め。時間によって山の表情も少しずつ変化していくのも見どころ。

今回は「ポラリス」に宿泊。室内に足を踏み入れると、まず視界に飛び込んでくるのが、大きなガラス窓の向こうに広がる浅間山の景色だ。吹き抜けのリビング、広々としたウッドデッキ、そしてその先に続く山並み。ソファに腰を下ろしているだけで、まるで一枚の風景画の中に入り込んだような気持ちになる。

自然と響き合う「Nicolai Bergmann Flowers & Design」のフラワーアート

美しいプリザーブドフラワーは見ているだけでも心が和む。
美しいプリザーブドフラワーは見ているだけでも心が和む。

あさま空山望では開業5周年を記念して、Nicolai Bergmann Flowers & Designとコラボレーションしたスペシャルな宿泊プランを実施している。浅間山の自然や施設の空気感を感じながら、バーグマン氏が手がけたフラワーインスタレーションを客室で堪能できるという内容で、モノトーンを基調とした空間に、紫をベースカラーとした花々やフレッシュな枝物、有田焼の器が美しく調和。自然とフラワーアートが静かに響き合う風景が目に心地いい。

「ポラリス」には、ダブルベッド2台を配したマスターベッドルームのほか、ゆとりある和室も備わる。人数に応じて最大6名分の布団を敷くことができ、友人とのグループ旅行から三世代での家族旅行まで、幅広い滞在スタイルに対応してくれる。

和室の壁にもプリザーブドフラワーが。
和室の壁にもプリザーブドフラワーが。

あさま空山望では、すべてのヴィラにジェットバスとサウナを完備。浅間山を望むプライベートサウナで身体を温めた後、浅間山の伏流水を使った天然水のシャワーを浴び、ウッドデッキで外気浴を楽しめる。アロマを使ったセルフロウリュも可能で、サウナ好きにはたまらない環境だ。ちなみにあさま空山望が位置する北軽井沢エリアは全国有数の水源地として知られ、施設内で使われるのは、あさま天然水。客室の浴槽に満たされる湯も、この天然水が使用されており、まろやかな肌あたりで体を包んでくれる。

浅間山を眺めながらジェットバスを堪能。
浅間山を眺めながらジェットバスを堪能。

サウナは1人用。自分の好きなタイミングでロウリュができるのがうれしい。
サウナは1人用。自分の好きなタイミングでロウリュができるのがうれしい。

今回は夕食・朝食付きのプランをセレクト。二食ともヴィラで楽しめるスタイルで、夕食は希望の時間にスタッフが食材を届けてくれ、あとは自分たちのペースで調理を楽しむセルフクッキング式。レストランの営業時間に合わせて移動する必要がないので、本当に別荘に滞在しているような気分になる。この日のディナーは、地元の高原野菜と下仁田豚をたっぷり使ったせいろ蒸し。サウナでじっくり汗を流した後は蒸し料理ならではの軽やかさがうれしい。野菜の甘みと豚肉の旨みをしっかり引き出しながらも重たさはなく、身体にすっと染み渡るようなおいしさだった。

「上州もち豚」をはじめとした3種類の豚肉を食べ比べ。
「上州もち豚」をはじめとした3種類の豚肉を食べ比べ。

朝食は、和食・洋食から選択可能。前夜のうちに準備を整えてくれるため、朝食の提供時間に合わせて慌ただしく起きる必要がない。チェックアウトは正午と遅めに設定されているので、朝の光が差し込むテラスでゆっくり食事をしながら過ごすことも可能。これこそなかなか都会では味わえない非日常の贅沢だ。

敷地内には宿泊者専用のラウンジ、温浴施設「天空スパ」、レストラン「天空柁イニング」、ドッグランがあり、ヴィラ専用のEVカートに乗って自由に行き来が可能。特に「天空スパ」は客室の風呂とは異なる開放感があり、広々とした大浴場や露天風呂でゆったりと身体を解きほぐすことができる。

ウェルネスとは、足していくことではなく

あさま空山望で過ごす中で感じたのは、静けさだった。音がないというより、不必要な音がない。風が木々を揺らす音、鳥の声、葉が擦れ合う音。普段の生活では意識にも上らない小さな音が、ここでは不思議なほど輪郭を持って耳に届く。何か特別なアクティビティをしなくても、ただここにいることが心地いい。

旅先へ行くと、私はつい「何をするか」を考えてしまう。どこへ行くか、何を食べるか、何を見るか。でもここでは、「何もしない」という過ごし方がちゃんと成立する。読みかけの本を開く。コーヒーを淹れてぼーっとする。少し散歩をする。また、窓の外を眺める。情報も、人との約束も、やらなければならないことも、少しだけ脇に置いてみる。すると、忙しさのなかで鈍ってしまった感覚を取り戻せる気がする。

旅はきっと新しいものを見に行くことだけではなく、忘れていた感覚を思い出しに行くことでもあるのだろう。

あさま空山望は、ラグジュアリーでありながら決して過剰ではない。静けさや余白そのものを贅沢として味わうための場所。忙しい日々のなかで、ふと立ち止まりたくなったとき、また訪れたいと思える場所がひとつ増えた。

あさま空山望
住所/群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢2032−2577
TEL/0279-82-5242
www.kuzanbo.jp/

「Nicolai Bergmann Flowers & Designコンセプトヴィラプラン」
宿泊期間/2026年4月28日(火)〜2027年4月27日(火)
部屋タイプ/プレジデンシャルスイート「ポラリス」※1棟のみ
含まれるもの/室料、朝夕食、プリザーブドフラワーボックス、ウェルカムスイーツ、サービス料、宿泊税
対象 /小学生以上(※安全管理および室内装飾保護の観点から、本ヴィラでは未就学のお子様、愛犬を伴うご宿泊はご遠慮いただいております)

<1泊1室4名利用の場合>
プレジデンシャルスイート「ポラリス」
¥59,890/名〜(税込、定員:8名)
オンライン予約

Text: Mariko Uramoto

 

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JULY / AUGUST 2026 N°198

2026.5.28 発売

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