日常を変容する展覧会「Everyday Enchantment 日常の再魔術化」展開催@シャネル・ネクサス・ホール
Art / Feature

日常を変容する展覧会「Everyday Enchantment 日常の再魔術化」展開催@シャネル・ネクサス・ホール

芸術のために惜しみない支援を行ったガブリエル・シャネル。その精神を受け継ぐシャネル・ネクサス・ホールが、新たな挑戦に乗り出した。掲げられた言葉は「再魔術化」。いざ赴かん、アートが導く魔法の庭園へ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年11月号掲載)

(参考図版)ビアンカ・ボンディ『Salt kisses my lichens away』フリーダー・ブルダ美術館(ドイツ)での展示風景 2024年 Courtesy of the artist and mor Charpentier ©Bianca Bondi/ ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2024 G3612
(参考図版)ビアンカ・ボンディ『Salt kisses my lichens away』フリーダー・ブルダ美術館(ドイツ)での展示風景 2024年 Courtesy of the artist and mor Charpentier ©Bianca Bondi/ ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2024 G3612

古来、人間は“魔法の世界”を生きてきた。日の明け暮れ、天体の運行、山海の幸——。それら畏敬に満ちた不可思議が科学と技術に取って代わられ、私たちは大切な何かを失った。思想家モリス・バーマンが「脱魔術化」と呼んだ歴史を振り返り、豊かな未来を導くために今、何ができるのか。この大きな問いとともに、ある一つの試みが幕を開ける。

長谷川祐子(金沢21世紀美術館館長、東京藝術大学名誉教授)
長谷川祐子(金沢21世紀美術館館長、東京藝術大学名誉教授)

探求の場は、オープン20周年を迎えたシャネル・ネクサス・ホール。日本を代表するキュレーターの長谷川祐子が次代のキュレーションの担い手を育成するべく立ち上げた「長谷川Lab」とコラボレートし、新たな展覧会シリーズがスタートするのだ。アーティスティック・ディレクターを長谷川が務め、同Labから起用した佳山哲巳、フィン・ライヤンのキュレーションのもと、3名のアーティストによる第一回展を開催。

(参考図版)小林椋『亀はニェフスのイゥユのように前足を石にのばすと』 2022年
(参考図版)小林椋『亀はニェフスのイゥユのように前足を石にのばすと』 2022年

(参考図版)丹羽海子『Daphne Adorned Series: Cat’s Claw』2022年 Photo: Marc Tatti Courtesy of the artist and Simone Subal Gallery, New York
(参考図版)丹羽海子『Daphne Adorned Series: Cat’s Claw』2022年 Photo: Marc Tatti Courtesy of the artist and Simone Subal Gallery, New York

化学反応や結晶を用いたタペストリーを手がけるビアンカ・ボンディ。身近なものに物的な装置を組み込む小林椋。花や果物などを用いてはかない存在を表現する丹羽海子。日常の空間を変容させ、みずみずしい息吹と物語を生み出すアートの力に、私たちは何を見いだすだろう。失われた神秘を取り戻し、この世界に再び魔法をかけるために。シャネル・ネクサス・ホールが、再魔術化の庭園へと姿を変える。

「Everyday Enchantment 日常の再魔術化 ビアンカ ボンディ/小林椋/丹羽海子」

会期/2024年10月19日(土)〜12月8日(日)
会場/シャネル・ネクサス・ホール
住所/東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
TEL/03-6386-3071
URL/https://nexushall.chanel.com/
※最新情報はサイトを参照のこと。

Edit & Text : Keita Fukasawa

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