伝説的バレエダンサーに捧げる「Dior」2024-2025年ウインター メンズ コレクション
ディオール(Dior)が、2024年1月19日(金)(現地時間)、パリのエコール ミリテールにて2024-2025年ウインター メンズ コレクション ショーを発表した。会場には、ディオール ジャパン アンバサダーを務める横浜流星や俳優の北村匠海をはじめ、TOMORROW X TOGETHER、NewJeansのHAERIN、ケイト・モス、チョン・ヘインといった豪華セレブリティが世界中から駆けつけた。
伝説的バレエダンサーであるルドルフ・ヌレエフから着想を受けた今回のコレクション。ムッシュ ディオールはバレエダンサーのマーゴ・フォンテインと親交があり、ヌレエフはフォンテインの最も有名なダンスパートナーとして知られている。さらに、メンズ クリエイティブ ディレクターを務めるキム・ジョーンズの叔父でフォトグラファーのコリン・ジョーンズは、元々バレエダンサーであり、ヌレエフの写真も撮影していたという。
そんなメゾンとも、キム・ジョーンズ自身ともゆかりのあるヌレエフに思いを馳せ、舞台と舞台裏、ダンサーとしての人生と実生活、プレタポルテとオートクチュールのコントラスをテーマに据えた。
ディオールのアーカイブからインスピレーションを得て、イヴ・サン=ローランのテイラリングがをメンズの世界へと落とし込み、ボリューム感、ベント、プリーツ、ネックラインに特徴のあるデザインがコレクション全体を貫いている。アイコニックな「バー」ジャケットは、キム・ジョーンズがディオールで初めて手掛けたコレクションで発表した「オブリーク」シルエットと組み合わせ、マスキュリンで新しいスタイルに生まれ変わった。ダブルブレストラップジャケットは、流れるような「バー」シルエットのウエストカーブを描く。
ジップ付きウールジャンプスーツやショートパンツ、セカンドスキンを思わせるリブニットなどのルックには、ヌレエフのスタイルとダンサーのスタイルが融合した様子が見て取れる。
今回のコレクションで、ディオールはメンズ初となるオートクチュールを発表。オートクチュールのピースには、ヌレエフの舞台上での存在感、華やかさ、傲慢さなどを反映すると共に、ヌレエフがアンティークのテキスタイル蒐集をしていたことから、着物のファブリックが取り入れられている。
10人の日本の職人が3か月かけて完成させたシルバーの打掛は、ヌレエフが所有し、着用していたものをベースに、最高峰の引箔の技術で製作。1950年にムッシュ ディオールが考案し、マーゴ・フォンテインが着用した「ドビュッシー」ドレスもメンズウェアとして再解釈されている。
打掛を手掛けたのは、京都丹後市の織り工房「民谷螺鈿」。職人たちが製作の過程を語ったインタビュー動画も到着。ディオールから届いたイメージをもとに、引箔を薄く伸ばし、紙より薄い和紙に張り付け、それを細かく細く裁断し糸状にして、一本一本絹糸に手で糸を通して織り込んでいく工程を経て完成した。
テーラリングや「ドビュッシー」ドレスのサヴォワールフェールについては、下記の動画をチェック。
足元は、バレエシューズをイメージしたシューズが印象的。サンクリスピーノと呼ばれる緻密な手法で作り上げられたレザーシューズと、シルクポリエステルのメリージェーンスニーカーが登場した。一方、バッグはグレインドレザーを使用したオーバーサイズの「マクロカナージュ」カメラバッグや、バムバッグといった実用的なソフトバッグが見られた。シルクジャージーのダンサー用ツイストターバンは、スティーブン・ジョーンズが1999年にウィメンズ コレクションのためにデザインしたベルベットの帽子を再解釈して生まれたもの。
ショーの音楽には、作曲家のマックス・リヒターがこのショーのために特別に編曲したセルゲイ・プロコフィエフの楽曲や、1965年にロンドンでヌレエフとフォンテインが舞ったことで知られるプロコフィエフのバレエ『ロミオとジュリエット』より『騎士たちの踊り』が流れ、バレエの世界へと誘った。
Dior
クリスチャン ディオール
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