気づいたら時空の彼方へ!? 入門編SFコミック | Numero TOKYO
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気づいたら時空の彼方へ!? 入門編SFコミック

高度な科学技術に専門用語。「SFって難しい……」と食わず嫌いになってしまっている人も多いのでは。そんなあなたにおすすめしたい入門編SFコミックをマンガライターのちゃんめいがセレクト。時空の彼方へさあ行くぞ!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年1・2月合併号掲載)

『雪と墨』



©Marita 2022
©Marita 2022

生まれ変わっても、時代を超えてでも会いたい人

前世の記憶を持つ転生者・常磐と1年ごとに違う時代へと転移するタイムトラベラー・浅葱。とある目的のために、幾つもの人生と時代を渡り続け、今世でようやく従兄弟として出会った。けれど、転生者とタイムトラベラーという特殊な立場だからこそ無情にも引き離されていく……互いの葛藤や悲哀がにじむ展開が胸を打つ。たとえ運命にじゃまをされても決して消えることのない二人の思い。そんな姿を見ていると、もしかしたら自分が気づいていないだけで何度でも出会っているのかもしれない、時空を超えて紡がれるSF的恋愛に思いを馳せたくなる。

1~3巻発売中 Marita/著(KADOKAWA)

『宙に参る』


© 肋骨凹介/リイド社
© 肋骨凹介/リイド社

近未来でも役所手続きは大変⁉ 少し先の日常を疑似体験

物語の舞台は、宇宙旅行が当たり前となった少し先の未来。夫を亡くしたソラは遺骨を義母に届けるために、実家(地球)まで里帰りをすることに。作中では、オンラインで執り行う遠隔葬儀や焼香ロボ、さらには人工知能を搭載したロボットの息子など、近未来を感じさせる技術が多数登場。いつか本当に実現しそうな未来のテクノロジーに胸が高鳴りながらも、今と変わらぬ役所手続きや書類に手を焼く様子は、妙なリアリティと皮肉を感じて思わず笑ってしまう。技術革新の先に待つ日常と、どんなに世界が発展しても変わらないものとは? 少し先の未来を疑似体験できる作品。

1~3巻発売中 肋骨凹介/著(リイド社)

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Selection & Text:Chanmei Edit:Mariko Kimbara

Profile

ちゃんめいChanmei マンガライター。マンガを中心に書評、インタビュー、コラムの執筆や、トークイベント、女性誌のマンガ特集に出演。毎月100冊以上マンガを読む。著書に宮台真司らとの共著『ベルセルク精読』(Real Sound Collection)。Twitter:@meicojp24

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