usagi bon ごはん vol.86 焼き飯茶漬け | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.86 焼き飯茶漬け

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第86回は、焼き飯茶漬け。

焼き飯茶漬け

前日の残りの焼き魚などを利用して作ると便利です。焼き魚がなければ、漬物だけでおむすびにし、紫蘇などをプラスしておむすび茶漬けにしても美味しいですよ。

【材料】 4人分
ご飯 4カップ
塩鮭 2切れ
長ネギ 1/3本
生姜 少々
漬物(味噌漬け、塩漬けなど3種類くらい) 適量
ほうじ茶 適量
精製していない塩 少々
サラダ油 大さじ2

【作り方】
1. 長ネギ、漬物、生姜はみじん切りにする。
2. 塩鮭は焦がさないように焼く。皮と骨を取り細かくほぐす。
3. サラダ油で2の鮭をいれ炒め、ご飯を入れ混ぜながら具を平均にする。
4. 3に1を入れさっと混ぜ合わせ大きなおむすびにする。
5. 器に4を入れて熱いほうじ茶をかけ、炒った白ゴマをかける。

切っても切れない関係

日常的な物って、その大切さやプレシャス感を忘れがち。昔はご飯粒を残したらバチが当たると言われた。豊かな日本がこの先いつまで続くか沢山の不安材料も出て来たこの頃。地球環境問題を前提にした当然の流れで、人類は真剣に向き合う必要もあり、やっとそれも現実として一般に拡がり始めている。

米や穀物は年貢として徴収されお金のような物だった時代もある。それらは、外国間の貿易にも重要な物資として国と国を繋ぐ役割を果たして来た。勿論その中には侵略もあり、明るい歴史ばかりではないのだけれど。お茶も江戸時代には大勢を引き連れた参勤交代の献上品として珍重されていたし、イギリスの東インド会社しかり、世界的に見てもその文化は奥深いものがあっていつも興味深い。

そんな、もともと貴重な米とお茶。両方とも現在も日本人の生活に切っても切れない存在だ。各地の産地を回ると生産者さん達の情熱と苦労、そして喜びに触れて感動する。シンプルなものだけに奥が深い。

家でも食堂でも、料亭でも、賄いでも、夜食でも。ちょっと食べたいそんな一品がお茶漬け。70年以上経った今でも、小津安二郎監督作品『お茶漬けの味』で主人公夫婦の生活の歪みを修正するような「夫婦とはお茶漬けみたいなもの」と言う夫の台詞がこの一品を印象付けている。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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