ジョン&ヨーコ、愛の軌跡をたどる展覧会をサエキけんぞうがレポート
ジョン・レノンとオノ・ヨーコという最もクリエイティブなカップルの物語を、彼ら自身の言葉や作品でたどる画期的な展覧会「ダブル・ファンタジー ジョン&ヨーコ」がリバプールから東京にやってきた。アーティストであり作詞家のサエキけんぞうがレポートする。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年1・2月合併号掲載)
「愛」その真実に出会う展覧会
男と女、その愛の究極の姿とは? ロックが生んだ至高のカップル、ビートルズのジョン・レノンと日本の誇るアーティスト、ヨーコ・オノの姿を偽りなく描き出した展覧会が、来年1月11日(月・祝)〈※2月18日(木)まで会期延長〉までソニーミュージック六本木ミュージアムで開催される「ダブル・ファンタジー ジョン&ヨーコ」だ。
二人は出会いから劇的だった。その現場となった1966年ロンドンのインディカ・ギャラリー、ヨーコ個展の展示が再現されている。そこでジョンは天井に書かれた「YES」の文字を見て、生涯の女性を決めた。二人の結婚式で着用したジャケットも展示されている。ジョンのジャケットのタグには「ピエール・カルダン」の文字が! スキャンダラスな「ベッド・イン」も再現され「ヘア・ピース」という、カツラと平和をかけたダジャレのメッセージボード(実物)もある。
詳しく見ていけば、二人が初めて結ばれた夜明けの描写やヨーコと離れて暮らした時期にジョンが乱心する写真もあり、波乱万丈だった二人の関係が赤裸々に語られている。アルバム『心の壁、愛の橋』に使われた、幼いジョンが描いた原画や、
何回も訪れた日本で、日本語の勉強に描いた「WABISABI」などユーモラスなイラストも魅力的だ。そして幼い息子ショーンを抱き歩くための「抱っこひも」には微笑まずにいられない。
出会いから波乱を経て、束の間の平安の日々、悲劇の死まで。この展覧会には、隠すことなく、二人の全て、そして人間がたどり着いた究極の愛の姿がキラめいている。
「DOUBLE FANTASY -John & Yoko(ダブル・ファンタジー ジョン&ヨーコ)」
会期/2020年10月9日(金)〜2021年2月18日(木) ※会期延長
会場/ソニーミュージック六本⽊ミュージアム
住所/東京都港区六本木5-6-20
開館時間/[⽇〜⽊]10:00~18:00 [⾦・⼟・祝日]10:00〜20:00
※⼊場は閉館時間の30 分前まで
休館日/2020.12.31(⽊)、2021.1.1(⾦)
※前売りチケットはこちらから
※会場にて当日券の販売あり
URL/doublefantasy.co.jp
Text:Kenzo Saeki Edit:Sayaka Ito