パン野ゆりのぶらりパン歩き ワタリガラスが幸せを届ける、小さなパン屋さん「Raven’s Table」 | Numero TOKYO
Life / Food

パン野ゆりのぶらりパン歩き ワタリガラスが幸せを届ける、小さなパン屋さん「Raven’s Table」

おいしいパンを求めて世界中どこまでも! パン愛にあふれたモデル山野ゆり改め“パン野ゆり”が、話題の新店から知る人ぞ知る逸品まで、津々浦々めくるめくパンの世界を独自の視点でお届け。今回は、世田谷区上町にオープンしたRaven’s Table(レイブンズ テーブル)へ。

こんにちは。パンのこと考えない日はないよ、パン野ゆりです。 今回は世田谷線の上町駅から徒歩10分。11月28日にオープンしたてのRaven’s Tableのパンたちをご紹介します。 グリーンの外観が目を引くお店。私が伺った日は土曜日のオープン日ということもあり長蛇の列ができていました。

お店自体はお客様が2人入るともうパンパンになるほどのミニマムなスペース。そこにパンや焼き菓子がキュキュッと陳列されています。

カラスだカラス、ワタリガラス!

ウッディなお店の作りのアクセントに、お店の名前にもなっている「Ravens」=カラスがモチーフのアートやオブジェがわさわさ!

パン屋さんのコンセプトにワタリガラスという少し奇妙なネーミングに私も最初は少し違和感を覚えつつも、お店に馴染んでいるワタリガラスを眺めながら、「ワタリガラスって可愛いかも…てか、なんかおしゃれだな」なんて思考が生まれつつ。

店内のガラス扉に直接描かれているワタリガラス。烏のリアルな部分とキッチュな色使いがやっぱりワタリガラスおしゃれだな…。

オブジェとイラストのアートコンビ

カゴを持って浮遊するカラスのオブジェが店内でも一段と目立っています。
まるでここにワタリガラスがパンを届けてくれた?と言いたくなるようなシチュエーション。

シェフの加藤千裕さんは2009年にアーティストからパン職人に転身。10年の修行を経て台湾のジョエル・ドゥ・ロブショングループで世界初の女性ベーカリーシェフに抜擢…!
今年の夏に日本に帰国し、満を持して自身のパン屋さんをオープンしたそう♡

ここそこあそこにワタリガラスの絵が飾られていて、元々アーティストの加藤シェフならではのお店作りですよね。

エコバッグも可愛いよ

白の他にシルバーもあるよ。イラストとフォントのみの2種類があるのですが、どちらも普段使いしたくなる可愛さ♡
アートやオブジェ、プロダクトにセンスが光る。きらり。

オリーブとチーズのパン
本題のパンについてお伝えしますね。

こちらはセミハードなパン生地にオリーブとチーズ、アンチョビがイン。
運の良い事に焼きたてをゲットすることができたので、早速歩きながら頬張るぞ。

おおおおおいしいいいいいィィ!
かじる前から焼きたてのパンの香ばしいチーズが香ります。食べる前から美味しさが保証されてる香りな♡

一口食べると「んんんんんんーーーー!」
瞳が限界点を超える大きさに開いた。
美味しい。美味しい。美味しすぎる!

パン生地は軽くてキャッチーなのだけどしっかりとみっちり!水分量を含んでもっちり水々しいのです。ベーシックで清く正しい美味しさのパン生地にオリーブとアンチョビ、チーズのアクセントが静かに、怒涛に。

わあ…これは衝撃!

ネオ・ベーグル
ベーグルじゃないみたい。ベーグルなの?
うん、ベーグル。

ベーグルってムチっとして目がパンパンに詰まってて、表面がテラリと艶っぽくて。

今まで食べてるベーグルと全然違う‼︎

噛み応えは「ムギュムギュ」と「スッ!」

「スッ!」はね、ムギュムギュしてるけど口の中にしつこく残る事がなくて、咀嚼すればするほど甘みが出るのだけど、しっかりとした旨味がはかなく消えて無くなってしまう意味の、スッ。

肉眼で捉えれる全粒粉。レイヴンでは身体に優しい全粒粉を使用したパン作りも意識されているそうです。

確実な美味しさを約束されていて、さらに健康的なパンが食べれるなんて!なんて、素敵な。

絶品オブ絶品
なんやらかんやら全てベタ褒めしておいてアレなんですが、私的最強推しパンがこちらです。

りんごのクロワッサン!!
大声が出たよ。

クロワッサンに歯がザクッと入る音!音!
中にはりんごとカスタード、りんごジャム。
私の大好物なパリのデュパン・エ・デジデのショソン・オ・ポムにすぅうごく似てる。

パンとフィリングの絶妙なハーモニーがやばいんです。どちらが主張過ぎる訳でもなく、どちらもお互いを活かす働き。くーー!

そしてお尻がガリッガリ。個人的にツボ。

何層にも重なる層とそこに纏う空気感、海外で食べるクロワッサンに似てる。

パリって上町にあったの??

美味しい美味しいってしつこいと思いますが、もひとつ良いですか?

衝撃的。衝撃的。衝撃的。

こんなにパサパサしないスコーンってありますか?限りなくパンに近いスコーン。限りなく喉が渇かないスコーン。
限りなく美味しいの向こう側のスコーン。

断面。このホロホロとした生地が、ですよ。
スコーンの概念を覆しています。

しっとり。ミルキーな甘さと口溶けの良い食感、これさ、飲めるね。嬉泣。

何を食べても想像を超えてくる美味しさ‥恐るべし。

可愛いイラスト♡

「ワタリガラスが小さな幸せを皆様にお届けします」
お店のあちこちに描かれたワタリガラスにはそんな意味が込められているそうです。

他の種類も全部食べてみたい!そう思った私はすぐに再度訪問予定。これ以上書くとしつこくなっちゃいそうだから、この辺で!というかね、ぜひあなたもお店に食べに行ってみてください。

私の言ってること、間違ってないですよ♡

Raven’s Table

住所/東京都世田谷区桜3-2-15
営業時間/10:00〜18:00
定休日/日・月
※売り切れ次第終了
Instagram :@ravens_table

BACKNUMBERはこちら

パン野ゆり×ViS パンからインスピレーションを受けた洋服が誕生!

Photos & Text: Yuri Pannno Edit: Yukiko Shinto

Profile

パン野ゆりYuri Panno パンコーディネーター/パンシェルジュ。日本全国、訪れたベーカリーは数えきれないほど。年に数回は海外へも足を運び、パンを独自の視点で分析。最近では、トークショーや「世田谷パン祭り」でワークショップを開催するなど、活躍の場を広げている。モデル山野ゆりとしては、雑誌や広告、CMなど幅広く活躍中。モデルという職業を活かし、太らないパンとの付き合い方も考案中。プロデュースを務めたパン屋「PARK BAKER LAB.」が福岡県小倉にオープン。Instagram: @yuri.yamano

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する