usagi bon ごはん vol.76 青大豆の浸し豆 | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.76 青大豆の浸し豆

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第76回は、青大豆の浸し豆。

青大豆の浸し豆

浸し豆を作っておくと、白和えやサラダ、スープなど、忙しい時にすぐ活用できるので便利ですよ! 【材料】 4人分 大豆(乾燥) 150g 日本酒 100ml 醤油 小さじ1 精製していない塩 少々 【作り方】 1. 大豆はよく洗い、一晩水に漬けておく。 2. 1の水を取り替え、中火で柔らかくなるまで煮る。 3. 2が柔らかくなったらザルで水気をきる。 4. 鍋に日本酒を入れ、ひと煮立ちしたら醤油と塩を入れて火を止める。 5. 4に3の豆を入れしばらく置き、味を馴染ませる。

人類の栽培歴史

ひよこ豆、緑豆、 レンズ豆、様々な種類をカレーなどに使い、世界で最も豆食がポピュラーな国がインド。中国は、大豆や小豆の原産地で、大豆は昔から豆腐、味噌、醤油 などいろいろな食品に加工されて、それらが日本にも渡ってきて、我々にとっても同じ様に身近なものとなった。神事のお供物やお祝いには特に日本人古来からの生活文化と強く深く結びついて使われる小豆。

7500年も前、古代メソポタミア文明の頃からも栽培され食べられていたことが遺跡などからも研究者の手によって解明されてきた豆。ヨーロッパでは、大豆よりに日常的にポピュラーなのはインゲン豆だろうか。サラダや、肉や魚の付け合わせに、細いのや、太いの、紫色のものなどもある。

フランスの冬の伝統料理の一品といえば、南西部の郷土料理にカスレ(Cassoulet)。白インゲン豆をカソール土鍋で豚肉や羊肉の塩漬け、鴨などと一緒にオーブンに入れ、豆が肉から出てくる旨味と脂をたっぷり吸いこんで崩れるくらい柔らかくなるまで火を通した素朴な料理。

日本の昭和の食卓でも、大豆と昆布の煮物は毎日並ぶようなポピュラーな一品だった。豆はやっぱり世界中で素朴さが愛されているようだ。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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