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クリスマスの新定番! 「パネトーネ×フランチャコルタ」で至福の時間を

イタリアのクリスマスに欠かせないパネトーネ。リッチな生地をふんわりと焼き上げたミラノ発祥のこの発酵菓子が、日本でもじわじわと人気上昇中だ。コーヒーや甘口ワインとの相性がいいと言われるパネトーネだが、最近は新しい楽しみ方も注目されている。今年のクリスマスにおすすめしたい、新たな美味体験をご紹介。

そもそも、パネトーネってどんなお菓子?

パネトーネはイタリアの伝統菓子
パネトーネはイタリアの伝統菓子

11月も後半になると、イタリアでは大きなリボンをかけたパネトーネが街中に出回る。イタリア人にとってはクリスマスに欠かせない伝統菓子だ。

パネトーネは、イタリア北部、ロンバルディア州ミラノ発祥。リエヴィト・マードレ(自家培養発酵種)を使い、バターや卵、砂糖をたっぷりいれたリッチな生地に、レーズンと、オレンジやチェードロなどの柑橘のピールを練り込み、紙の型に入れてドーム型に焼き上げる。カットすると適度に気泡が入っていて、しっとりしているのが特徴だ。

常温で1ヶ月から2ヶ月はもつと言われ、イタリアではクリスマスが近くなるとアドベントの食べ物としてどの家庭の食卓にもパネトーネが並ぶ。ロンバルディアで生まれたものだが、今やイタリアの国民的クリスマスフードとなっている。

パネトーネのおいしい食べ方

フランチャコルタとパネトーネのペアリング
フランチャコルタとパネトーネのペアリング

朝食におやつに、あるいはアペリティーボ(食前酒)の時間にも、どんなタイミングでも食べられているパネトーネは、コーヒーや甘いお酒などに合わせるのが定番。「でも、ちょっと新しい食べ方もあるんです」と、話してくれたのは、フィレンツェ在住のジャーナリストで、今年ローンチした「パネットーネ・ソサエティ」のメンバーでもある池田愛美さん。「最近は、スパークリングワインと合わせる人が増えています。特に、同じロンバルディア州の『フランチャコルタ』とは相性抜群」。パネトーネとフランチャコルタ、イタリアのクリスマスに、新たなトレンドが!?

パネトーネとフランチャコルタ、ペアリングのポイント

3種類のフランチャコルタ
3種類のフランチャコルタ

トレンドになりつつあるというパネトーネとフランチャコルタのペアリングは、いったいどんな「幸せ」を生み出してくれるのか。今回は、「マンダリン オリエンタル 東京」のシェフベーカーで、パネトーネをこよなく愛する中村友彦さんと、同シェフソムリエの野坂昭彦さんに実際にペアリングをしていただいた。中村さんが焼いた3種類のパネトーネに、野坂さんがフランチャコルタを1本ずつセレクト。「パネトーネとフランチャコルタはいずれも発酵によって生まれたもの。それぞれに旨味があり、口に入れた時のしなやかな質感と奥深い複雑な味わいに共通点がある」と、野坂さん。では3種類のペアリングをご紹介いただこう。

1.「パネトーネ・クラシコ」×「カ・デル・ボスコ フランチャコルタ キュヴェ プレステージ」

パネトーネ・クラシコ」×「カ・デル・ボスコ フランチャコルタ キュヴェ プレステージ」
パネトーネ・クラシコ」×「カ・デル・ボスコ フランチャコルタ キュヴェ プレステージ」

まずは、オレンジピールとラムレーズンを練り込んだベーシックなパネトーネ。「基本中の基本、といえるパネトーネです。自分でおこした酵母を使い、3日間かけて発酵してベストなタイミングで焼き上げました。シンプルゆえに、生地のおいしさと柑橘の香りがしっかり楽しめます」(中村さん)。これには、瓶内で25ヶ月熟成させたきめ細かい泡が特徴の1本を。「しっとりとした食感がパネトーネの質感にマッチします。柑橘のフレーバーがあるワインなので、オレンジピールの味わいにはぴったりです」(野坂さん)

2.「チョコレートとチェリーのパネトーネ」×「イル モスネル フランチャコルタ ブリュット ロゼ」

「チョコレートとチェリーのパネトーネ」×「イル モスネル フランチャコルタ ブリュット ロゼ」<br />
「チョコレートとチェリーのパネトーネ」×「イル モスネル フランチャコルタ ブリュット ロゼ」

ビターチョコレートチップとキルシュに漬けたドライサワーチェリーを練り込んだパネトーネは、「チョコの苦味とチェリーの酸味、そして全体の甘みのバランスに工夫した」と、中村さん。「サワーチェリーに合わせて、チェリーのような酸味と風味を持つロゼを合わせました。香りが同調して、優雅な余韻が楽しめます」(野坂さん)。少しダークな色合いのパネトーネとオレンジがかったロゼは、色合いもシック。

3. 「栗とカシスのパネトーネ」×「モンテ ローザ フランチャコルタ “カボション” ブリュット ミレッジマート2013」

「栗とカシスのパネトーネ」×「モンテ ローザ フランチャコルタ “カボション” ブリュット ミレッジマート2013」
「栗とカシスのパネトーネ」×「モンテ ローザ フランチャコルタ “カボション” ブリュット ミレッジマート2013」

「マロングラッセの食感にこだわりたかったので、最後は手で練り上げた」(中村さん)という、栗とカシスのパネトーネ。「瓶内熟成36か月以上の、ヴィンテージのついたフランチャコルタです。マロンの甘苦味とコクのある味わいは、熟成感のあるロースト香やリッチで複雑な風味を呈したミレジマート(ヴィンテージ)と出合うことで奥行きのある長い余韻を楽しませてくれます」(野坂さん)。コクのあるパネトーネと複雑な味わいのワインの組み合わせは、特別な日にふさわしいペアリングだ。

中に入れた素材や生地の質感、食感など、合わせるポイントを絞り、そこに、味わいのバリエーションが広いフランチャコルタからベストな1本を合わせる。繊細な風味が共鳴して生まれる味わいは、単体で楽しむよりも何倍もふくらみがある。まさに、至福のペアリングだ。

パネトーネの魅力は?

シェフベーカーの中村友彦さん
シェフベーカーの中村友彦さん

それだけを食べてもおいしいパネトーネにフランチャコルタで旨みを重ねたら、これはもう、最高の幸せ……。「はい、その通りです。クリスマスだけにとどめておくのがもったいないと思っています」。中村さんは、パネトーネに出合って以来この発酵菓子の虜になり、何年も研究をつづけているのだという。なぜそんなにパネトーネに惹かれたのか。「パネトーネにはベーカリーの全てが詰まっているように感じます。発酵や焼成、酵母のこと、そして素材のこと、味の構成。作り始めたら非常に面白く、ずっと焼いていたいと思わせられるほどです」。今年は3種類のパネトーネを作ったけれど、今後はもっといろいろな素材との組み合わせにトライしたいのだとか。「日本の素晴らしい食材を使って、ここでしかできないパネトーネを作ってみたい」。中村さんの今後の新しいクリエーションが楽しみだ。

クリスマススイーツとして、シュトレンに注ぐ注目株と言われるパネトーネ。専門店ができたり、ベーカリーでの扱いも徐々に増えるなど、日本での展開がますます気になる存在だ。そのパネトーネの魅力をさらに広めたいという有志によって、このほど「パネットーネ・ソサエティ」が誕生。もしかすると、2020年は日本における「パネトーネ元年」になるかも!?

シンプルで奥深く、そしていろいろな可能性を秘めたパネトーネに、今後もぜひ注目を!

記事中で紹介したパネトーネはすべて、「ザ マンダリン オリエンタルグルメショップ」で購入可能。(SサイズとLサイズは店頭販売、グランデは予約受注)

ザ マンダリン オリエンタルグルメショップ
https://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/nihonbashi/fine-dining/cake-shops/gourmet-shop

「パネットーネ・ソサエティ」では、パネットーネに関する情報を発信、セミナーやイベントなども開催予定。

パネットーネ・ソサエティ

https://panettonesociety.org

フランチャコルタの詳しい情報は、「フランチャコルタ協会」のサイトで

フランチャコルタ協会
www.franciacorta.net/ja/consorzio/

Photo: Masakatsu Ikeda Text: Miki Numata

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