超高層ビル群と自然が融合した街、シカゴを観光 | Numero TOKYO
Life / Feature

超高層ビル群と自然が融合した街、シカゴを観光

シカゴは近代高層ビルの発祥地であり、19世紀後半以降の高層ビル群が望む摩天楼を楽しめるのが魅力のひとつ。バウハウスの校長であり、「LESS IS MORE」の言葉で有名なミース・ファン・デル・ローエなど著名な建築家が活躍した都市ということでその遺産もたくさん残っている。次は映画以外の観点から見る観光スポット、見どころ、グルメ情報をご紹介。

1.シカゴのハイライトを見学するならリバークルーズ

「Chicago’s First Lady Cruises(シカゴズ・ファースト・レディ)」

市内を流れるシカゴ川。そびえたつビルたち。建築の街、シカゴならではの楽しみが船に乗って建築物を見て回るリバークルーズだ。シカゴ建築財団センターリバークルーズ「シカゴズ・ファースト・レディ・クルーズ」はTrump International Hotel and Tower(トランプ インターナショナル ホテル&タワー)のたもとにあるミシガン大通橋からスタートし、たっぷり90分のクルーズ。バウハウスで学んだバートランド・ゴールドバーグの設計Marina City(マリーナシティ)やシカゴで最も高い建物のWillis Tower(ウィリス・タワー)などモダン、ゴシックなど様々なタイプの建物や要素が混在する街の光景は圧巻の一言に尽きる。

住所/112 E. Wacker Drive
TEL/800 982 2787
URL/https://cruisechicago.com/

2.21世紀、新しいシカゴの顔

「ミレニアムパーク(Millennium Park)」

ダウンタウンのループ地域のミシガン湖沿いにある緑豊かなミレニアムパークでは、無料でユニークなアートを楽しむことができる。その代表的なものがインド出身の彫刻家アニッシュ・カプーアによる「Cloud Gate(クラウド・ゲート)」。その豆のような形から「The Bean(ザ・ビーン)」の愛称で親しまれている。銀色に輝くステンレスでできたアートで、季節や天候、自分の立ち位置によって映り込む景色が違うのが面白い。ここで写真を撮らずしてシカゴ観光は語れないほど。

またカタルーニャの芸術家ジャウメ・プレンサによって設計された「Crown Fountain(クラウンファウンテン)」という巨大な人の顔の映像が映し出される噴水があり、こちらも人気。

さらにフランク・ゲーリーが手がけた独創的なデザインの「ミレニアムパークの野外音楽堂(ジョイ・プリツカー・パビリオン)」もある。何度でも訪れたい場所だ。

住所/201 E. Randolph St
URL/https://www.chicago.gov/

3.ミース好きなら訪れるべし

「Chicago Federal Center(シカゴ連邦政府センター)」

ミース・ファン・デル・ローエによるChicago Federal Center(シカゴ連邦政府センター)のオフィスタワー。鉄とガラスによる現代建築の代表となるこのビルは建築史上あまりにも有名。横には同じくミースによる平屋型のポストオフィスがある。さらにアレクサンダー・カルダーによる赤い鉄の彫刻「フラミンゴ」。ミースの建築ばかりでなく、アート空間として魅力的だ。

住所/219 S. Dearborn St
URL/http://www.architecture.org/

4.ムーラン・ヴェールでジャズナイト

「Green Mill(グリーン・ミル)」

1907年に開業したシカゴ最古のジャズ・バーで、あのアル・カポネたちのスピークイージー(禁酒時代のモグリ酒場)としても有名な場所であった。グリーン・ミルというのはパリの「ムーラン・ルージュ(英語でレッド・ミル)」をもじっているらしく、凝った内装は時代を感じさせる。訪れた日は土曜の夜ということもあり、「LATE NIGHT JAZZ PARTY with PAT MALLINGER & COMPANY」のライブが行われていた。シカゴにおいてジャズ音楽は誰もが最も身近に感じている音楽であり、アーティストとオーディエンスが実に自然な関係であることが分かる。

住所/4802 N Broadway
TEL/773 878 5552
営業時間/月〜金12:00〜4:00 土12:00〜5:00 日11:00〜4:00
URL/http://greenmilljazz.com/

5.名物はほろほろなベイビーバックとクラフトビール

「Twin Anchors Restaurant & Tavern」

歴史的な旧市街にあるシカゴで最も古いレストランのひとつ。シカゴは精肉業が盛んだった歴史を持ち、アメリカでも特筆すべきステーキの街であり、市内に40軒以上ものステーキハウスがある。「Twin Anchors Restaurant & Tavern」のベストステーキであるベイビーバックのリブは安価なのに最高峰だと人気になり、映画『ダークナイト』の中でゴッサムバーとして登場。カウンターでショットを飲むシーンが撮影されたほど。

住所/1655 North Sedgwick St
TEL/312 266 1616
営業時間/月・火17:00〜22:30 水・木17:00〜23:00 金17:00〜0:00 土12:00〜0:00 日12:00〜22:30
URL/www.twinanchorsribs.com

6.シカゴB級グルメの頂点、ディープディッシュピザ

「Lou Malnati’s(ロウ・マルナティス)」

シカゴを訪れたらぜひ試してほしいシカゴB級グルメのひとつ。ディープディッシュという5cm!ほどの厚みのあるピザはたっぷりチーズとフレッシュトマトソースの絶妙なバランスが癖になる。最近のヘルシー志向とは真逆の発想の食べ物だが、時々はこういうのもアリかもしれない。1940年代からディープディッシュピザを焼いている職人の味がここに。

住所/1120 N State St
TEL/312 725 7777
営業時間/月〜木11:00〜0:00 金・土11:00〜1:00 日11:00〜0:00
URL/https://www.loumalnatis.com/

7.東京でもおなじみ、でも本場で絶品ポップコーン

「Garrett Popcorn Shops(ギャレット ポップコーン)」

1949年にシカゴで創業されたギャレット ポップコーン。独特の甘みと苦味が癖になるカリカリの食感で日本でも人気だ。アメリカの定番スナックであるポップコーンを作るマシーンは、イリノイ州で発明されたものだそう。人気はキャラメルクリスプとチーズコーンを混ぜたシカゴミックス。半世紀以上もの長きにわたり、受け継がれてきた秘伝の味をご賞味あれ。

住所/173 Michigan Ave
TEL/888 476 7267
営業時間/月〜木10:00〜20:00 金・土10:00〜21:00 日11:00〜20:00
URL/https://www.garrettpopcorn.com/

8.伝説の場所、Tip Top Tap

「Warwick Allerton Hotel(ワーウィック アラートン シカゴ)」

シカゴのメインストリートであるMagnificent Mile(マグニフィセントマイル)を最初に飾った高層ビルとして知られる四つ星ホテル。ルネッサンス建築でシカゴのランドマークとして認定されている。現在は閉鎖されているが、かつて最上階にはTip Top Tapと呼ばれるラウンジバーがあり、ビング・クロスビー、ボブ・ホープ、フランク・シナトラ、ルシール・ボールらがライブを行っていたことでも有名。

住所/701 Michigan Ave
TEL/312 440 1500
URL/https://www.warwickhotels.com/warwick-allerton-chicago


また、シカゴ劇場ではシカゴ国際映画祭と同じ期間にマドンナのワールドライブツアーの幕開けが行われた。今回はシカゴの豊かな映画産業を知るための滞在であったが、同時に建築やアート、音楽といった文化的な魅力に触れることができた。都会的な街並みから郊外に少し足を伸ばせば、山や湖などのどかな自然の景色が見られる、実に美しい都市であった。

取材協力:シカゴ市観光局
https://www.choosechicago.com/

Photos & Text:Akiko Naito Edit:Chiho Inoue

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する