初めての「KYOTOGRAPHIE」で非日常のアート体験!
毎年京都で行われる国際的なアートフォトの祭典「KYOTOGRAPHIE」が2019年5月12日(日)まで開催中。7回目となる今年のテーマは「VIBE」。KYOTOGRAPHIE初体験のビギナーが、個人的おすすめと見どころをご紹介します。
ヴェロニカ・ゲンシツカ
“What a Wonderful World”
ポーランド出身のヴェロニカ・ゲンシツカは、ストックフォトを加工してオリジナルの作品を作り上げる注目のアーティスト。一見幸せそうに見える写真にブラックユーモアや皮肉を込めることで、見る者の心に不穏なざわつきを感じさせます。
ある家族の家に迷い込んだかのような展示空間。そこかしこにある違和感に気づいたら…不思議な世界から抜け出せません!
彼女のクリエイションに迫ったインタビューはこちら。
Weronika Gęsicka
“What a Wonderful World”
supported by agnès b.
with the patronage of Adam Mickiewicz Institute
場所/嶋臺(しまだい)ギャラリー
住所/京都府京都市中京区仲保利町191
時間/10:00〜18:00
アルフレート・エールハルト
自然の形態美─バウハウス100周年記念展
KYOTOGRAPHIEの一番の魅力といえば、京都ならではの素晴らしいロケーションを展示会場にしていること。歴史的建築物や、普段は公開していない寺院など、その場所に置くことで作品の魅力が引き立つ、場所と作品のケミストリーも見どころです。
建仁寺の両足院で行われている、ドイツの写真家アルフレート・エールハルトの展示は、まさにその醍醐味が味わえます。
もともとは画家だったというエールハルトはランドスケープに魅せられ、その有機的な美を捉えています。モノクロの力強い作品が美しい庭と対比して置かれ、自然の造形を賛美しているかのようです。
Alfred Ehrhardt
自然の形態美─バウハウス100周年記念展
supported by Alfred Ehrhardt Stiftung Berlin
場所/両足院(建仁寺山内)
住所/京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
時間/10:00〜17:00
アルバート・ワトソン
“Wild”
アルフレッド・ヒッチコック、デヴィッド・ボウイ、ミック・ジャガーなど、名だたるセレブリティたちを撮影してきた「ポートレートの巨匠」アルバート・ワトソン。
今回が日本初の回顧展となり、ポートレートや風景写真のほか、未公開の新作や坂本龍一のアルバム『BEAUTY』のジャケットのアザーカットも展示されています。
ワトソン氏は坂本龍一を撮影するとき、「音楽を表現して欲しい」とリクエストし、それに見事に応えてくれたそう。今までに一番撮りやすかったセレブはジャック・ニコルソンで、もっとも難しかったのはエリザベス女王と教えてくれました。
2階ではムービーの上映も。会場である京都文化博物館 別館の天井高を活かした展示が素敵でした。
Albert Watson
“Wild”
presented by BMW
場所/京都文化博物館 別館
住所/京都市中京区三条高倉
時間/10:00〜19:00
ベンジャミン・ミルピエ
“Freedom in the Dark”
映画『ブラック・スワン』の振り付けで知られる、元バレエダンサーのベンジャミン・ミルピエ。ナタリー・ポートマンの夫でもあります。映画監督をしたり、写真を撮ったりとダンス以外のクリエイティブな活動をしている彼の、世界初となる個展がKYOTOGRAPHIEで開催。場所は、創業280年以上を迎える帯の製造販売をしている誉田屋源兵衛のギャラリー「黒蔵」。
身体的動きをアーティスティックに写した躍動感たっぷりの写真は、精神的に自由であることや人間の無限の可能性を問いているよう。靴を脱いで上がる会場なので、作品を見ながら自分の足先も優雅に動かしたくなる気分でした。
Benjamin Millepied
“Freedom in the Dark”
supported by Zadig & Voltaire
場所/誉田屋源兵衛 黒蔵
住所/京都市中京区室町通三条下ル西側 奥
時間/10:00〜18:00
京都を舞台に、非日常のアート体験ができるKYOTOGRAPHIE。早くも来年の開催が楽しみです!