人生もキャリアも、私がデザインする!vol.4 宅飲み酒場オーナー 西田彩乃 | Numero TOKYO
Culture / Lifestyle

人生もキャリアも、私がデザインする!
vol.4 宅飲み酒場オーナー 西田彩乃

自分が最も幸福でいられて、輝くためには? 今、新しい働き方に注目が集まっている。何事にも流されず、核となるものを大切に、自分らしく働く女性たち4人のキャリアライフを紹介する。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年5月号掲載)

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西田さんの主戦場、カウンターの後ろの棚にはリキュールから日本酒、焼酎、ウィスキーなどが並ぶ。

PROFILE 4 : Ayano Nishida
宅飲み酒場「アヤノヤ」オーナー 西田彩乃

初めて挑戦することなのだから、
失敗しても当然だと思って。

オープンから3カ月余という宅飲み酒場「アヤノヤ」には、連日地元の人々やわざわざ電車に乗ってやってくるサラリーマンで賑わう。SNSを利用して広告費を徹底的にカットし、全品300円でおいしいお酒を提供することがコンセプト。そんな店を切り盛りするのはツヤツヤの黒髪と快活な話しぶりが印象的な西田彩乃さん(28歳)。15歳からマクドナルドでアルバイトを経験、大学時代もメイド喫茶や居酒屋など、選ぶアルバイト先はどれも飲食店だった。

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メニュー表はプレゼンテーションのようにデザイン。このページは店のコンセプトを伝えている

19歳のとき、接客中に「今日あなたに会えてよかった。明日を生きる活力になったよ」と言われたことがきっかけで、飲食人を目指す。その後も飲食店での経験を積んだが、理想とする店のイメージがどんどん膨らみ、昨年8月末の誕生日に独立を決意する。「失敗するかもしれない。でもやったことがないことに挑戦するのだからそれも当たり前だと思って」とさらりと話す。

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常連でもある著者が書いた、西田さんもオススメするビジネス書などが本棚に並ぶ。

「必要な情報はGoogleという優秀な秘書やSNSからどんどん手に入ったし、無料のセミナーに行ったり、公庫やクラウドファンディングで資金調達をしたり準備を進めてきました」。「アヤノヤ」は15時から23時までの8時間営業。終電に乗って帰宅できる。

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1人で飲みに来た人が本を読みながらお酒を楽しんでもらえたら」と本棚を設置

「飲食店勤務の何が嫌だったかって、シャンプーが切れそうでもドラッグストアが開いている時間に買いに行けなかったこと」。自分の時間をコントロールできる働き方になって「毎日が楽しい。自分の時間も有効に使えるし、何より地元の人のプチ同窓会が始まったり、そこに若い世代のお客さんが交じって輪が広がったりと、理想のお店に近づいているんです」。

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東京・品川区にあるなかのぶスキップロード商店街の路地を入ったところ。緑のドアが目印

実はもう一つの夢は小説家だという。今のこの経験がいつか物語になる日が来るかもしれない。

キャリア年表&1日の過ごし方

Photos:Ayako Masunaga
Edit & Text:Etsuko Soeda
Director:Sayumi Gunji

Profile

西田彩乃(Ayano Nishida) 兵庫県宝塚市生まれ。21歳でもつ鍋屋の店舗責任者、22歳のときにやきとん屋店長を経て、24歳のときにかねてより志望していた小説家への夢を追い求めて退職。以降、コスプレ会社製作アルバイト、焼肉店、居酒屋、ファーストフード店、イタリアンレストランなどさまざまな業種を経験しながら独自の接客術を磨く。「クーポン券に頼らない愛されるお店づくり」を目標にお客さまとの楽しい時間を共有することに日々奮闘。

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