21世紀少女 vol.5アーティスト DAOKO時空を超えたポエムラッパー | Numero TOKYO - Part 3
Culture / Post

21世紀少女 vol.5
アーティスト DAOKO
時空を超えたポエムラッパー

フォトグラファー田口まき&小誌エディトリアルディレクター軍地彩弓がお送りする「21世紀少女」。クリエイターやアーティストなど、21世紀的な感覚を持つ新世代女子を一人ずつ紹介する連載。Vol.5のゲストは、女子高生でありながらメジャーデビューをしたアーティストのDAOKO。その歌声のとおり、ふわりと柔らかい雰囲気の彼女。撮影はファーストアルバムを収録したスタジオで行われた。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2015年7・8月合併号掲載)

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DAOKOの年表 2002年 5歳 椎名林檎を聴き始める  2012年 15歳 インディーズレーベル“LOWHIGHWHO?”からデビュー 2013年 16歳 m-floとのコラボ楽曲が映画の主題歌に起用 2014年 17歳 映画『渇き。』挿入歌に抜擢 2015年 18歳 “トイズファクトリー”からメジャーデビュー DAOKOへの5つの質問 ──今の日本をどう思いますか?(政治・経済・文化など総合的な意味で) 「難しい! 一番考えていないことかもしれないな。でも私が無関心なように、若い人は無関心な人が多いんでしょうね。“日本”となると政治的な問題に頭がいきますけど、もう少しフラットに考えると…東京は常に進化し続けていると思いますね。常にフレッシュだと思います。私は東京出身で地方にもあまり行かないので、そんなにわからないんですけど、それでも、東京ばかりかな、とも思います。地方とは時間の流れが違うような」 ──尊敬している人や憧れの人は誰ですか? 「椎名林檎さん。5歳くらいのときに父親が車の中で流していて、その影響で聴き始めてから、ずーっと変わらずに大好きで尊敬しています。自分の曲の詩を書くときにも、いちばん影響を受けていると思います。言葉もそうですけど、世界観そのものにも。さすがに幼稚園当時は歌詞の意味はわからなかったんですけど、ずっと聴いているうちに、小学校高学年くらいから徐々にその意味もわかっていって。ソロのときの曲が一番好きです」 ──今後の目標、挑戦したいことは何ですか? 「私には大きな目標やゴールがないんです。でも、だからこそ走り続けられる気もしています。目の前のことに集中できるし。それでいうと、いま頑張りたいのはDAOKO活動。もともとはメジャーになるぞ、と言って始めたわけではないので、たくさんの人に自分のことを知られることに正直少し戸惑いや恐怖もあります。でもそこをプラスの方向にシフトしていけたらいいな。ライヴもいろんな人が見られるようにしたいし、もっとたくさんの人に共感してもらいたいな」 ──今一番興味があること、今一番怖いと思うことは、それぞれ何ですか? 「興味があるのは…楽器? 最近エレキギターを始めたんです。ニルヴァーナのカート・コバーン モデルの90年代のエレキギターを頂いたので…。椎名林檎さんの『歌舞伎町の女王』で練習しています。いつか自分の曲も弾けたら良いな。怖いと思うことは…インターネット、SNSかな(笑)。今は自分に対する世間の意見もすぐ分かりますから、自分の評価は常に気になりますね。やっぱりみんな傷つきたくないですからね。あとはカロリーとかかな(笑)」 ──10年後の日本はどうなっていると思いますか? 「うーん…私は28歳で、オリンピックが終わって少し経った辺りですか。オリンピックを区切りに色々変わりそうですね。東京自体は、もっと統制された街になると思います。それでうっぷんが溜まった若者達がまた爆発しているんじゃないですか。今の若者は 完全にイタキモチイ感じの“内側の爆発”ですけど、それが“外側への爆発”に変わっていくんじゃないかな。とりあえず、オリンピックが来るとヤバいことになるんじゃないかな、っていう(笑)」

Photo:Maki Taguchi
Director:Sayumi Gunji
Text:Rie Hayashi

Profile

DAOKO(だをこ) 1997年生まれ、東京都出身。15歳のときにニコニコ動画へ投稿した楽曲で注目を集め、2012年に1st Album発売。15年3月、女子高生にしてTOY’S FACTORYからメジャーデビュー。

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