『新しい学校のリーダーズ SUZUKA、躍動するヘアとエネルギー』。本誌インタビューのフルバージョンを公開 | Numero TOKYO
Interview / Post

『新しい学校のリーダーズ SUZUKA、躍動するヘアとエネルギー』。本誌インタビューのフルバージョンを公開

型破りな存在感を放つ、新しい学校のリーダーズのSUZUKAがNumero TOKYOに初登場。SUZUKAが絶大な信頼を寄せ、東京のファッションシーンで時代を牽引してきたヘアアーティスト、TWIGGY.の松浦美穂が生み出す躍動的なヘアカットを纏い、東京の街を熱く駆け抜けた。

コート¥484,000 ニット¥291,500 パンツ¥368,500/すべてGucci(グッチ クライアントサービス)
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SUZUKAが語る、表現への飽くなき衝動とクリエイティブへの思い

個性と自由ではみ出して、不寛容な現代社会を強く楽しく生きる──そんな小さなレジスタンスをパフォーマンスで表現し、世界中を魅了する「新しい学校のリーダーズ」。そのメインヴォーカルとして、力強い歌声とダイナミックな表現力で観客を圧倒するSUZUKA。なぜSUZUKAがヘアストーリーなのか? この撮影の裏にはヘアサロンTWIGGY.を主宰するヘアアーティスト、松浦美穂とSUZUKAとの出会いがあった。本誌では紹介しきれなかったインタビューの完全版を掲載!

──何年も前から、松浦美穂さんにヘアカットをしてもらいたかったとお聞きしました。

「松浦さんが特集されたテレビ番組を拝見して、『この人に髪を切ってもらったらステージに立つ感覚が変わる、絶対会いたい!』とビビッときて。それが4年前ぐらいです。出会いのチャンスを求めて、恋する女性を追いかける少年みたいな気持ちで、こっそりサロンを見に行ったりもしていました」

──そして、サロンで初対面を果たしたのが約2年前。

「ご縁あってカットしてもらうことになり、鏡の前に座ったら松浦さんがバーッと現れて。その時の感覚を今も覚えているのですが、ずっと会いたかった人と会えるとこんな気持ちになるんだ、っていうぐらい嬉しくて。自分の人生と松浦さんの人生は絶対交わるべきや、と一方的に思っていたので、松浦さんに『私の人生に関わってくれませんか』とプレゼンする気持ちで、新しい学校のリーダーズという活動をしていることなどを話しました。私の髪を見て、ここは残そうか、ここはないほうがいいね、みたいな感じで切ってくれて、それが本当によかったんです。以来、1、2カ月おきに通うようになって、仲良くさせてもらっています」

──いつもどのようにヘアスタイルの相談をしているのですか?

「もうすぐこういう大事な撮影があるとか、こんな表情を見せたいからそれに似合う髪型にしたい、などの会話を通じて伝えることが多いです。そうすると『わかったわかった』ってすぐに提案してくれるんです。私の骨格とか動く時の癖とかも理解してくれて、本当にありがたいです」

──松浦さんにヘアカットしてもらうようになって感じていることは?

「この感情について話すと長くなるんですけど……本当に私、松浦さんが大好きで。気持ちが下向きの時も上向きの時も、心のスイッチを入れるようなヘアカットをしてくれて、それが本当に魔法みたいなんです。カットしてもらうと松浦さんのエネルギーを纏うような感覚があって、ひとつの鎧になる感じです。ステージに立っている時もそうですし、自分の中のプライドとかエゴとか、何かを隠そうとか、自分を取り繕おうとしそうな時も、松浦さんのヘアカットがあると真実の自分に近い感覚で解放できるんです。アートやファッション──それに“破壊”の美学とか、松浦さんが人生で経験してきたクリエイティブに裏付けされた感覚を纏っていると思うと、パフォーマンスをするのがもっと楽しくなります。TWIGGY.のシャンプーも愛用していて、使うと松浦さんを感じられて頑張ろうって思えたり」

──愛がすごいですね……!

「私を守ってくれる、大切な家族のような存在です。リーダーズとまた違う場所にいる人だからこその、個人的なつながりを感じています」

──小さい頃からヘアスタイルには興味が強かったのですか?

「中学生ぐらいから髪にはいろいろな感情がありました。中学生でリーダーズの活動が始まって、しばらくおかっぱに丸眼鏡のスタイルで、そのアイコニックなシュールさに変化がほしくて。『あのおかっぱの子やんね』って、髪型に目がいって、顔や表情に目がいきづらくなっちゃうな、って。もっと動きやキャラクターで私を認識してほしいし、そういう表現をしたほうが次のステップに向かえる、と思ったんです。もっと“肉肉しさ”──リアルさみたいなものがほしい、って。そういう気持ちの変化が出てきた時、私はヘアにフォーカスがいくんですよね。ヘアスタイルでモチベーションは変わるので。それで、毛先にシャギーやレイヤーを入れたりしていました」

ジャケット¥396,000 ベルト¥50,600 バッグ¥165,000/すべてUndercover(アンダーカバー) ボディスーツ¥302,500/N21(イザ) ネックレス 大¥212,700 小¥127,900 ラリエット¥385,500 リング 右手·親指¥75,100 人差し指¥92,700 中指(上)¥70,300 中指(下)¥70,300 薬指¥70,300 小指¥89,500 左手·親指¥89,500 人差し指¥92,700 中指¥92,700 薬指と小指にしたダブルリング¥91,100/すべてTom Wood(トムウッド ジャパン) パンプス¥126,500/Gianvito Rossi(ジャンヴィト ロッシ ジャパン カスタマーサービス) ストッキング、ソックス/ともにスタイリスト私物
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──私も松浦さんに20年以上カットしてもらっているのですが、松浦さんの魅力は技術やセンス以上の何かがありますよね。

「長年クリエイティブの現場に身をおいてこられて、個性や主観、尖った部分も磨き続けてきて、カリスマ性もある。と同時に、お子さんも2人育てて、社員の方々もとても大事にしている。ベースに深くて広がる愛がある方なんですよね。そういう愛のエネルギーとかチャーミングさに、みんな惚れてしまうんちゃうかなと思います」

──打ち合わせでも今日の撮影でも感じたことですが、SUZUKAさんはクリエイティブに対してしっかりした考えも自己主張もあり、でも周囲との調和も尊重も重んじる。弱冠24歳であることに心底驚きました。「新しい学校のリーダーズ」の世界観とどう向き合ってきたのでしょう?

「リーダーズが始まったのが中学 2年で、もちろんその時はステージに出させてもらうという感覚から始まっていました。中身も自信もまだまだこれからでしたが、“不寛容社会に私たちのカウンターカルチャーを”“セーラー服を着てはみ出していく“というコンセプトは、なんとなく⾯⽩いなって思ってました」

──そのコンセプトを中学2年で体現していたことに驚きます。

「中学生なりにいろいろ考えていました。世の中には正解があって、でもその正解を、私は絶対的な正解だと思っていなかったんです。それは自分がその正解に当てはまらないからこそだと思うんですけど、不正解を正解にするというコンセプトに共鳴した部分がありました。大前提として、ステージに立たせてもらってるという感覚だったので、サブカル系のアーティストなどいろいろな方々を知る中で、自分はどうなりたいんやろ、って。

小さい頃からビヨンセやマイケル・ジャクソンに影響を受けてきて、音楽を含めてエンターテインメントはもっと外の世界もあるな、と思った時に、ぼやっと自分の理想ができたんですよね。その理想に対して、自分の足元を見た時に、私ってめちゃめちゃつまんないやん、って。じゃあ、何がつまんなくさせてんねやろ? と考えたら、自分が生きてきた世界や環境の延長で生きていると理想までかなり遠いな、と思ったんです。

ならば、自分が生きてきた道を壊してみようかな、って。 今までAを選択していたのをBにしたり、ZまであるならたまにはDやHを選んでみよう、と。自分を破壊する作業が高校生ぐらいから始まったのはなんとなく覚えていて、当たって砕けて、失敗も成功もして、すごい大変な日々やったんですけど。破壊しすぎてわけわからん苦しむ瞬間と、破壊して覚醒する瞬間の両方があって。二十歳前にもそういう時期がありました」

ドレス¥773,300 グローブ¥176,000/ともにBalenciaga(バレンシアガ クライアントサービス)
ドレス¥773,300 グローブ¥176,000/ともにBalenciaga(バレンシアガ クライアントサービス)

──10代で破壊と覚醒を繰り返す……精神が壊れてしまいそうです。

「ちょっと壊れていましたね。というか、常に壊れてるな、と思っていて。 今も壊れる瞬間は全然あるんですけど、壊れ方が違うレベルになってるな、って思います」

──知れば知るほどSUZUKAさんの頭の中に興味が湧いてきます。

「私、ガラスですよ。突いたらすぐ割れそうな。最近は受け取れるようになりましたが、いっぱい飲み込んでもいて。その上で、自分があるべき形を客観視しているんです。もとより自分に対して否定的な感情があるので、それを肯定できるように色でペイントして、それをみんなが楽しんでくれて、私も楽しんでいる。その映像を俯瞰して見た時に自分を好きになれる、いうことが何年も続いていたんです。

本当の自分が何なのかわからない。でも当たって砕けてを繰り返していくうちに、私ってそもそも生命としてとっても美しいじゃん、みたいなところに帰着したんです。それからはもっと感覚的に、AかBの気持ちいいほうを選んでいく、みたいな作業がやっと今年に入ってできるようになってきて。わざわざ色でペイントしなくても、私は内側からカラフルなものを生み出せる、という感情が生まれてきたんです。言葉にすると感覚的なんですけど、体内とか脳内ではめちゃめちゃ複雑化されていて出口がないんですよね」

──本当に複雑にいろいろなことが体内に渦巻いているんですね。

「考えすぎだろう、って他人からは思われるかもしれないけど、考える、感じる、という衝動性や直感性は人並み以上にあって、一方で繊細さも同じ波形で持ち合わせているので、深みに入りすぎると、正直疲れることもあります。今はギリギリでバランスがとれていて、将来的には地面でしっかりと足を立てるぐらい安心感のある支えを整えたいです」

 ファージャケット¥143,000(参考価格)/Toga(トーガ青山店) ファーティペット¥88,000/N21(イザ) シャツ¥126,500/Marina Yee(ノースリバティー) ヴィンテージボクサーパンツ¥6,600/Jantiques(ジャンティーク)
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──今日の撮影でも被写体として動きながら、作る側の視点がうずいているのを感じました。頭の中がクリエイティブでいっぱいなのですね。

「今日の現場が、本当に幸せで。こういう感覚になる撮影は初めてで、真の気持ちよさが分泌される時間でした。ヘアメイク、衣装……皆で何かを形にする思いやバランス感、センスがビリビリと感じられて。私もそのエネルギーを超えていくポージングをしよう、と最高に興奮しました。もちろんリーダーズともクリエイティブな作業はしていますが、家族のような存在だからこそ、そこでは出しきれない個人的な創作意欲や、発散したい、解放したい、扉を開けたいという感情が今日は飛び出しました。“スズカ”として描く未来のヴィジョンの中で、今日の『ヌメロ·トウキョウ』さんとの撮影はその思いを可視化できたようで、松浦さんをはじめ、信じて形にしてくれた皆さんに感謝していますし、本当に嬉しかった。5年後に振り返った時、今日の撮影はひとつの起点になるだろうな、と感じています」

──7月にはロンドンでの単独公演、チェコやベルリンでのフェス出演、と欧州を凱旋したばかりです。今年12月には中南米ツアーも予定されています。グループとして最初から世界を見ていたのですか?

「当初は 10人いたら1人にささればいいか、という感じだったのですが、やっぱりファンがいてこそ生まれる作品がある、という循環を感じ始めて、間口を広げるために、妥協じゃなく挑戦と捉えて、ひねりすぎていたものを戻して、直線的に伝えていこう、みたいな時期がありました」

──そして、気付いたら「オトナブルー」などが世界でもバズって。

「もともと海外の⽅からのコメントが多いなと思ってましたが、この時期どんどん増えてきて。私たちの発信しているタイミングと、SNS時代のタイミングが重なった感じです」

──7月には4thアルバム『From Tokyo with Love』を発表されました。

「世界デビュー後2作目になります。前作はフロムジャパンで世界共通で楽しめるグルーヴ感のあるアルバムで、世界33都市のワールドツアーを敢行しました。最新アルバムでは、4人の四身一体であり四者四様という要素に、よりアプローチしています。リードトラックの『Oi AG!』はリーダーズらしいファンキーで攻めたエネルギッシュな要素が詰まった楽曲です。

『TTTTOKYO』は、東京という街から世界へ行き、世界から東京へ帰ってくるという、私たちだからこそ伝えられる東京に対するメッセージがあります。海外でもたくさん見てもらっている『Tokyo Calling』のMVでは、私たちがゴジラみたいに大きくなっていたのですが、『TTTTOKYO』ではミニチュアサイズになっていて、そのコントラストも楽しんでもらえると思います。 個人的には『Oi AG!』のファンキーでロックなテイストの表現が今すごく気持ちいいので、その気持ちが爆発した表情をぜひ見てもらいたいです」

──これから20代後半を迎える中で表現は変わっていくのでしょうか。

「変わらないし、変わるのかな。でも、挑戦はどんどんしたい。今日のような撮影もですし、絵を描くのが好きだったり、映像や舞台も含めていろいろな表現に挑戦したいです。才能あふれるすばらしい人たちともっと掛け算したいし、ぶつかっていきたい、という気持ちにあふれています」

 

『Oi AG!』 配信リンクはこちら


『TTTTOKYO』 配信リンクはこちら

Photos:Yusuke Miyazaki Hair : Miho Matsuura for Twiggy. Styling : Tamao Iida Makeup : Uda Editorial Support : Shomi Abe Edit, Interview & Text : Naho Sasaki

Profile

すずか SUZUKA 2001年11月29日生まれ。大阪府出身。15年結成の4人組ダンスパフォーマンスユニット「新しい学校のリーダーズ」のメンバー。世界中でバズった「オトナブルー」のような昭和歌謡曲調から、「Tokyo Calling」のようなラップ調まで、個性豊かなパフォーマンスで魅了。24年には世界33都市で11万人を動員したワールドツアーを敢行。今年7月、4thフルアルバム『From Tokyo with Love』リリース。
 

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