こんにちは! ワインブロガーのヒマワインです。いよいよ夏本番。こんな季節に重たい赤ワインはちょっと似合いませんよね。やっぱり夏はキリリと冷えた白ワイン。海やプール、キャンプやバーベキュー、なんならベランダで飲んだりするのも楽しいですよね。
というわけで今回のテーマは「夏に飲みたい白ワイン」。Numero.jpの連載でおなじみ、ワインマーケット・パーティ店長の沼田英之ソムリエに、夏に飲みたいワインの選び方やペアリングのコツを教えてもらいつつ、おすすめの6本を選んでもらいました。さっそくいってみましょう!

夏の白ワインは「ラベル」で選ぼう
ヒマワイン(以下、ヒマ)「今回のテーマは“夏に飲みたい白ワイン”です」
沼田店長(以下、店長)「いいですね。やっぱり夏は赤より白。そして、白のなかでもさわやかな味わいのものを飲みたくなりますよね」
ヒマ「ですよね! しかも夏は、海やバーベキューに持っていくっていうこともあります。どんなふうに選べばいいのでしょうか?」
店長 「味わいにおいては酸味と果実味のある品種を選ぶといいでしょうね。代表的なのがソーヴィニヨン・ブランという品種。お店でも、夏限定で売り上げランキングBEST3に入ってくる、夏にピッタリの品種です」
ヒマ「ソーヴィニヨン・ブラン、いいですね〜! レモンやグレープフルーツのような味わいにハーブのような香り。誤解を恐れずに言えばレモンサワーのようなさわやかさがあります」
店長「レモンサワーかどうかはともかく(笑)、ソーヴィニヨン・ブランや、日本の代表的品種である“甲州”、海のワインとも称される“アルバリーニョ”といった品種は夏に最適です。また、海に持っていく、バーベキューに持っていくっていうときは、ラベルもとっても大事なんですよ。ボトルの見た目が、その場の景色の一部になりますから」
ヒマ「それはいえますね。なんとなく、よくわからない英語やフランス語で覆われているラベルよりも、夏を想起させるアートっぽいラベルのほうが気分がアガります」
店長「ですよね。夏は難しいことを考えず、ラベルで選ぶのも大いにアリです。そんなわけで、味わいとラベルの良さ、ふたつの観点からワインを選んでみましたので、ご紹介しましょう」
1. 冷たい前菜と! 日本最古のワイナリーが造る「甲州」

店長「1本目は日本から、山梨を代表する品種“甲州”を選びました」
ヒマ「いいですね! 樽甲州という名前ですが、樽を効かせたワインにありがちなバニラのようなニュアンスはなく、バランスのよい味わいです」
店長「造り手は“まるき葡萄酒”。現存する日本最古のワイナリーと言われる造り手さんなんですよ」
ヒマ「久しぶりに甲州を飲みましたが、柚子のような和柑橘のニュアンスがあっておいしいです。柚子ピールと蜂蜜で味付けをした井戸水みたいな雰囲気があって、夏にピッタリですね!」
店長「色もそこまで濃くないですし、樽もそこまで主張していない。それでいて甲州らしさはちゃんとある」
ヒマ「昔の甲州のなかには“酸っぱいだけ”という印象のものもあったような気がしますが、最近は厚みのあるものが増えましたよね。これはまさにそうですね」
店長「樽で発酵させて、澱と一緒に寝かせているんです。だから旨味と厚みが出ている」
ヒマ「夏っぽい料理と合わせるなら、何でしょう?」
店長「冷たく冷やした夏野菜のゼリー寄せなんかどうでしょうか。フレンチでいう冷製の前菜ですね」
ヒマ「さわやかだな〜。想像しただけでおいしい!」
2. 塩焼きそばにライムを搾って! 南アフリカの「ソーヴィニヨン・ブラン」

店長「2本目は南アフリカのソーヴィニヨン・ブラン。“ホエール・ヘイヴン”です」
ヒマ「夏にピッタリの品種、ソーヴィニヨン・ブランがここできましたね。親子のくじらが描かれたラベルもいい感じです」
店長「南アフリカは、海沿いでホエールウォッチングができるんです。くじらを保護する活動も盛んな土地なんです」
ヒマ「香りにキウイやウリ系のニュアンスがありますね。ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランとは、だいぶ違う」
店長「違いますね。もう少し塩気がある。果実味もしっかり感じられますよね。ソーヴィニヨン・ブランは海の幸やスモークサーモンによく合いますが、最近すごいペアリングを発見したんです。それが、塩焼きそばにライムをこれでもかと搾ったもの」
ヒマ「しっ、塩焼きそばにライム!?」
店長「これがめちゃくちゃおいしかった。ライムを搾った汁をスプーンで集めて、焼きそばにジャッとかける。それにソーヴィニヨン・ブランを合わせると、これはもう、最高です」
3. ボンゴレ・ビアンコと! スペインの「アルバリーニョ」

店長「3本目は、スペインのアルバリーニョ。夏をテーマにするなら、これは絶対に入れないといけないと思って」
ヒマ「通称“海のワイン”なんて呼ばれる、さわやかで果実感を強く感じられる品種ですね」
店長「産地はスペインのリアス・バイシャス。学校で習った“リアス式海岸”の語源になった場所です」
ヒマ「なんでも最近の教科書では“リアス海岸”と表記されるようですよ。それはともかく、このワインは素晴らしい。マスカットや白桃のような、甘やかなニュアンスとレモンのような酸味が調和しています。これで2,750円は正直驚き」
店長「かすかに感じる塩味がいいアクセントになっていますよね。じつはアルバリーニョという品種は日本でもいま大人気で、九州から北海道まで、いろんなところで植えられています。樹勢が強くて、湿気にもある程度強い。日本の気候に合うんですね」
ヒマ「そしてなんといってもラベルですよ。漁師さんが網で水揚げした感じで、いかにも海。BBQやシーサイドに持ち込んだら気分は最高。合わせる料理は、もうシーフード一択ですね」
店長「一択です(笑)。貝、アサリ、シーフードのマリネ。アヒージョもいいですが、私のイチオシはボンゴレ・ビアンコ」
ヒマ「最高の一言ですね。イタリアンパセリをたっぷりまぶして、仕上げにレモン搾っちゃってもいいかも!」
4. 生姜焼きと! ボルドー「アントル・ドゥ・メール」の白

店長「4本目はボルドーの白。アントル・ドゥ・メールという、“二つの海の間”を意味する土地のワインです」
ヒマ「おお、素敵……! これはソーヴィニヨン・ブランと、ソーヴィニヨン・グリという珍しい品種をブレンドしているんですね」
店長「この造り手は天然酵母を使って、できるだけ人が介入をしない造り方をしています。有機栽培も行っているようで、いわゆる“自然派”ですね」
ヒマ「ナチュラルワインとかヴァン・ナチュールとかっていうやつですね。たしかにお行儀良く整った味というよりは、ワイルドに尖った味わい。かといってネガティブなわけではなく、旨味、酸味、ほんの少しの苦味が混じり合っておいしいです」
店長「自然派といっても、極端な造りはしていないんだと思います。ボルドーの名前で出す以上、ここは超えちゃいけないという一線があるんでしょう(笑)」
ヒマ「香りにちょっとクセがあって、酸味、果実味だけじゃなく旨味みたいなものを感じられる。これ、夏バテで食欲ないときに、バゲットとちょっとクセのあるチーズと、このワインだけで晩ごはんを済ませちゃうとかアリですね」
店長「完全にアリです。あとは、スパイシーさがあるので生姜を合わせるのもいいと思います。たとえば豚の生姜焼き。がっつり食べて、白ワインでグイッと流し込む。白いごはんも食べちゃっていい」
ヒマ「ナチュラルワインと白ごはん、それもまた一興!」
5. 海の家の焼きとうもろこしと! カリフォルニアの「シャルドネ」

店長「5本目はカリフォルニアの生産者、“ステラ&マーカス”です。このワインを選んだ理由はズバリ、ラベルです」
ヒマ「最高ですね。夕暮れの海をサーフィンしている子どもたち。飲み終えたあとも飾っておきたくなるようなワインです。ひまわりなんか活けたりして」
店長「ラベルのみならず味わいも素晴らしい。品種はカリフォルニアを代表する品種“シャルドネ”です。さわやかなワインから濃厚なワインまで、造りによってさまざまな表情を見せる白ワインの代表品種ですが、このワインは樽をちょっぴりだけ効かせたさわやか寄りなタイプで、リッチな味わいにクリスピーさも楽しめます」
ヒマ「温度が低い状態だとよく冷やした洋梨みたいな感じ。温度が上がるとそこにバニラアイスみたいな甘やかさが加わりますね」
店長「ワインにナッツのような香ばしさがあるので、合わせるのも香ばしいものがいい。甘みがあって香ばしい夏の食材といえば——そう、焼きとうもろこしです!」
ヒマ「うわーめっちゃ合いそう! ワインにバターっぽさもあるから、焼きとうもろこしにバター醤油でいきたいです」
店長「最高ですね。花火大会の夜店で焼きとうもろこしを買い、クーラーボックスで冷やしたこのワインで流し込む。夏限定の最高の贅沢です」
ヒマ「夜店でワイン、大いにアリですね……っていうか我々でやりませんか、ワイン屋台で夏祭り出店」
店長「検討しましょう(笑)」
6. 鉄板の塩ホルモンと!? シチリアの「ジビッボ」

店長「最後はシチリア。品種は“ジビッボ”です」
ヒマ「シチリア島ですね! 産地がすでに夏を感じさせます。ところでジビッボ……ってどんな品種でしたっけ?」
店長「いわゆる“マスカット”のシチリアにおける呼び名です。さきほどのアルバリーニョがマスカットっぽい香りの別品種だったのに対して、こちらは正真正銘、マスカットそのもの」
ヒマ「なのに香りや味はマスカットっぽくないというのがワインの面白いところ。こちらはパイナップルやマンゴーのようなトロピカルな印象を受けます」
店長「いわゆる“重心が低い”と言われるタイプですね」
ヒマ「今回ご紹介いただいた6本のなかでは色も濃いめ。濃い白というか、薄いオレンジワインといった印象も受けます」
店長「天然酵母で、造りも自然派寄りですからね。これはさわやかにプールサイドで飲むというよりも、バーベキューなどでお肉と合わせたいワインです。たとえば、鉄板で焼いた塩だれホルモンなんかを合わせても負けません」
ヒマ「夏にあえて汗をダラダラかきながら食べるやつですね(笑)。ワインの側の懐が深いので、七味をたっぷりかけてもよさそうだなぁ」
店長「色もそうですが、オレンジのニュアンスもあるので、柑橘と和えたカルパッチョもいいですね!」
夏こそ、白ワインを外に連れ出そう

ヒマ「6本を通して総括すると、夏に飲みたい白ワインは、まず酸が高めであること。そして、フルーツ感があることが条件ですね。そして、ドシンと濃いタイプより、さわやかでキリッとしたタイプがいい」
店長「そのもっとも典型的な例が、3本目に紹介した“アルバリーニョ”でしたね。クーラーの効いた部屋の中はもちろん、アイスバケツと一緒に外に持ち出して飲んでも抜群だと思います」
ヒマ「そして、夏っぽいラベルも大切な要素ですね。私はワインのラベルはテーブルを飾る小さな額縁だと思っていますが、ここが夏っぽいと一気に気分が高まります」
店長「お盆に実家へ帰るときや、地元の友人と会う際の手土産にも、さわやかで海っぽいラベルの1本があると気が利いていますよね」
ヒマ「ですね! そして四の五の言わずに焼きそばやらとうもろこしやらと合わせて、おいしい白ワインをキリッと冷やしてガブガブ飲む」
店長「最後にひとつだけ。夏は、柑橘をぜひ用意しておいてほしいんです。レモン、ライム、柚子、金柑。料理にキュッと搾って添えるだけで、白ワインとの相性が跳ね上がりますから」
ヒマ「例の、塩焼きそばにライムですね(笑)」
店長「間違いない。ぜひ、お試しください!」
ワインマーケット パーティ
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