【2024年K-POPゆるトーク】ライターMとエディターSの超私的プレイリスト | Numero TOKYO
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【2024年K-POPゆるトーク】ライターMとエディターSの超私的プレイリスト

2024年も数々の名曲が誕生し、新たなグループがデビューし……と常に話題に事欠かなかったK-POPシーン。ひっそり独自のオタ活道を邁進したライターMとエディターSが、極私的プレイリストをシェアしながら、偏りすぎてるK-POP愛をゆるゆるトーク。新情報や楽曲分析などは一才ナシ。ひたすら2024年を振り返ります。新年のこたつみかんタイムのおともに。

【プレイリスト by ライターM】

【プレイリスト by エディターS】

(エディターS)「さて、私たちが今年気に入ったK-POPを好き勝手に語るという、特に意義のない企画です。Mさんは2024年ずっと『(NCT)WISH、WISH』と言っていた印象ですが…。『Steady』は私も好きです。なぜこのリミックスの方を?」

(ライターM)「NCT WISHは『1.曲がいい 2.コンセプトが一貫してる 3.世界観が優しい』のが魅力なんですが、プロデューサーのBoAさんや制作チームがメンバーの個性を大切にしている温かさが伝わってくるんですね。だから、コンテンツ含めトータルで楽しいんです。このリミックスはSnail’s Houseという日本のアーティストが手がけていて、彼は「Kawaii future bass」の提唱者なんですね。ゲームサウンドのようなキラキラした音がNCT WISHの世界観にどんぴしゃで最高のリミックスでした。NCT WISHのチームは、毎回、ancccooナカレンヤなど日本のクリエイターを起用しているんですが、本当によくチェックしてるなと感心します」

「なるほど。NCT WISHはグッズもアートワークもポップで可愛いですよね。私の地元・北海道をMVのロケ地にしているのも個人的にアツいです。私が今年デビューしたグループでよく聴いたといえばTWSですかね。こちらも眩しいくらいのキラキラでフレッシュな魅力にやられました。中でもお気に入りは『plot twist』です。NICE73さんも楽曲のユニークさについてお話しされてましたね(記事はこちら)」

「TWSも含め、今年、清涼ソングの波がありましたね。Sさんのプレイリストに入っているThe Windもそうですよね」

「The Windは今年も終わりに差し掛かる今になってやっとハマりました。「친구 사이 아닌 것 같아(I Don’t Thing)」はYouTubeを見ていたらステージ動画が流れてきたんですが、全部聴かないでもイントロだけで『この曲好きだ!』と確信(笑)。爽やさを求めていたんでしょうか。他の曲も聞いてみたところ、全部好みで。時代に左右されない王道爽やかポップ、たまらないです。NICE73もデビュー当時から推してましたよね。今、ようやくその気持ちがわかりました。私は女性グループの曲はあんまり聴かなかったのですが、ILLITKATSEYEは今年デビュー組ですよね。この辺は?」

「『Touch』の軽快なブレイクビーツ、『Magnetic』のフューチャー・ベース感は今年らしい曲調でヘビロテした2曲です。特に『Touch』は日本にルーツがあるTaka Perryさんが制作に参加しているんですが、彼はAile The ShotaやSIRUPにも曲を提供してたり、今、大注目の作曲家です。それからKISS OF LIFE『Sticky』もTikTokでバズりましたよね。トレンドの昇華の仕方が上手だなと思いました」

「確かに、ガールズグループの躍進が今年際立ちましたね。LE SSERAFIMaespaも耳に残る中毒性のある曲でした。私はそんな中でもYENAの『네모네모(ネモネモ)』推しです! 日本のアニメソングのようで、YENAならではの曲に『こういうのが聴きたかった!』と。あのZICOが作詞に関わっているそうですよ。それを知ってなんだかうれしくなりました(笑)。あとはMAMAで観た(G)-IDLEの『Super Lady』のステージに圧倒されて、それからよく聴いています」

「祝・再契約! MAMAのステージはめちゃくちゃかっこよかったですよね。aespa『Whiplash』のスーパージゼルタイムも痺れましたが、個人的には『Supernova』のGrimesリミックスが最高すぎて。こんなに相性がいいことあるの! ってことでこちらもリミックスを入れてます。RIIZEの『Impossible』のリミックスはパリのトラックメーカー、Dariusが手がけたんですが、ピアノのブレイクなどハウス成分が増強されていて最高でした。今年のScreaM Recordsの仕事は素晴らしすぎた!」

「すごい! ScreaM Recordsからいろいろなリミックスが出てるんですね」

「SMでいうとRed Velvetの『Cosmic』も安定の傑作で、ガールズグループは本当に豊作でしたね。ただね、fromis_9がこの名曲を残して専属契約終了って(泣)」

「未聴なので聴いてみようっと」

「プロミのみなさんのこれからの活躍を楽しみにしてます。ファイティン!」

「今年、NewJeansの東京ドーム公演も一緒に行きましたね。唯一、私たちのプレイリストに共通しているのが『Supernatural』です」

「あれは夢のような一夜でしたね…。これはNewJeansの日本デビューの曲ですが、韓・英・日の3か国語がそれこそ超自然にミックスされてて日本盤の正解を出してくれたような気がして。いろんなものをミックスしたといえば、二次元と三次元を超越したバーチャルアイドル、PLAVEも大躍進しました」

「二次元に全く興味がないタイプなんですが、何せ曲が良いもので、どハマりしました。『WAY 4 LUV』と、2023年のリリースですが『Wait for You』『The 6th Summer』も今年狂ったように聴きましたね。なんていうか、カタルシスを感じるんですよね。聴いていて心地よい。ライブ配信も頻繁にしていて、トークも安定感ありめちゃくちゃ面白くて。楽曲や振り付けに本人たちが関わっているのも好感持てますよね」

「実力派でありながら、音楽番組、次は授賞式、レッドカーペットと、こんなことまでやるんだーとワクワクさせてくれましたよね」

「うんうん。来年はコンサートに行ってみたいです。Mさんの最推しといえばNCTですが、WISH以外の今年の動向は!?」

「そこ聞いちゃいますか。酷暑のサマソニでNCT DREAMのステージを見たんですが、彼らはすごくフェス向きのグループなんだと再発見しました。パフォーマンスは力強いし、ヘチャンとチョンロの伸びやかなボーカルがZOZOマリンスタジアムに響いて、気温を2度くらい下げてくれた気がします。もっといろんなフェスに出てほしい(真夏以外)。NCT 127はテヨンとジェヒョンが兵役履行中でソロ活動が増えているんですが、ソロ作はそれぞれの個性が120%発揮されていて毎回楽しみです。YUTAは以前からラジオ番組『YUTA at Home』で毎回J-ROCKをかけるので、ファンも少しずつ教育されつつある中で彼のロック魂が炸裂したアルバム『Depth』がドロップされて、シズニ(NCTのファン)側もキター!という」

「もう、NCTの話になると止まらない(笑)」

「まだWayVについて語ってませんよ。中国と台湾、タイの多国籍メンバーからなるWayVなんですが(長くなるので中略)、今年、奇跡の日本デビューをしてくれまして。日本語で歌ってくれるだけでもうれしいのに『Bandage』の日本に対する解像度の高さたるや。これは日本のWayZenNi(ファン)へのラブレターだと思いましたもん。制作のChaManeはRIIZEの『LOVE119』&TEAM『五月雨』も手がけていて、この人も要注目です」

「『Bandage』はMさんがリリース時にリンクを送ってくれたのを覚えています(笑)。疾走感といい、J-POPぽい! これをWayVが歌っているというのが胸アツ。好きな曲を見つけたら、その作曲家が手がけた他のアーティストの曲を聴いてみると、点と点が線で繋がって面白いですよね。この人が、あの曲も!この曲も!という」

「K-POPの作曲家といえばMonoTreeが代表的ですが、Sさんの推し、ONFの『Bye My Monster』は超名曲でしたね。

「除隊後、2回目のカムバでこう来たか!と。MonoTreeのファン・ヒョンさんにはクラシック音楽のバックグラウンドがありますが、ラフマニノフの交響曲をサンプリングした美しいメロディーと壮大な世界観で、一昔前のK-POPぽさもありながら、新鮮でもあって。さらに、今のONFだから表現できる成熟さも表現されているので、聴くたびにスルメな曲なんです。3分26秒というトレンドの真逆をいく曲の長さもポイントです。実際、コンサート(※撮影可の)に行って動画を撮ると、撮影のやめどきがわからないので、結局頭からお尻まで撮っちゃうんですよ(笑)。ファン・ヒョンさんは毎回カムバのたびにハードルが上がっていると思いますが、期待を大きく上回る楽曲ばかりを生み出してくれるので、本当に現代のベートーヴェンですね。このアルバムの収録曲は、他にも名曲ばかりです! 来年はカムバも控えていますが、ONFの年になること間違いなし(願望)」

「名物プロデューサーつながりでいうと、チョン・ビョンギのtripleS『Girls Never Die』は、韓国の同徳女子大学で共学化に反対する学生デモのテーマソングになってました。tripleSのメンバーや制作陣は想定してなかったと思いますが、この一件で曲がさらに完成されたようでとても興味深かったです。それから&TEAMの『十五夜』はBTSの『Dynamite』をプロデュースしたデイヴィッド・スチュワートが手がけていました」

「音楽は時代を映す鏡であり、その逆も然り」

「振り返ると今年も名曲がたくさんありましたね。ZEROBASEONEの『ゆらゆら -運命の花-』も良かった。THE BOYZの全員移籍もあったし、TREASUREは来年からリーダーがJUNKYUとASAHIに交代するので、次はどんな彼らが見られるのか。来年も楽しみです」

 

 

 

Image: freepik

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