バービーのモヤモヤ相談室 vol.28「結婚して、姓が変わったことを受け入れられません」 | Numero TOKYO
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開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室 vol.28「結婚して、姓が変わったことを受け入れられません」

体や性をめぐるあれこれ、人間関係や恋愛、社会についてなど、読者の抱える「モヤモヤ」をバービーが一緒に考えます。正解は見つからないかもしれないけど、チャクラは開放できちゃうかも?!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年3月号掲載)

【今月のモヤモヤ】
「結婚して、姓が変わったことを受け入れられません」

結婚して1年、自分の姓が変わったことがまだ受け入れられません。自分のアイデ ンティティが失われたような寂しさや不安、女性が男性の姓を名乗る風潮、結婚前 に気持ちを言語化できず夫に伝えられなかった自分への怒りなど、いろんな感情が ない交ぜに。職場では旧姓を使っていますが、病院で新姓を呼ばれると涙が出るこ とも。私はこの問題にどう向き合えばいいでしょうか。(そる・26 歳・会社員)

【バービーからのメッセージ】

たくさん話し合っても、改姓は悲しく、悔しかった

私も改姓に強い抵抗感があり、つーたん(夫)となかなか法律婚に踏みきれませんでした。このまま宙ぶらりんにしていてはいけないと思い、結婚に向けて話し合いを重ねるうち、世間で知られた「バービー」と「笹森花菜」以外の名前があったほうが私にとって生活がしやすそうということ(確かに、新姓はほとんど知られていないため、“新しい自分”を手に入れた感覚がありました)、逆に夫が“笹森”に改姓すると会社で注目を集めたり、社会で偏見を持たれやすいと夫が意見し、私が姓を変えることに。

ただ、夫の理由が対外的なものだったことに納得できず、婚姻届を出す3日前に「どちらの姓にするかあみだくじで決めよう」と私が言い出して、夫が「くじで決めることじゃないだろう!」とキレ、結婚をやめる寸前までの大げんかに発展。夫のジェンダー観はフラットだと思っていたけど、法律の前ではそのバランスが崩れてしまうことが悔しかったのですが、改姓にまつわるもろもろの事務手続きや申請はすべて夫がやるということで折り合いをつけました。結婚前にこれだけ話し合っていても、改姓後は悲しさと悔しさで泣いてしまいました。だから、そるさんの喪失感はなおさらだと思います。

パートナーに不安や憤りを伝え、知ってもらおう

ただ一つ、そるさんの相談文に気になる箇所があります。「飲食店で名前を書くときは、ほんの少しの抵抗で旧姓を使っていますが、そんな気持ちでいることに対し、彼に申し訳ない気持ちでいっぱいです」。そるさんが旧姓を手放したくない気持ちでいることに罪悪感を抱いているのだとしたら、その必要はまったくないです。旧姓を使い続けたいと思うことは女性のわがままではない。そるさんが悔しいのは自分の気持ちを伝えられなかったことだと思います。

結婚後でも遅くないです。パートナーに今の気持ちを伝えませんか。私の場合、夫は夫なりに「妻に姓を変えさせてしまった」と思っていると知ったことで、私だけが我慢しているんじゃないんだと知り、新姓を少しずつ受け入れられるようになりました。とはいえ結婚によって主に女性が我慢を強いられる状況に納得しているわけではないのですが。改姓に対する悲しさや悔しさ、自分への怒りも抱えていることを伝えることで問題の向き合い方が変わってくるのではないかと思います。

そしてもし、夫が「女性が姓を変えるのは当たり前」という意見だったら、彼は無意識に性的役割意識に染まっているだけだから、いい機会だと思って、自分たちの価値観のすり合わせをしてみてはどうでしょうか。自分が抱える不安や憤り、寂しさを知ってもらうことはとても大事。そして、伝え続けることを諦めないで下さい。応援しています。

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Photo:Takao Iwasawa Styling:Natsuki Taniguchi(Takuty Produce & Create) Hair & Makeup:Mayu Interview & Text:Mariko Uramoto Edit:Mariko Kimbara

Profile

バービーBarbie お笑い芸⼈。北海道出⾝。2007年、相⽅のハジメとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。TBS『ひるおび!』のコメンテーターや、TBS ラジオ『バービーとおしんり研究所』のパーソナリティを務めるほか、⽣まれ故郷の町おこしにも尽⼒。YouTube『バービーちゃんねる』では、最新美容や性についてのトピックが話題となり、現在の登録者数は25万⼈を超える。またFRaU WEBにて連載中のエッセイをまとめた著書『本⾳の置き場所』(講談社)を出版。⾃らプロデュースしたピーチ・ジョンとのコラボ下着の発売や、双⽅向コミュニケーション型ECサイト『◯バ(仮)』にてシルエットをキレイに⾒せる太ベルトの発売を開始。22年4月には初のシングル楽曲「Ya jatuh cinta(ヤ ジャットウ チンタ)」を配信限定でリリースするなど、多岐にわたり活動の幅を広げている。

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