あなたの“偏愛Tシャツ”コレクション見せてください vol.4 三井リンダ
ミュージシャン、映画、アート、珍スポットなど特定のジャンルのTシャツをこよなく愛し収集する、ファッションプロとクリエイターたち。そんな彼らにTシャツへの思い、集める楽しみやこだわりを聞いた。vol.4は三井リンダの偏愛Tシャツコレクション。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年7・8月合併号掲載)
三井リンダ|ファッションデザイナー
聖地巡礼して集まったアメリカ珍スポット&秘境T
さまざまな映画を見るが、特に90〜00年代のロードムービーの大ファン。映画『ロリータ』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『ワイルド・アット・ハート』などで観た “私的聖地を巡礼”をアメリカ西海岸で敢行。
「本当にあったんだ」と現地の雰囲気を体感し、行く先々でその地にしかないTシャツを手に入れている。「実際に行ったことがある場所のプリントでないと、堂々と着られないんです。好きなバンドTを着る感覚なのかもしれませんが、ちゃんとその地に行ったという事実が好き(笑)。説得力がないし、Tシャツ一枚でも完璧に背景があることを知っていたほうが楽しいと思う。Tシャツは600枚くらい持っています」。
行ったことがない海外の本屋やパン屋のグラフィックより、日本ではなかなか出合えない純度の高い文化を自分で体感することを重視する。「最近は、大好きなフランソワーズ・サガンの『悲しみよ、こんにちは』の舞台、高級リゾート地フレンチ・リヴィエラのホテルに行ってみたい。セシルカットにミニスカートで二日酔い。あんなイケてる社交界はずるい! そういう場所でTシャツが手に入ったら最高です」
Photos: Kouki Hayashi Text: Aika Kawada Edit: Aika Kawada, Sayaka Ito