人生初のフルマラソンに挑戦! ボストンマラソン完走を支えた「ウェスティンホテル&リゾート」のプログラムとは? | Numero TOKYO
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人生初のフルマラソンに挑戦! ボストンマラソン完走を支えた「ウェスティンホテル&リゾート」のプログラムとは?

東京マラソン、B.A.A. ボストンマラソン(以下、ボストンマラソン)、TCS ロンドンマラソン、BMW ベルリンマラソン、Bank of America シカゴマラソン、TCS ニューヨークシティマラソン。世界でも特に注目度の高いこれら6つのマラソン大会で構成されるのが、アボット・ワールドマラソンメジャーズだ。

この6大大会に参加する旅ランナーとサポーターを、レースが開催される週末に支援するプログラムが、「ウェスティンホテル&リゾート」でスタートした。このプログラムの先駆けとなったのが、2023年4月17日に開催されたボストンマラソン。今年で127回目を迎える歴史あるボストンマラソンに、今回マラソン初心者の筆者が実際に参加、「ウェスティンホテル&リゾート」のプログラムも体験させていただいたのでその様子を紹介する。

ボストンマラソンのゴール近くに立地する「ウェスティン・コプリープレイス,ボストン」

ニューヨーク行きなど長距離列車が乗り入れるバック・ベイ駅や、地下鉄コプリー駅はそれぞれ徒歩約3分の距離に位置する
ニューヨーク行きなど長距離列車が乗り入れるバック・ベイ駅や、地下鉄コプリー駅はそれぞれ徒歩約3分の距離に位置する

アメリカの東海岸、ニューヨークから北東へ約350kmに位置するボストン。東京・成田空港からは日本航空が毎日直行便を運行しており飛行時間は約12〜14時間、ボストン・ローガン国際空港からボストン中心部までも車や地下鉄を使い約15〜30分程度で到着するので意外にもアクセスは良い。

2020年にリニューアルしたホテルのロビーには電源席もありWork Wellも叶う 提供:マリオット・インターナショナル
2020年にリニューアルしたホテルのロビーには電源席もありWork Wellも叶う 提供:マリオット・インターナショナル

今回宿泊した「ウェスティン・コプリープレイス,ボストン」は、ボストンのダウンタウン、バックベイ地区に位置する。アメリカ最古の図書館「ボストン公共図書館」の正面に位置し、ボストンマラソンのゴール地点は目と鼻の先というランナーには持ってこいの立地だ。

クイーンリバービューデラックスの客室 提供:マリオット・インターナショナル
クイーンリバービューデラックスの客室 提供:マリオット・インターナショナル

803に上るホテルの客室は、スタンダードなものでもバックベイエリアにあるホテルで最大の広さを誇る。ドッグフレンドリーなアメリカらしく、客室はペットの同伴も可能だ。

Sleep Well、Eat Well、Move Well、Feel Well、Work Well、Play Wellという6つの柱を掲げる「ウェスティンホテル&リゾート」では、全客室に特製ヘブンリーベッドを完備。さらにベッドサイドにラベンダーとカモミールのリラックスオイルを備えるほか、インルームダイニングでもSleep Wellメニューを展開し快適な睡眠をアシストしてくれる。

今回宿泊した34階の客室からは、ボストンの街並みだけでなくマサチューセッツ湾まで見渡せた
今回宿泊した34階の客室からは、ボストンの街並みだけでなくマサチューセッツ湾まで見渡せた

客室の窓はすべて建物の外側を向いているため、ボストンのシティビュー、もしくはリバービューが楽しめるのも嬉しい。

夜にはライブイベントも開催され、地元客でも賑わう「Bar 10」 提供:マリオット・インターナショナル
夜にはライブイベントも開催され、地元客でも賑わう「Bar 10」 提供:マリオット・インターナショナル

ブランドが掲げるEat Wellを体現するのが、ロビー階に位置するオールデイダイニングの「Bar 10」だ。バーボンを使ったオリジナルカクテルや地ビール、ボストン名物のロブスターロールなどモダンアメリカ料理にとどまらず、エナジーチャージに適したヘルシーな料理を味わえる。

ベーグルやミューズリー、スムージーなどヘルシーフードが揃う朝食ブッフェ
ベーグルやミューズリー、スムージーなどヘルシーフードが揃う朝食ブッフェ

インルームダイニングも含め同ホテルでは、可能な限りエシカルなローカル食材を使用している。ホテルのルーフトップガーデンで栽培された野菜やハーブ、養蜂されたハチミツなども使われているほか、館内で発生した残飯はすべてコンポストするなどサスティナブルな取り組みも多く行う。

提供:マリオット・インターナショナル
提供:マリオット・インターナショナル

ホテル5階に位置する、24時間365日営業の「WestinWORKOUT(R) Fitness Studio」では、TRXファンクショナルトレーニング機器やPelotonバイク、Hypericeと提携したHypervoltリカバリーステーションなどの最先端の機器を通じ、Move Wellを体感できる。

Hypervolt Go 2などリカバリーギアや、ウェスティンホテル&リゾートとの限定コラボレーション製品Hypersphere Miniなどがセットになったキット
Hypervolt Go 2などリカバリーギアや、ウェスティンホテル&リゾートとの限定コラボレーション製品Hypersphere Miniなどがセットになったキット

さらに2023年1月には、ゲストがランニングウェアやシューズをレンタルできる「WestinWORKOUT(R)ギアレンディングプログラム」もリニューアル。

7段階から強さを選べ、エアの圧迫で脚のコリをほぐしてくれる
7段階から強さを選べ、エアの圧迫で脚のコリをほぐしてくれる

ワークアウト後のリカバリーや、長旅によるコリや緊張を和らげるのに最適なマッサージおよびリカバリー製品を展開する「Hyperice」と、フィットネスアクセサリーブランド「Bala」のキットをそれぞれレンタル(一泊各5ドル)でき、客室やジムで好きな時に利用できる。

こちらも強さのレベルを選び、振動でコリをほぐしてくれる。個人的に足裏が良かった
こちらも強さのレベルを選び、振動でコリをほぐしてくれる。個人的に足裏が良かった

今回のステイでは、ジョギングやマラソン、街中を歩き回ったので、この「Hyperice」のリカバリーキットが大活躍だった。マラソン完走後も、テレビを見ながらヘブンリーベッドに横たわり、リカバリーキットでケアできたおかげでかなり脚の回復が早かった気がする。

ピラティスやリカバリーのレッスン、軽食や飲料を提供する「ウェスティン・マラソン・ゾーン」

「ウェスティン コプリー プレイス ボストン」に登場した「ウェスティン・マラソン・ゾーン」
「ウェスティン コプリー プレイス ボストン」に登場した「ウェスティン・マラソン・ゾーン」

アボット・ワールドマラソンメジャーズと提携した「ウェスティンホテル&リゾート」では、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク、東京の一部のホテルで大会が開催される週末に「ウェスティン・マラソン・ゾーン」が登場する。この「ウェスティン・マラソン・ゾーン」では、宿泊しているランナーに向け、スタートからゴールまでをサポートする無料のウェルネス体験や、応援者を支援するプログラムが展開される。

「Bala」のインストラクターによるストレッチ&ピラティスセッションの様子
「Bala」のインストラクターによるストレッチ&ピラティスセッションの様子

その一つが、レース前のウォーミングアップやレース後の回復をサポートするために行われる「Hyperice」と「Bala」のインストラクターによる専用レッスンだ。ボストンマラソンウィークエンドでは、「Hyperice」のインストラクターによるリカバリーセッションと、「Bala」のインストラクターによるストレッチ&ピラティスセッションが1日にそれぞれ5回、各20分行われていた。

また、ボストンマラソン前日の朝には「ウェスティン・コプリープレイス,ボストン」主催で5kmのシェイクアウトランも開催された。ホテルを起点にチャールズ川沿いを走り、ハーバードブリッジを渡り、対岸のMIT(マサチューセッツ工科大学)の目の前を抜け、ロングフェローブリッジを渡りホテルに戻る、ボストンの風光明媚な景色を堪能できるランニングコースだ。

ボストンマラソン時はバナナやプロテインバー、スポーツドリンク用の粉末、エネルギー補給ゼリーなどが配られた
ボストンマラソン時はバナナやプロテインバー、スポーツドリンク用の粉末、エネルギー補給ゼリーなどが配られた

「ウェスティン・マラソン・ゾーン」では期間中、バナナやリンゴ、プロテインドリンクやプロテインバーなどの軽食や飲料を無料で提供。マラソン前日のシェイクアウトランの際にはコーヒーや果物、マフィンが登場し、マラソン当日はサポーター向けに「イートウェル・スナック・パック」が、ランナーには携帯用の軽食が用意された。

提供:マリオット・インターナショナル
提供:マリオット・インターナショナル

さらに、レース終了後には、お祝いの軽食と飲み物まで用意されるという手のつくしようだ。

提供:マリオット・インターナショナル
提供:マリオット・インターナショナル

またサポーターには、大切な人を応援するポスターを作成する場所や、ウェスティンホテル&リゾートブランドが装飾された応援用のポンポン、カウベルも用意され、自由に活用できる。

このほか、アボット・ワールドマラソンメジャーズの6つのメジャー大会をすべて完走したランナー、Six Star Finisher向けの特典付き宿泊もある。レース期間中Six Star FinisherのBIBを提示したランナーは、ギアレンディングプログラムの2つの賞品「Hyperice Hypersphere Mini」と「Balaレジスタンスバンド」(※先着順)がプレゼントされるそうだ。

街中がお祭り騒ぎになる、ボストンマラソンウィークエンド

ボストンマラソンは、世界で最も歴史のあるマラソン大会で、アメリカ独立戦争の緒戦となったレキシントン・コンコードの戦いを記念した愛国者の日に開催される。今年で127回目を迎える2023年度のボストンマラソンには、100カ国以上から3万人以上のランナーが参加した。

ボストンマラソンの特徴は他のメジャーマラソンと違い、性別別、各年齢層別に設けられた資格タイムを満たした人だけしか参加できないこと。このことから「選ばれし者のマラソン」との異名も持つ。とはいえ、寄付枠や観光ツアー枠、市民枠など一般の人が参加できる方法もある。

マラソン参加者は、ボストンウィークエンドの期間中に特設されるEXPO会場で、BIBナンバーと呼ばれるゼッケンなどの大会グッズを受け取る必要がある。このEXPO会場はマラソンゴール地点の近くに立地し、「ウェスティン・コプリープレイス,ボストン」からも歩いてアクセスが可能だ。

EXPOで行われた、旅先でのリカバリーについてのパネルディスカッション
EXPOで行われた、旅先でのリカバリーについてのパネルディスカッション

このEXPOではアディダスによる大会オリジナルグッズの販売や、マラソンにまつわる展示や協賛企業のブースなどが並び、かなりの賑わいを見せる。会場では、専門家によるランナー向けのパネルディスカッションも行われていた。

EXPO会場の近くには、2013年4月15日のボストンマラソン当日にゴール付近で起きた、爆破事件の被害者を追悼するモニュメントがある。悲劇の事件から10年という節目の今回の大会では、花を手向ける人も多く、悲しい事件から立ち直ろうと各所には「BOSTON STRONG」というキャッチフレーズも掲げられていた。

西のホプキントンから東のボストンに向かい、一直線に走るボストンマラソン

マラソン当日、ランナーはゴール地点付近に設けられたブースに荷物を預け、大会運営のバスに乗り込みスタート地点に向かう。

バス乗り場があるのは観光名所でもある「ボストン・コモン」という公園で、ホテルからも歩いて行ける距離だ。ここでランナーは荷物チェックを受け、付き添いの人はランナーに別れを告げる。

42.195km先のホプキントンまでは、アメリカらしいスクールバスで運ばれる。周囲の人たちの声援に見守られながら出発したバスの車内は、まるで学校の遠足のような賑わいで、レース前からランナーたちの盛り上がりを感じた。

1時間かからずにホプキントンに到着すると、アスリートビレッジまで少し歩く。

ランナーはテントやトイレ、簡単な軽食が用意されたアスリートビレッジで、スタート時間まで待機する。この日は朝から小雨が降っており、気温も10度程度だったため、走るにはちょうどいいが、待機するには寒さが堪える環境だった。

スタート時間が近づくと、さらに1マイルほどスタート地点まで移動し、いよいよマラソンがスタート。

まず驚いたのは沿道の声援。スタートからしばらくは、映画やドラマなどでよく見るアメリカの田舎町のロードサイドを走るのだが、応援の人たちがひっきりなしに並んでいる。特に印象的だったのが、家の前にテントやチェアを設け、スピーカーで大音量の音楽を流し、食べたり飲んだりしながら、テンション高く応援してくれる人たちだ。声援も「You are Boston’s hero!」「I am proud of you!」「You can do it!」などバリエーション豊富で、カウベルを鳴らしたり、ポンポンで応援したり、ハイタッチを求めてきたりと、応援の仕方もさまざま。こちらもガッツポーズを取るなど声援に応えるジェスチャーを取ると、さらに声援が増すので嬉しかった。

ランナーたちもフルマラソンながら、思い思いのウェアで参加しているのも印象的だった。「I run for 〇〇」「〇〇 sisters」「Team 〇〇」「6大大会参加中」など自分がなぜ走るのか、何のために走るのか、走る意味、願いを服装に込めている人が多かった。

スタート時には幸い雨は止んだものの、8〜10マイル地点に到達する頃には雨に見舞われてしまった。靴の中がずぶ濡れになるものの、ハーフ地点までは良いタイムで進むことができた。

B.A.ARacing Appでランナーを登録しておけば、おおよその現在地、タイムなどが確認できる
B.A.ARacing Appでランナーを登録しておけば、おおよその現在地、タイムなどが確認できる

ちなみに専用のアプリでは、ランナーがトラッキングされており、現在地を確認できる。マラソンコースのいくつかの地点は、ボストンから列車でアクセスできるため、サポーターも応援がしやすい。

コース各所にはトイレや給水所、栄養ゼリーの配布スポット、メディカルセンターも配置されているほか、善意でオレンジやグミなどの軽食を配布している市民の方々も見受けられた。筆者はハーフ地点を超えたあたりで、足の痛みがかなり辛くなったほか、ずぶ濡れになった靴の中をどうにかしたいとメディカルセンターに駆け込み、応急処置をしてもらった。この手当てのおかげで、なんとかゴールを目指せた気がする。

ゴール付近は割れんばかりの声援と熱気であふれ、さながら映画の主人公にでもなったかのような気分に包まれる。半年以上前からランニングの習慣があったものの、最長19kmしか走ったことがなかった筆者も、沿道の声援、手厚いウェスティンホテル&リゾートのサポートのおかげで、なんとか初マラソンを完走することができた。

今年は2023年9月24日にベルリンマラソン、2023年10月8日にシカゴマラソン、2023年11月5日にニューヨークマラソンを控えており、各都市の一部「ウェスティンホテル&リゾート」で同じような取り組みが予定されている。もちろん来年開催される東京マラソンもだ。ランナーとサポーターを支えるこの取り組みがあれば、ビギナーからベテランランナーまで万全の準備とアフターケアでフルマラソンに臨めるだろう。

「ウェスティン・コプリープレイス,ボストン」
住所/10 Huntington Ave, Boston, MA 02116, USA
TEL/+1 617-262-9600
URL/www.marriott.com/en-us/hotels/boswi-the-westin-copley-place-boston/overview/

ゆったりとしたシート配置でライティングもムーディーな「Strega Italiano」
ゆったりとしたシート配置でライティングもムーディーな「Strega Italiano」

最後にボストンのレストラン情報を少しだけ。マラソンを控えているランナーは、レースの数日前から当日にかけて「カーボローディング」といって炭水化物を多めに摂り、マラソンに必要なエネルギー源を体内に蓄える習慣がある。そこで今回、レースの前々日夜に地元民におすすめしてもらったイタリアンレストラン「Strega Italiano」を訪ねた。

エビや貝類たっぷりでレモンガーリック風味のスパゲッティ「SEAFOOD SCAMPI」45ドル
エビや貝類たっぷりでレモンガーリック風味のスパゲッティ「SEAFOOD SCAMPI」45ドル

同店では、自家製パスタから秘伝のソース、焼きたてのフォカッチャ、自家製デザートまで、何世代にも渡って受け継がれてきたレシピをもとにした多彩な料理を味わえる。個人的にヒットだったのは、大ぶりのホタテを使った「SCALLOPS E RISOTTO」(44ドル)。パンチェッタのうま味もきいていて、日本人の舌にも合う味付けだ。スイーツまでおいしくいただくことができ、おいしくカーボローディングすることができた。

「Strega Italiano」BACK BAY店
住所/64 Arlington Street at, Park Plaza, Boston, MA 02116 USA
URL/https://stregaitaliano.com/

Photos & Text: Riho Nakamori

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JANUARY / FEBRUARY 2025 N°183

2024.11.28 発売

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