バービーのモヤモヤ相談室 vol.14「いいことをしても自分ばかり損をします」 | Numero TOKYO
Culture / Feature

開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室 vol.14「いいことをしても自分ばかり損をします」

体や性をめぐるあれこれ、人間関係や恋愛、社会についてなど、読者の抱える「モヤモヤ」をバービーが一緒に考えます。正解は見つからないかもしれないけど、チャクラは開放できちゃうかも?!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2022年10月号掲載)

【今月のモヤモヤ】

いいことをしても自分ばかり損をします

「人に優しく、真面目に頑張る」をモットーに生きてきましたが、人から都合のいいように扱われ、イヤな目にばかり遭っている気がします。いいことをしているはずなのになぜ私ばかり損をするのか。周りの人は変わらないと知っているから余計につらいです。でも、自分を変えるのはなんだか違う気も。どうやって生きればいいでしょうか。(ぽわ・19歳)

【バービーからのメッセージ】

一人でもいいから相談できる味方を見つけて

わかります。損得勘定で動く人間にはなりたくないけれど、「いい」人は「いい」ように使われるというのは真理ですよね。私もぽわさんと同じ年の頃、「なんで真っすぐ生きているだけでこんなに損するんだろう」とモヤモヤしていました。

当時、大学のテニス部に所属していた私は、男子の先輩の当たりがきつく、しんどい思いをしていました。私の学年の女子部員は私だけで、先輩も後輩も可愛らしい子ばかり。そんな状態だったので、私は男子の先輩から男子部員のように扱われていました。徐々にやるべきことが増え、私は男子部員の仕事も女子部員の作業も全部一人でこなさなくてはいけなくなっていたんです。でも、弱音を吐きたくなくて虚勢を張るほど、「コイツには何をやってもいい」と思われ、扱いがさらにひどくなるという悪循環。いま振り返れば、あれはただのイジメでした。強がらずに可愛いふりをしておけばよかったのかもしれないけど、当時はそんなことしたくなかった。ただ、一つだけやっておけばよかったと思うことがあります。それは女性の先輩に相談すること。部活は小さな組織。先輩の言うことは聞きますよね。2つ上の先輩に相談して、彼らに注意してもらっていたら状況は変わっていたかもしれません。ぽわさんも直接に言うと角が立つと思ったら、一人でもいいから相談できる味方を見つけて、言いにくいことを代わりに言ってもらうのはどうでしょう。自分を守る策として第三者を介するのは結構有効です。

自分らしくいられる新たな場所を見つけよう

真面目に生きているだけなのにイヤな思いをしていたら、心が折れます。自分のことを利用しようとする人ばかりが周りにいると、特に。真面目で優しいままのあなたで心地よくいられる場所は他にきっとあるはず。学校や仕事先など小さなコミュニティの中だけしか知らないようだったら、他の居場所を見つけてみてはどうでしょうか。私はアプリなどを通じて共通の趣味の人とつながるようにしています。利害関係の発生しない場所を持つことも心のバランスを取るために大事なことかなと思います。

そういえば、大学時代の話には後日談があって、社会人になってから、私にあれだけキツく当たっていた男の先輩は皆、仕事で私を頼ってきました。私を「利用できるヤツ」としか見ていなかったんだなと思ったし、自分たちがどれだけひどいことをしてきたのか無自覚なんですよね。搾取しようとする人は変わらないとつくづく思いました。そして私は、彼らを思う存分蹴散らしてやりました。ぽわさんも今はつらいかもしれないけど、まっとうに生きていたら、不真面目なほうが損をするときがやって来ると信じて、今は自分らしくいられる場所を見つけてほしいです。

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Photo:Takehiro Goto Styling:Tomoko Katayama Styling Assistant:Sayuri Nakayama Text:Mariko Uramoto Edit:Mariko Kimbara

Profile

バービーBarbie お笑い芸⼈。北海道出⾝。2007年、相⽅のハジメとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。TBS『ひるおび!』のコメンテーターや、TBS ラジオ『バービーとおしんり研究所』のパーソナリティを務めるほか、⽣まれ故郷の町おこしにも尽⼒。YouTube『バービーちゃんねる』では、最新美容や性についてのトピックが話題となり、現在の登録者数は25万⼈を超える。またFRaU WEBにて連載中のエッセイをまとめた著書『本⾳の置き場所』(講談社)を出版。⾃らプロデュースしたピーチ・ジョンとのコラボ下着の発売や、双⽅向コミュニケーション型ECサイト『◯バ(仮)』にてシルエットをキレイに⾒せる太ベルトの発売を開始。22年4月には初のシングル楽曲「Ya jatuh cinta(ヤ ジャットウ チンタ)」を配信限定でリリースするなど、多岐にわたり活動の幅を広げている。

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