Culture / Feature

ロゴにまつわるトリビアあれこれ

ブランドの理念や制作者の思い、人々の愛着が加わって、一筋縄ではいかないロゴの世界。あのロゴマークの誕生秘話に最新情報、謎のロゴの正体まで、知って得する逸話をお届け。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年10月号掲載)

マクドナルドのロゴは「M」ではない

ロードサイドに輝くマクドナルドの電飾看板。フランス・パリ郊外にて。(Photo:ロイター/アフロ)
ロードサイドに輝くマクドナルドの電飾看板。フランス・パリ郊外にて。(Photo:ロイター/アフロ)

いつでもどこでも変わらぬ味を提供するマクドナルド。その目印は、黄色に輝くアルファベットの「M」……ではなかった。創業者のマクドナルド兄弟は店舗設計にあたり、見た目と機能を兼ね備えた新しい建築を模索。1955年の1号店(シカゴ)は、2本の金色アーチが屋根を支えるデザインに。この「ゴールデンアーチ」がロゴへと発展し、ファストフードの象徴として全世界で輝くに至ったというわけ。

ダリが描いた「チュッパチャプス」のロゴ


(左)1969年、ダリのスケッチから誕生したロゴ(引用元:Chupa Chups 50th Year Brand Book)
(右)「チュッパチャプス ミニアソート」。1/2サイズの「チュッパチャプス ミニ」が8個入って、持ち運びにも便利。(¥167/希望小売価格)

スペイン生まれの棒付きキャンディ「チュッパチャプス」。ヒナギクをかたどったロゴマークの原型は1969年、サルバドール・ダリがレストランでナプキンに描いたもの。その後、88年に現在の形へ。1本ごとの包装はもちろん、この春に新発売の「チュッパチャプス ミニアソート」のパッケージにも大きくあしらわれている。

アップルのロゴが“食べかけ”である理由

ロブ・ジャノフにロゴデザインを依頼した、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ。2004年「iTunes Music Store」の欧州向けローンチ発表時の一コマ。(Photo:ロイター/アフロ)
ロブ・ジャノフにロゴデザインを依頼した、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ。2004年「iTunes Music Store」の欧州向けローンチ発表時の一コマ。(Photo:ロイター/アフロ)

製品にCMと、一目でわかるアップルのロゴ。なぜ“かじられた形”なのか?「科学者ニュートンへのオマージュ」「禁断の果実を表している」など諸説入り乱れるなか、1977年にデザインを手がけたロブ・ジャノフが真相に言及。チェリーと間違われないよう、サイズ感を表現したとのこと。なお、初代のロゴはレインボーカラー。88年より単一カラーとなり、現在へと受け継がれている。

変化するロゴアート「Google Doodle」誕生秘話

(上)記念すべき第1号Doodle、1998年8月30日「バーニングマン・フェスティバル」。<br />
(下)アーティストの作品より、エリック・カールが手がけた2009年3月20日「立春」。(図版提供:Google)
(上)記念すべき第1号Doodle、1998年8月30日「バーニングマン・フェスティバル」。
(下)アーティストの作品より、エリック・カールが手がけた2009年3月20日「立春」。(図版提供:Google)

祝日や記念日などに応じて変化する「Google」のロゴマーク「Google Doodle」。その始まりは1998年8月30日、創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンがネバダ砂漠の「バーニングマン・フェスティバル」へ行くため留守にする旨を、ロゴと同フェスのシンボルの組み合わせで表したこと。以後、同社は世界各国向けに4千以上のDoodleを展開。専属の「Doodler」たちが日々、デザインに携わっている。

“最も象徴的なTシャツ”に選ばれたバンドロゴ

誕生から半世紀以上、さまざまにアレンジされながら世界的な支持を集めるバンドTシャツの王様。写真は1982年の欧州ツアーTシャツ。(Photo:Gamma Rapho/アフロ)
誕生から半世紀以上、さまざまにアレンジされながら世界的な支持を集めるバンドTシャツの王様。写真は1982年の欧州ツアーTシャツ。(Photo:Gamma Rapho/アフロ)

史上最もアイコニックなTシャツのデザインは?イギリスで行われた投票の結果、ザ・ローリング・ストーンズの“ベロ・マーク”こと「tongue and lips logo」が1位となった(2位はチェ・ゲバラの顔)。1970年に制作されたこのロゴのモチーフは、バンドの顔ことミック・ジャガーの大きな口……ではなく、舌を出したインドの女神像をヒントに、反抗のシンボルをデザイン化したという。

進化した「クロネコヤマト」のマークが意味するもの

(左)1957年制定の旧「クロネコマーク」。
(右)2021年4月1日より使用開始された新「クロネコマーク」と「アドバンスマーク」。

親ネコが子ネコを大切に運ぶ「クロネコマーク」。1957年制定のこのシンボルが、今年4月にリニューアル。“次の運び方をつくる”というヤマトグループの思いを受け、日本デザインセンター代表の原研哉がアップデートしたもの。同時に、社会やビジネスの課題解決に挑戦する姿勢を表した「アドバンスマーク」も新設。集配車や宅急便の梱包を、ぜひチェックしてみよう。

名なしの“ロゴだけ”になったミュージシャン

2014年5月、イギリス・バーミンガム公演にて。印の読み方は不明につき「ラブ・シンボル(英語ではSymbol)」と呼ばれた。(Photo:WENN/アフロ)
2014年5月、イギリス・バーミンガム公演にて。印の読み方は不明につき「ラブ・シンボル(英語ではSymbol)」と呼ばれた。(Photo:WENN/アフロ)

アルバムの売り上げ累計1億5千万枚以上、アメリカ・ミネアポリスが生んだ天才ミュージシャン、プリンス(1958 -2016)。数ある伝説のなかでも極めつけは94年、名前を捨てて独自の印を呼び名にすると宣言したこと。これに人々は困惑。「元プリンス(the Artist Formerly Known As Prince)」、略して「ジ・アーティスト」と表記されたのち、2000年に「プリンス」へ戻されている。

ロゴをハックしたアート作品「グリッチ刺繍」

Ateliair by Nike Airとのコラボレーションによる作品、「Nike Air」ロゴのグリッチ刺繍パーカ(2018年)。(Photo:Aya Suzuki @pleasetellmeaboutyourlife)
Ateliair by Nike Airとのコラボレーションによる作品、「Nike Air」ロゴのグリッチ刺繍パーカ(2018年)。(Photo:Aya Suzuki @pleasetellmeaboutyourlife)

破損させたデジタル機器やデータを用いる表現手法「グリッチ」。この領域で注目されるのがファッションデザイナー/アーティストのヌケメ(1986年生まれ)だ。代表作はコンピュータミシンのデータをハッキングする「グリッチ刺繍」。改変NGのはずのロゴやキャラクターをハックするというパンクな作品だが、なんと過去にはナイキやサンリオとコラボレーションが実現。ロゴ×グリッチの面白さにお墨付きを与えた。

新幹線からよく見かける謎のロゴ看板「727」

セブンツーセブン化粧品は大阪に本社を置く美容室専売の化粧品メーカー。東海道新幹線沿いに1979年より看板の設置を始め、これが3代目のデザインとなる。(写真提供:セブンツーセブン)
セブンツーセブン化粧品は大阪に本社を置く美容室専売の化粧品メーカー。東海道新幹線沿いに1979年より看板の設置を始め、これが3代目のデザインとなる。(写真提供:セブンツーセブン)

新幹線の車窓から見える「727」の不思議な文字──実はこれ、大阪のセブンツーセブン化粧品の野立て看板。東海道・山陽・東北・上越の各新幹線沿いに設置され、東海道新幹線では5〜7分間隔で現れるというこだわりよう。その狙いは、他社と違う方法でインパクトのある社名を知ってもらうこと。現場へ通って設置の許可を取り、定期点検に精を出す。涙ぐましい努力がここに。

あの“マーク集め”の新たな形「ウェブベルマーク」


「ウェブベルマーク」のロゴ。今年3月11日にリニューアルし、東北に限らず全国の学校を支援できるようになった。詳しくは公式サイトをチェック。www.webbellmark.jp

商品パッケージに印刷されたマークを集めて、学校などの設備支援ができる「ベルマーク運動」。その運動をネット上へと広げ、東日本大震災の被災校支援につなげるべく2013年に「ウェブベルマーク」が誕生。利用方法は、ウェブベルマーク協会のサイト経由で提携ショップを利用するだけ。買い物に応じてポイントが貯まり、支援金は同協会からベルマーク教育助成財団を通じて活用される。

Edit & Text : Keita Fukasawa

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