アート × シューズのエトセトラ
靴をめぐるイメージは人それぞれ。ただ足元を彩るだけにとどまらず、私的な記憶から密やかな欲望に至るまで、不思議な魅力が香り立つ。アーティストによる“この一足”を手がかりに、奥深き世界へいざ、ご案内! 「アートとシューズの不思議な関係」番外編は、心理的な象徴(シンボル)、社会的な記号……靴と想像力の蜜月あれこれ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年9月号掲載)
バンクシーが告発!? 少年に靴磨きをさせる某有名マスコット
![2013年のプロジェクト『Better Out Than In』より。作品探しに奔走する人々の様子はドキュメンタリー映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』でも公開された。(Photo:Abaca USA/アフロ)](https://numero.jp/wp-content/uploads/2021/09/01_aflo_21922109.jpg)
ヴァーチャルヒューマンimma
吉田ユニとの作品でハイヒール化?
![『無題』 Art Direction: 吉田ユニ Photographer: 間仲宇 Stylist: タケダトシオ 「imma天」 DIESEL ART GALLERYにて9月2日(木)まで開催中。](https://numero.jp/wp-content/uploads/2021/09/149_080-085-6.jpg)
2018年デビュー、アジア初のヴァーチャルヒューマンimma。唯一無二の存在感を放つ彼女と、YOSHIROTTEN、キムソンヘほか13組の展覧会『imma天』が東京・渋谷のDIESEL ART GALLERYで開催中。コンセプトは「何がリアルで、何がフェイクなのか?」。なかでも吉田ユニとの作品は、ドレス姿のimmaと思いきや、ハイヒールのようでもあり…。現実×仮想のシュールな世界。続きはぜひ会場にて。
www.diesel.co.jp/art
コム デ ギャルソン・オム プリュス 2021-22秋冬
ハイヒールが意味するもの
コム デ ギャルソン・オム プリュス 2021-22秋冬コレクションより。
暗闇の中、スポットライトに浮かび上がるモデルたち。そのヘッドピースにはハイヒール。シャツにもハイヒール柄のグラフィックが。これらはハイヒールを組み合わせた立体作品で知られるアメリカ人アーティスト、ウィリー・コールとのコラボレーション。闇に沈んだ世界へ目を凝らし、固定観念を超えて新たな光を見つけ出すこと。その姿勢が今、問われている。
建築家が提案! ソールのないハイヒール「モヒート」
![2011年、アン・ソフィー・バックのショーでデビューを飾り、以後、自身の名を冠したジュリアン・ヘイクスのブランド名で日本を含め世界的に展開。独特のフォルムと命名は、ライムの皮をイメージしたことから。(Photo:Abaca USA/アフロ)](https://numero.jp/wp-content/uploads/2021/09/149_080-085-12.jpg)
誰が言ったか、シューズは“小さな建築”らしい。その心は、機能的な構造と造形美の両立にあり。多くの建築家がこの難題に挑むなか、イギリスのジュリアン・ヘイクスが開発し、世界展開されたのがこのハイヒール。なんとソールがなく、螺旋状の構造が踵から指先まで絡むように足を支えるデザインで、これぞ革命的と話題を呼んだ。
JW アンダーソンのスニーカーが驚きのアート作品に
アーティスト10組が手がけた全作品を、ロンドン・ソーホーのJW アンダーソン旗艦店にて5月28日(金)より期間限定で展示中。また、スニーカー購入者はJW アンダーソンのオリジナルビーズによるカスタマイズも可能。
今年5月に発表されたJW アンダーソン初のスニーカーを、10組のアーティストが大胆不敵にカスタマイズ。東京代表のShiomi Wadaの作品(左)は、地球を耕すミミズに敬意を表したもの。空中で爆発したような姿は、韓国のRudy Limによるスニーカー解体アート(右)。思わず目からウロコの作品ばかり…!
Edit & Text : Keita Fukasawa