Art / Feature

アートとシューズの不思議な関係 【5】宮永愛子

靴をめぐるイメージは人それぞれ。ただ足元を彩るだけにとどまらず、私的な記憶から密やかな欲望に至るまで、不思議な魅力が香り立つ。アーティストによる“この一足”を手がかりに、奥深き世界へいざ、ご案内! 五足目は宮永愛子。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年9月号掲載)

2014年 ©MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery
2014年 ©MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery

宮永愛子

『夜に降る景色 ー靴ー』

靴は日々使うものでありながら、詩的なイメージも併せ持つ。宮永愛子の『夜に降る景色 ー靴ー』は、まさに靴の物語性を感じさせる作品だ。ナフタリンで形作られたハイヒールは、ガラスケースの中に閉じ込められる。靴は密封された箱の中で少しずつ昇華し、周りには雪のような結晶が現れていく。箱の中は夜の世界なのか、そこに立つのは一人の女性なのか……。静かに消えゆく靴の形と、そばに感じる物語の気配に、耳を澄ませたくなる。

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Text : Akane Naniwa Edit : Keita Fukasawa

Profile

宮永愛子Aiko Miyanaga 1974年、京都市生まれ。日用品をナフタリンでかたどったオブジェや、塩、陶器の焼成時の貫入音や葉脈を使ったインスタレーションなど、気配の痕跡を用いて時を視覚化する作品で注目される。国立国際美術館(大阪、2012年)、高松市美術館(香川、19年)などで個展を開催している。

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