アートとシューズの不思議な関係 【3】草間彌生 | Numero TOKYO
Art / Feature

アートとシューズの不思議な関係 【3】草間彌生

靴をめぐるイメージは人それぞれ。ただ足元を彩るだけにとどまらず、私的な記憶から密やかな欲望に至るまで、不思議な魅力が香り立つ。アーティストによる“この一足”を手がかりに、奥深き世界へいざ、ご案内! 三足目は草間彌生。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年9月号掲載)

2002年 鹿児島県霧島アートの森 蔵 ©YAYOI KUSAMA
2002年 鹿児島県霧島アートの森 蔵 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生

『赤い靴』

原色と水玉模様に彩られたハイヒール。野外美術館「鹿児島県霧島アートの森」のアートホールに足を踏み入れれば、誰もが一目で草間彌生の作品だと気づくだろう。彼女にとって、立体やアクリル画に登場するなど、重要なモチーフであるハイヒール。戦後間もない頃に単身で渡米し、アーティストとして道を切り開いてきた草間だけに、“女性の自立を象徴するもの”としてハイヒールに込めたメッセージは、生やさしいものではないはずだ。

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Text : Akane Naniwa Edit : Keita Fukasawa

Profile

草間彌生Yayoi Kusama 1929年、長野県松本市生まれ。幼少より水玉と網目を用いた絵画を制作し、57年に単身渡米。独創的な作品やパフォーマンスなどの活動でアート界に衝撃を与えた、前衛アーティストの一人。73年に帰国後も世界各地で活動を続け、小説や詩も多数発表。現在、ニューヨーク植物園で個展を開催中。国内では都内各所で開催中の「パビリオン・トウキョウ2021」に参加している(渋谷区役所第二美竹分庁舎にて9月5日まで)。

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