見て感じるボディ【4】アントニー・ゴームリー | Numero TOKYO
Art / Feature

見て感じるボディ【4】アントニー・ゴームリー

アーティストたちの目に体はどのように映るのだろう。 それは大きさを変え、形を変え、体の新しい一面を、新しい可能性を教えてくれる。 体には、まだまだ私たちの知らない自由な世界が広がっているのだ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年6月号掲載)

『Big Yield』 2015 Photo : Stephen White, London © the artist
『Big Yield』 2015 Photo : Stephen White, London © the artist

アントニー・ゴームリー

『Big Yield』

アントニー・ゴームリーは、自身の身体をもとに人物像を作り、新たな息吹を与えてきた。平野啓一郎の小説『ある男』の表紙に起用された『Big Beamers』シリーズは、建築の構造原理を応用して“空間としての身体”を再考するというものだ。絶対的な理論に基づきながらも、同時にそこはかとない無常さや、体の重心の所在が見えづらいといった脆弱な印象も感じさせる。作品として生み出された身体が背負うストーリーに、ぜひ思いをはせてみよう。

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Text : Akane Naniwa Edit : Keita Fukasawa, Chiho Inoue, Sayaka Ito, Mariko Kimbara

Profile

アントニー・ゴームリーAntony Gormley 1950年、イギリス・ロンドン生まれ。自身の身体を型取りした人物像で知られる。代表作として、リバプールの海岸に100体の立像が並ぶインスタレーション『Another Place』(97年)など。作品はロンドンの大英博物館をはじめ、世界各地で展示されている。日本では箱根彫刻の森美術館の野外展示や、「国東半島芸術祭」(大分県、2014年)でも作品を発表している。

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