オカモトレイジと考える「SNSと私たちの関係について」 | Numero TOKYO
Culture / Feature

オカモトレイジと考える「SNSと私たちの関係について」

日常生活にすっかり浸透しているSNS。手軽に発信ができる一方で、スマホ中毒にもなりかねない。独自のルールを駆使する達人たちにSNSとうまく付き合う方法を聞いた。1人目は、インスタグラムを10年以上、毎日使用し、投稿数が7,000を超える超ヘビーユーザーのオカモトレイジ。毎日アップをする中で編み出した、世界平和まで見据えた使い方とは。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2019年12月号掲載)

インスタグラムはセンス磨きと世界平和のために

──インスタグラムを使用する上で、マイルールを教えてください。 「フォローする人を1000人以内にしています。必要な情報を見落としてしまうので、把握できる範疇にとどめておくべきだと思います。自分的にトレンドじゃないと思ったアカウントもどんどん外して、サイクルを編集し管理することでセンスが研ぎ澄まされていきます」 ──主にどのような使い方をしていますか。 「素性は知れないけど、気になるアーティストに質問があれば、積極的にDMします。最先端の香りがする作品やTシャツもいいと思ったら、値段を聞いて購入する。決済もPayPalですればスムーズで、問題ないです。作り手から郵送されて来るフィジカルなやりとりも楽しくて。海外の人はストーリーの反応がいいし、丁寧に返信すると思いがけない情報やフォローバッグが来たしますね」

──SNSで出会い、交流が続いているクリエイターについて教えてください。

「韓国のグラフィックアーティストのキム・ドヨン(Instagram: @waaaavyyy)は、Tシャツのデザインの投稿に一目惚れ。ヒッホップのアーティストのグラフィックがかっこいいんです。共通の友達を見たら韓国人のラッパー友達と繋がっていることが判明。ソウルで友達のライブに行く時に『会おうよ』とDMして実際に会いました。気が合い、一緒に仕事もできたので、いまはいい時代だなと思いますね」

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Different pic same pose

Futuristic Swaver(@yfgod)がシェアした投稿 –

「同じく韓国のラッパー、Futuristic Swaver(Instagram: @yfgod)は、きゃりーぱみゅぱみゅをサンプリングした曲を聴いて知り、@yfgodとタグ付けしてストーリーしたらすぐ『Thx』とDMが来ました。きゃりーちゃんは友人なのですぐ共有して『本人にも見せたよ』と返信したら即喜びの反応が。東京でもソウルでも会い、音楽のイベントで共演しました」

「Balansa(Instagram: @balansa)は釜山にあるショップでロゴの『SOUND DEALER』が気に入り、キャップを愛用。DMが来て、Tシャツを送ってくれたんです。売り物ではないのですが、名前が入ったシグネチャーデザインも個人的に作ってくれました」

「梁柏霆(Instagram: @leungpakting)は香港の友人で、ファッションセンスが大好き。いろんなことを教えてくれる師匠的な存在。東京ファッションウィークで友人が手がけるブランドのショーにキャスティングし、出演してもらいました」

──交流を通じて印象的なエピソードがありますか。

「今の世界情勢をリアルに肌で感じることがあります。Futuristic Swaverは日本が大好きなので、普段から日本語でコメントやDMをくれるんです。でも仕事で渡韓や来日がキャンセルになったとき、「世界平和のために俺たちが頑張るしかない!」と韓国語、日本語、英語と3カ国語に絵文字が入り混じった会話をしたことが心に残っていますね。この言語を超えたコミュニケーションとスピード感はとても今っぽい。現地の生の声が聞け、SNSが本当の意味で存在意義を発揮していると思います」

オカモトレイジのSNSルール

1.フォローする人は1000人以内
2.気に入った人にはDMを送り、気があったら実際に会ってみる
3.ピンときたものは値段を聞いて購入する
4.身近な人間関係よりも遠くの人と繋がってクリエイションに生かす
5.SNSを通じて世界の平和に思いを馳せる


Edit & Text:Aika Kawada

Profile

オカモトレイジReiji Okamoto 4ピースロックバンドOKAMOTO'S(オカモトズ)のドラマー。2010年デビュー。国内外の音楽に精通し、DJとしても精力的に活動中。エキシヴィジョン「YAGI(ヤギ)」では、自身がキュレーターを務め、若いアーティストを発掘し紹介している。Instagram: @okamotoreiji

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