パン野ゆり × 犬山紙子「オタクな私たちをつないだ、パンとゲーム愛」 | Numero TOKYO
Life / Bakery Hopping

パン野ゆり × 犬山紙子「オタクな私たちをつないだ、パンとゲーム愛」

パン野ゆりが愛してやまないパンの魅力を語り尽くす連載「ぶらりパン歩き」。新年1回目は、スペシャルゲストにパン野の友人でもあるイラストエッセイストの犬山紙子が登場! パンとクラフトビールが楽しめる松陰神社前のgood sleep baker(グッド スリープ ベイカー)にて、二人の出会いから最近のお互いの活動についてまで、ほろ酔い気分でトークが炸裂!(※対談は緊急事態宣言発令前に行いました)

二人の意外な共通項とは!?

パン野ゆり(以下パン野)「犬山とは共通の知り合がいて仲良くなったんだよね」 犬山紙子(以下犬山)「そうそう。初めて会ったのは15年くらい前かな?」 パン野「みんなでご飯を食べてカラオケに行ったんだよね。そのとき、犬山がコースターの裏に私の顔をすごい美少女に描いてくれて、なんてこの人優しいんだろうって(笑)。そのコースター、今でも家にあるよ!」 犬山「それはなんとなく覚えてるかも(笑)」

パン野「それ以来長い間会っていなかったんだけど、あるとき犬山のLINEのアイコンに『いたスト(=いただきストリート)しようぜ』って書いてあって。私も当時いたストが大好きだったので連絡したら、一緒にやろうよってゲームの会に呼んでくれたんだよね。そのときにパンを持って行ったら、『私パンめっちゃ好きなんだけど』って言ってくれて。パンもゲームも好きなんて、同世代だし仲良くなれそうって思ったの!」

犬山「いつも美味しいパンを持ってきてくれて。出産祝いにバルミューダのトースターをくれたよね。今も相変わらずそれでパンを焼いてるよ」

パン野「パン好きだから、せっかくならリベイクするのに良いトースターがあればいいなって。と言いつつ、自分のためでもあるんだけどね。犬山の家に行って美味しいパンを食べたいから(笑)」

犬山「うちにボードゲームがたくさんあるから、みんなでよく集まって遊んだよね。ゲームといえば、あなたLINEのポコポコがめちゃくちゃ上手いよね(笑)」

パン野「恥ずかし〜っ(笑)! いまだにやってるんだけど」

犬山「私ゲームが上手い人を尊敬する習性があるから、ほんとすごいと思って」

パン野「動体視力が良いからかな(笑)。動きがすごく良く見えるんだよね」

犬山「ゲームやってるとき、スーパーサイヤ人みたいだよね(笑)。ゲームが上手くなりたいっていう気持ち結構強いほうだから、パン野先輩かっこよすぎ」

パン野「なにその気持ち!?(笑)。こうして話してみると、私たち共通項があるんだね。ゲームにパン、あと好きな洋服のブランドもかぶってるし」

犬山「ゲームも私より上手だし、パンも師匠だし、いつもおしゃれだし。喋りもめちゃくちゃ面白いし(笑)」

パン野「やめてくださいよ〜(笑)」

ありそうでなかった、パン×ビールの幸せなペアリング!

パン野「今日の対談場所、good sleep bakerはパンとクラフトビールが味わえるお店なんだよ。お家でもあまりやらない組み合わせだよね」

犬山「どっちかっていうと、パンにはワインってイメージかも。この『箕面ビール』、スッキリして美味しい!」

パン野「私の『ヨロッコビール』は、フルーティで飲みやすいよ。スッキリ系のビールにおすすめのパンは、『パクチーベーコン』、『柚子香るシチューパン』だって」

「パクチーベーコン」¥200、「柚子香るシチューパン」¥250
「パクチーベーコン」¥200、「柚子香るシチューパン」¥250

犬山「『パクチーベーコン』をいただきます! …パクチーの香りにベーコンの油、そこにビールを流すと…う〜ん、この組み合わせはたまらない!」

パン野「さすが、食レポ上手! 『海老のクリームバター』は、オートミールを練りこんだ生地を使っているんだって。うん、香ばしい〜」

「海老のクリームバター」¥600
「海老のクリームバター」¥600

犬山「海老バター、美味しい! これは嫌いな人がいない味だと思う」

パン野「うん、海、海! すごい海! これビールに合うね」

こちらもビールとの相性抜群なメニュー。「富永さんのソーセージ」¥900
こちらもビールとの相性抜群なメニュー。「富永さんのソーセージ」¥900

パン野「普段はどういうパンを食べているの?」

犬山「うちは3歳の子どもがいるので、食パンをトーストしてシンプルにバターを塗ったり。子どもはやっぱりチョコレートの入ったクロワッサンとか甘いものが好きだよね」

パン野「食べるのももちろんそうなんだけど、お子さんにチーム未完成の『パン』って描かれたロンパースを着せてたのがすごく可愛くて」

犬山「そうそう。だいぶ使い込んであるけど、キーホルダーもあるよ」

パン野「これこれ! まさか『パン』を赤ちゃんに着せているお母さんがいるなんて、衝撃的だった(笑)」

コメントがきっかけとなって始動したプロジェクト

パン野「そういえば、犬ちゃんがしている『#こどものいのちはこどものもの』という活動について、じっくり聞いたことがなかったから興味があって。聞かせてほしいな」

犬山「2018年に児童虐待のひどいニュースがあって、私自身コメンテーターをしているのでその事件についてコメントしないといけなくて。『子どもに参政権はないし声を上げることができないから、大人が動かない限り何も変わらない。どうにかしないといけないです』って話し終えた後に、そう言って何も動かなかったら本当に最悪のコメンテーターだなっていうのが自分のなかであって。それと、本気で大人が動かないといけないなって思ったの。」

パン野「そっか。そこから立ち上げたんだ」

犬山「そうそう。眞鍋かをりちゃんとか、福田萌ちゃん、坂本美雨さん、ファンタジスタさくらださんが秒で『私もやる』と賛同してくれて」

パン野「今はどういう活動をしているの?」

犬山「ちょうどクラウドファウンディングをやっていて、今年はコロナの影響もあって児童虐待を防ぐには親御さんの孤立を防ぐというのが大事で。虐待の理由は人それぞれだけど、共通しているのは孤立してSOSが出せなくて子どもを虐待してしまうという現状があるから、今はオンラインで助産師さんにお話を聞いてもらうサポートやメールサービス(1月22日成立・終了)のクラウドファウンディングに取り組んでいるよ」

パン野「そうなんだ。私もやっぱり辛いから、考える前に目を伏せてしまっているところがあると思う。発言したことが、そうやって自分に返って来てるんだね」

犬山「ほんとそうなんだよね。コメンテーターって結構揶揄される立場だけど、そうやってテレビで話すことで、どうしたら児童虐待防止を叶えていくかという話につなげていけるからそのために頑張ろう、みたいな」

パン野「そうだったんだぁ。こうして深い話ができるのも、パン呑みのいいところだね!」

発見! 「パ」の付くものは全部可愛い

パン野「2021年の抱負は?」

犬山「自分の芯はやっぱりオタクだなというのがあるので、創作をしたいですね。表に出すかはわからないけど、一つの物語をちゃんと完結させたいなって」

パン野「それは楽しみ!」

犬山「あとは絵を練習したいなって。だから今年は勉強と創作をやりたいかな」

パン野「すごい意欲的だね!」

犬山「ゆりちゃんの今年の抱負は?」

パン野「私の抱負はね、『パンと共に』。パンをコーディネートして可愛く見せたりとかしてみたいな」

犬山「えっ、じゃあさ、パンのグラビア写真集とかは? ハムでピンクの水着を作ったり」

パン野「それいいね、可愛い(笑)。いつかデパートのワンフロアをパンのフロアにして、そこに来たらパン屋さんがあって、うつわ屋さんがあって、ワイン屋さんがあって、コンフィチュールとかバターも買えて、その階全体をパンの世界にしたいなって思ってるの」

犬山「めちゃくちゃ具体的(笑)。そしたら遊びに行きます。そういえば、『パ』の付くものってだいたい可愛いよね」

パン野「パンとかパフェ、パンダとか(笑)」

犬山「パンツも可愛いし! 名前変えようかな」

パン野「パヌ山パミ子(笑)! ぜひお願いします(笑)」

good sleep baker

住所/東京都世田谷区世田谷4-13-20 松陰PLAT
TEL/050-7128-3201
営業時間/15:00〜20:00(L.O.19:00)
※変更の可能性あり。Instagramをご確認ください。
定休日/水・不定休
Instagram/@good_sleep_baker

Photos: Shuichi Yamakawa Edit &Text: Yukiko Shinto

Profile

犬山紙子Kamiko Inuyama イラストエッセイスト。2011年『負け美女』で作家デビュー。近著に『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』、『アドバイスかと思ったら呪いだった。』、『私、子ども欲しいかもしれない。』など。雑誌連載のほか、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。2017年1月に長女を出産。児童虐待防止プロジェクト「#こどものいのちはこどものもの」共同発起人。Instagram: @inuyamakamiko
パン野ゆりYuri Panno パンコーディネーター/パンシェルジュ。日本全国、訪れたベーカリーは数えきれないほど。年に数回は海外へも足を運び、パンを独自の視点で分析。最近では、トークショーや「世田谷パン祭り」でワークショップを開催するなど、活躍の場を広げている。モデル山野ゆりとしては、雑誌や広告、CMなど幅広く活躍中。モデルという職業を活かし、太らないパンとの付き合い方も考案中。福岡県小倉のパン屋「PARK BAKER LAB.」のプロデュースを務めている。Instagram: @yuri.yamano

Magazine

JUNE 2024 N°177

2024.4.26 発売

One and Only

私のとっておき

オンライン書店で購入する