チェ・ウシク×ソン・ソックの力演に圧倒される! 『殺人者のパラドックス』【#私の土曜日16:00】
チェ・ウシクとソン・ソックが共演と聞いて、面白くないはずがない! と心待ちにしていた作品『殺人者のパラドックス』。その期待は裏切られることなく、配信日にしっかりビンジウォッチしてしまいました。
もはや説明不要ですが、チェ・ウシクといえば『パラサイト 半地下の家族』で国際的な知名度を得た実力派俳優。どこにでもいそうな等身大の青年を演じさせたら、並ぶ者はいないのでは(私見)というくらい、平凡そうに見えて存在感があり、醸し出す雰囲気もよく……と目が離せない存在です。『The Witch/魔女』でサイコパスな狂気を見せたかと思ったら、『その年、私たちは』では、爽やかな青春ストーリーで胸キュンさせてくれ、二面性では収まらない幅の広い演技が魅力(まさに沼!)。
対するソン・ソックは、遅咲きながら売れっ子に躍り出た飛ぶ鳥を落とす勢いの俳優。『私の解放日誌』で演じた謎めいた男性ク氏に心を鷲掴みにされた人も多いはず(私もその一人)。その後も、『犯罪都市 THE ROUNDUP』、『カジノ』などを観ましたが、どれもソン・ソック氏にしか出せない魅力がいっぱいでやられました。セリフがなくても眼差しで語るというんでしょうか。とにかく立っているだけでかっこいい! 声も渋い! この色気は何! ということで、ソン・ソック作品は絶対に見逃せません。
そんな二人が共演するわけですから、ハズれるわけがないのです。チェ・ウシクが演じるのは、しがない毎日を送る大学生のイ・タン。兵役を終えて、カナダにワーキングホリデーに行きたいとぼんやり考えています。これがまた、どこにでもいそうな青年を演じるのがうまいこと。あるとき、タンがバイト先のコンビニで勤務を終えた帰り道、あろうことか人を殺してしまう。そんなタンを殺人の容疑者として追うのが、ソン・ソック扮する勘の鋭い刑事チャン・ナンガムです。
この二人の掛け合いがシビれる! 実は二人が対峙するシーンはそんなに多くはないのですが、印象深いです。
最初は冴えない大学生だったタンが、後半は文字通り人が変わったかのような顔つきに! 特に眉毛をブリーチして前髪を上げたイメチェン後(!?)のタンの風貌がイケイケでたまりません。そして、真実を突き止めるために情熱を燃やす、ナムガン刑事の静かな熱血ぶりにも惚れ惚れするばかり。
タンの協力者ノ・ビンや、元刑事で連続殺人犯のソン・チョンも登場し、あれよあれよという間にストーリーをかき乱していきます。そんなわけで、あっという間の8話425分でした。
一通り観た後で、実はあの役はCGだった!とか、ソン・チョン役を演じたイ・ヒジュンは2時間もの特殊メイクをしていた!という裏話を知るまでもセットで楽しめます。とにかくチェ・ウシク×ソン・ソックの最強タッグ、見て損はありません。さて、もう一周しようかな……。