水田に囲まれた絶景ホテルへ。山形「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE」 | Numero TOKYO
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水田に囲まれた絶景ホテルへ。山形「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE」


あるとき一目惚れしたホテルがありました。見渡す限り広がる水田の真ん中に、モダンな建物が佇む姿が風情たっぷりで、いつかここに泊まってみたい!と願うこと数年。ようやくチャンスが巡り、山形県鶴岡市の「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(ショウナイホテルスイデンテラス)」に念願のステイをしてきました。

時間の移ろいが美しい、田んぼに浮かぶホテル


最寄りの鶴岡駅へは、東京駅から上越新幹線で2時間かけ新潟駅へ。そこから特急いなほに乗り継ぎ、約1時間50分ほどで到着します。鶴岡駅からは車で10分。時間に余裕があるときでなければ、なかなか足を運びにくいアクセスではあるのですが、それもこのホテルの魅力です。


訪れたのは9月。エントラス付近の田んぼには稲穂が実り、ふさふさと風に揺れながら迎えてくれました。


ホテルの周りには、一面の水田が。空を映し出す水面を眺めながら畦道を散策するだけで、心が癒されます。水を張った田んぼは、鴨たちの憩いの場のようです。


トンボが指に止まった決定的瞬間! ホテルの周りには豊かな自然が溢れています。

田園風景と調和する、坂 茂設計の居心地の良さ


さて、肝心なホテルの中へ。建築家の坂茂さんが設計を手がけ、どこにいても田んぼの気配が感じられるようにデザインされたそう。大きな窓からは光がたっぷり差し込み、ナチュラルな木材が温かみある雰囲気。


フロントのある2階には、ブックディレクターの幅允孝さんが監修したライブラリーを併設。「オトナもコドモ コドモもオトナ」をテーマに、さまざまな世代の知的好奇心をくすぐる本を揃えています。さらに、宿泊者のみ利用できるライブラリーも備え、蔵書は約2,000冊程。客室はもちろん館内であればどこでも閲覧してOK。思いがけない出合いがあるかもしれません。


サンセットテラスは、名前の通り美しい夕日が拝める絶好の場所。ここで本を読んだり、物思いに耽ったりできる最高のチルスポットです。


お土産を探しに立ち寄りたいのが、山形庄内の魅力を感じられる逸品を集めたセレクトショップ。食品から伝統工芸のクラフト作品、器などの日用品まで、あらゆるものを取り揃えています。デザインもおしゃれなものが多いので、お土産にぴったり。


可愛いパッケージのアイスクリームを発見。部屋でゆっくり味わうのもいいですね。


お酒も充実しています。真ん中の「SUIDEN BEER」は、スイデンテラスのオリジナルビール。


こちらの日本酒は「スイデンの秘蔵酒」! ここでしか買えないアイテムです。ショップは宿泊者以外でも利用できるので、近くにお越しの際はぜひ。

無駄のない空間がくつろぎを演出する客室


この日は「ダブルルーム」という部屋に宿泊しました。中庭に面しており、22平方メートルとコンパクトなサイズながら、大きな窓が圧迫感を感じさせない空間です。ベッドのヘッドボードは、坂茂お馴染みの紙管です。


こちらの照明も坂茂作品。フランク・ロイド・ライトの名作を紙管を用いて表現したもの。


紙管は椅子や洗面所のボードにも使われています。


棚にはエアコンやテレビがすっぽりと収まり、目に入るとつい現実に引き戻されがちな家電も存在感を潜めていました。より一層、自然の景色に没頭でき非日常を味わえるはず。

海、山、川、平野……山形庄内の旬の食材を届けるレストラン

ディナーは、ホテルのレストラン「MOON TERRASSE」へ。入り口には、この日用意された庄内産の食材がぎっしりとディスプレイされていました。


野菜、魚、肉、フルーツとその豊富さに驚きます。


メインディッシュ1皿を選べるブッフェスタイルのメニューをチョイスしました。ブッフェボードには9種類の前菜と3種のデザートが並び、どれを食べてもおいしい!


この日は、山形ハーブ鶏と秋野菜のバルサミコマリネ、桜美豚のしゃぶしゃぶ、さつまいものポタージュ、サバとじゃがいものオーブン焼きなど。野菜の味がパワフルで、ブッフェだけでもお腹いっぱいになります!


メインは、山形牛赤身肉のステーキ。身がぎゅっと締まって弾力のある食感で、食べ応えは満点。ソースは数種類からセレクトできます。この日は他にも、庄内産地キジハタのソテー、庄内産甘鯛の松笠焼き、庄内鴨のローストなどがありました。


豊富な食材だけでなく、お酒もワイン、日本酒、地ビールとご当地ものがあるのも魅力! ワインは、月山ワイン山ぶどう研究所のものや、WAKAZEなどをラインナップ。


月山ワインの白、ロゼ、赤のお得な飲み比べセットもおすすめです!


翌朝は、ここでブッフェ形式の朝ごはんをいただきました。庄内産つや姫の白米や、山形名物玉こんにゃくなどのメニューもあり、テンションの上がること間違いなし。

サウナに天然温泉、旅の疲れを癒す極楽タイム

「天色の湯」の内湯
「天色の湯」の内湯

スパは、源泉掛け流しの天然温泉と、本格的なフィンランド式サウナ、そしてフィットネスを揃えた言うことなしの設備!

「月白の湯」のサウナ
「月白の湯」のサウナ

「朱鷺色の湯」の内湯
「朱鷺色の湯」の内湯

「天色の湯」(内湯・露天風呂・サウナ)、「月白の湯」(露天風呂・サウナ)、「朱鷺色の湯」(内湯)と3つあり、それぞれデザインや雰囲気が異なります。露天風呂で自然との一体感を感じるのも醍醐味です。

夜になると、ホテルがライトアップされたように水田に浮かび上がります。

お風呂の後は、SAKE BAR & LOUNGEへ。バーでは館内着のまま気軽にお酒を楽しめ、ラウンジでは山形庄内の地酒と県産ワインをセルフで飲むことができます。どこまでも、至れり尽くせりです。

レンタサイクルのサービスも用意
レンタサイクルのサービスも用意

1泊ではもったいないほど、まだ帰りたくない!と庄内の魅力を堪能したステイでした。大自然に、美食、お酒、温泉、そして美しい建築デザインと、五感を刺激する要素が盛りだくさん。季節ごとに訪れても、また違った景色を楽しめそうです。

SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE
住所/山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1
TEL/0235-25-7424
URL/www.suiden-terrasse.yamagata-design.com/
Instagram/@suiden_terrasse

Photo: Kouki Hayashi

Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・エディター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなど興味の赴くまま取材。Numero.jpでは連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」やスイーツの記事などを中心に担当している。最近は韓国ドラマやK-POPに目覚め、失われた青春を取り戻すかのように沼り中。

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