Food / Editor's Post

フランス レストランウィーク2020開幕! 気鋭シェフの「ab restaurant」でスペシャルなコースを

日本最大級のフランス料理の祭典「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」が2020年9月25日(金)から10月14日(水)まで開催されます。フランス料理をもっと気軽に楽しんでもらおうと始まったイベントで、日本での開催はなんと今年10周年。参加レストランにてお得なコース料理が味わえる夢のような20日間です。今年のフォーカスシェフである大村隆亮シェフの「ab restaurant(アブ レストラン)」にお邪魔してきたので、魅惑の食体験をレポートします!

「ab restaurant」は2019年10月にオープンした注目のフレンチレストラン。気鋭の大村シェフは、フレンチの名門「シェ松尾」「ティエリーマルクス銀座店」などを経て30歳でこのお店をオープンしたというのだから驚きです。

大村隆亮シェフ
大村隆亮シェフ

そしてソムリエでありサービスを担当しているのが小山純司さん。小山さんの饒舌で心地良い語り口に導かれるままに味わうと、お料理がよりおいしく感じられるような……。不思議な体験でした。

お料理の前に、レストランのことを。「abはただ美味しく食事をする為だけのレストランではありません。世の中で起きている様々な社会問題について一緒に考えるレストランです」とは、大村シェフの言葉。この並々ならぬ想いに表れている通り、社会貢献や環境問題にも取り組んでいます。例えば、お店の壁にはコーヒーのかすを再利用していたり、テーブルは不要になった竹を圧縮して作ったものだったり、お店をつくるうえでなるべく資源を無駄にしたくないとの考えがあったそうです。そんなわけでメニューにはSDGsのロゴが入っています。

お箸は竹の名産地である京都・長岡京市の障害者支援施設の方たちが製作したお箸を使用しています。

社会や地域とつながりをもとうとするレストランの心意気が感じられます。

さっそくフランス レストランウィークのためのコースをいただきます。コースは5品で¥5,000。かなりお得です。※実際に提供されるものとは内容が異なる場合があります。

「ab restaurant」のテーマは「ジャポニスム × ノスタルジー」。初めて食べるフランス料理も、どこか懐かしい郷愁(ノスタルジー)を感じられるように、また日本の伝統食材を使うことで日本人のお客様にはノスタルジーを、海外のお客様にはジャポニスムを味わってほしいとの思いが込められています。まさに今年のフランス レストランウィークのテーマ「トレ・ボン! 日本のテロワール」とも通じるものがあります。

ウェルカムシャンパンはピノ・ムニエ、ピノ・ノワール、シャルドネをブレンドした一杯。クリーミーで喉の奥に青リンゴのような酸味が感じられます、と小山さん。ショートペアリングは3杯で¥2,500とのこと。気軽の楽しめるのがうれしいです。

パンは小山さんが大好きだという「ブリコラージュ ブレッド&カンパニー」のもの。私も大好きです。この日はコーンが入ったフォカッチャでした。

一皿目は、インカのめざめを使ったヴィシソワーズ。だんだん薄暗くなっていくパリの夕暮れをイメージしたそうです。上にのっているはコンソメのジュレとシブレット。インカのめざめの力強い味わいに痺れます。濃い味とじゃがいもの質感、ひんやりとした冷たさがおいしくマッチ。

ちなみにお皿も特別に作ってもらったもので、岐阜県多治見市のShota Miyashitaさんによるもの。9月25日(金)からスタートする、ルノーとのコラボレーションでもMiyashitaさんのお皿が登場するそうです。

二皿目は、「ラタトゥイユ ムサカ的な考えで」。テーブルの上にお花が咲いた〜! ラタトゥイユを分解して再構築したという、大村シェフの独創性が際立つ一品です。ムサカとは、ギリシャ料理で羊やナスを使ったグラタンの料理。そこからインスピレーションを得て、ズッキーニ、パプリカ、玉ねぎといったラタトゥイユの定番野菜で、子羊の挽肉を閉じ込めています。スパイスがきいていて、独特の子羊の風味が引き立ってくせになるおいしさ。まさに進化系&洗練版ラタトゥイユです。

このお料理に合わせたのは、フランス・ブルゴーニュのロゼ。その日の気温や湿度も考えてワインを提案してくれます。とってもフルーティーなロゼでした。

続いて3皿目は「スズキのポワレ ブラッドオレンジの白ワインソース」。皮はカリカリ、身はふっくらとしたスズキに添えてある、このブラッドオレンジのソースの味わいが個人的にとても新感覚でした。元となるソースはブールブランソースというフレンチでは定番の白バターソースなのですが、それに同じく定番であるスズキと柑橘の組み合わせを踏襲しながら、ブラッドオレンジを使ってひとひねりしたのだそう。さすが、フレンチの基礎がしっかり確立されているからこそ、シェフの応用力・遊び心が秀逸です。ほのかに酸味もあるけれど料理に馴染むソースで、家の冷蔵庫に常備したいくらいです。

ペアリングは、「白い花びらをすくって、ぎゅっと凝縮したお花の香り」と小山さんが説明してくれた、アルザスの作り手のもの。その通り、とても華やかな香りでびっくり!!

次は、「鴨もも肉のジャンボネット マスタードソース」。ジャンボネットとは、お肉屋さんで豚のもも肉に挽肉を包み込んで火を入れる調理法なのだそうです。大村シェフのご出身、青森県の銀の鴨のもも肉に挽肉を包んでいます。もも肉の方が味が濃く、お肉を噛み締めている感じがします、と大村シェフ。でも、とても上品でやさしくて、これ、鴨なんだ!?という味わいです。鴨といえば、大村シェフは当時24歳の史上最年少でメートル・カナルディエという鴨の資格を取得されたそうです! そして、お皿はシェフが昔から買い集めたロイヤル コペンハーゲン。今こうしてご自分のお店で使われているエピソードに心が温まります……。

こちらの赤ワインは、鴨味わいを引き立てる、穏やかなボルドーの1本。ソースみたいな感覚で、と小山さん。

コースの締めはデザートのクレームダンジュ。フレッシュな桃のソルベがのっています。スッキリクリーミーな味わいに合わせるのは、新政酒造の陽乃鳥。ここにきて日本酒です! 桃やチーズの酸味との相性が抜群で、最高のペアリングでした!

最後はコーヒーでなく、食事の余韻を楽しんでほしいとの思いから、お茶が提供されます。

ちなみに、「ab restaurant」の制服は、なんと「Yohji Yamamoto」。大村シェフも小山さんもYohjiさんの服のファンだそうで、海外で活躍されている彼へのリスペクトを込めて、だそうです。

大村シェフのフレンチの先を開拓する独創的なセンスと、そのお料理とワインを伝える小山さんとの息の合ったコンビネーションはまるで舞台を観ているようでした。スペシャルな食体験を、よりリーズナブルに味わえるこの機会に味わってみてください!

ab restaurant
住所/東京都新宿区市谷本村町2-19 美術出版アカデミービル 1階
TEL/03-6457-5898
営業時間/ディナー 18:00〜23:00(L.O.23:00)
URL/https://ab-yotsuya.com/

ダイナースクラブ フランス レストランウィーク 2020
会期/2020年9⽉25⽇(⾦)〜10⽉14⽇(⽔)の20⽇間
参加店舗/全国の参加フレンチレストラン
基本構成/前菜、メイン、デザート、⾷後の飲み物
価格/ランチ、ディナーともに、下記のいずれかの価格で提供
¥2,500、¥5,000、¥8,000(税・サービス料込)
予約⽅法/1. 直接店舗へ電話予約
2. 公式サイト経由「TableCheck」または「⼀休.comレストラン」
https://francerestaurantweek.com/
※電話予約は各店舗の営業時間に準じる。

Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・エディター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなどあらゆるジャンルに幅を広げるべく猛進中。Numero.jpの連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」などを担当。スイーツ全般を愛し、なかでもパフェに熱狂的。

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