ビョークと対話する数十分間音楽のVR・18日間の実験 | Numero TOKYO
Culture / Editor's Post

ビョークと対話する数十分間
音楽のVR・18日間の実験

björk digital
björk digital

日本化学未来館で開催中の「Björk Digital ―音楽のVR・18日間の実験」を体験してきました。

「ビョーク(Björk)のDJがすごいらしい」という話を、昨年からあちこちで聞くようになりました(ニューヨークで開催された Red Bull Music Academyのパーティーにサプライズゲストとして登場し、披露したDJがすごかった!というのがきっかけでしょうか)。2016年TAICOCLUBのアフターパーティに来るという噂を聞いて、もしかしてDJが見られるのかも!?と思いきやそこで拝見できたのは踊る姿のみ。そうやってじらされたファンたちの気持ちが高まりに高まった6月29日、日本科学未来館にて3時間半にわたるパフォーマンスがされたことも話題になりました(チケットがとれず、行けませんでした)。 さて、このパフォーマンスがなぜ日本科学未来館で行われたかというと、前代未聞の企画展「Björk Digital ―音楽のVR・18日間の実験」のオープニングイベントだったから。この日を皮切りに7月18日までの期間限定で、デジタルテクノロジーを使ったコミュニケーションとクリエイションに挑戦した神々しいビョークに会うことが出来ます。 Vulnicura VR VRによってBjörkの最新アルバムを新たに体験する刺激的なデジタルハブ。一歩足を踏み入れると、Jesse Kandaの「Mouth Mantra」、Andrew Thomas Huang 監督の「Stonemilker」、Warren du Preez とNick Thornton Jonesによる「Notget」の世界に引き込まれます。※入場日時指定制 Biophillia アルバム「Biophilia」と共に生まれた画期的なアプリを紹介する体験型の教育スペース。アプリに触れたユーザーは、音楽の理論、科学、テクノロジー、その物理的な力、プロセス、構造の探求へと一気に誘い込まれます。 Cinema 本展のためにキュレーションされた、Björkのこれまでのキャリアにまたがる広範囲かつ画期的なミュージックビデオのセレクション。本展のためにリマスターした映像音響で体感します。 「VR」とはみなさまご存知ヴァーチャル・リアリティ。これまで聴覚(音)と視覚(MV、ライブ)という経験しかない私ははじめ、その情報量と違和感に地面がどこか分からなくなりましたが、そのうち初めて歩く世界と、ビョークとの対話にどんどん気持ちが溶けていきました。丸椅子でくるくると回りながら、人間のそう遠くない未来について考えて嬉しくなったり悲しくなったり楽しくなったりと、静かにものすごく興奮する。そんな、言葉で表そうとするとどうにもちぐはぐになってしまう、ここでしかできない体験。入場料は2,500円です。 「わたしは、テクノロジーの助けを借りて、もっとも多くの人が参加できて、もっともあなと一体になれる作品を、選んでみました。実り多きことを」 by Björk エキシビションの詳しい情報はこちらから。VR体験は入場日時指定制なので要注意。公式サイトからチケット予約ができますよ。

Profile

新村有希子(Yukiko Shinmura)ウェブ・エディター、エディター。服飾専門学校卒業後、キッズファッションのスタイル提案とビジュアル製作に携わり、2012年より女性誌へ。「Numero TOKYO」公式ウェブサイトにて服や人、本や映画を切り口にした東京カルチャーのトレンドを配信中。古着屋巡りに夢中。

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