usagi bon ごはん vol.95 カボチャ饅頭 | Numero TOKYO
Life / Usagi Recipe

usagi bon ごはん vol.95 カボチャ饅頭

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第95回は、カボチャ饅頭。

カボチャ饅頭

銀あんや濃口醤油を使ったべっ甲飴でも美味しいです。かぼちゃを百合根やさつまいもなどに変えるとそれぞれの饅頭になるし、そぼろをあんこにしたりとアレンジも楽しめます。 【材料】2人分 かぼちゃ 80g じゃがいも 80g 鶏挽肉 60g 片栗粉 10g 小麦粉 10g 醤油 大さじ1 日本酒 小さじ1 メープルシロップ 少々 コーヒー豆 少々 精製していない塩 少々 *黄身メープルシロップ 卵黄 1個 メープルシロップ 小さじ1 お湯 大さじ1 【作り方】 1. かぼちゃとじゃがいもは皮のまま塩茹でにして皮を取り裏漉して混ぜ合わせておく。 2. テフロンパンに鶏挽肉を入れ、生のうちに醤油、日本酒、メープルシロップ少々を混ぜ合わせて、水分が無くなるまで炒り煮にする。 3. 1で作った皮を伸ばして、2の鶏そぼろを包んで饅頭のようにする。 4. 片栗粉と小麦粉を混ぜて合わせた粉を饅頭にまぶし、油でさっと揚げる。(揚げるのが苦手な人は、黄身メープルシロップの分量を混ぜたものを塗ってオーブンで焼いて仕上げるのもいいです) 5. 4で揚げた饅頭を蒸して(食べる分だけ蒸して、残りをそのまま冷凍して使用する時に蒸して食べることもできます)、黄身メープルシロップを上からかける。 6. コーヒー豆をから炒りして包丁で刻み上に乗せる。 *黄身メープルシロップの作り方 1. ボウルに卵黄とメープルシロップを入れホイッパーでよく混ぜ合わせる。 2. フライパンに水を入れ、中火にかけ、1のボウルを入れてぽってりするまで良く混ぜて、お湯で濃度を調整する。

王道メニューのドッキング

久々の帰国後、最初に実家の食卓に並んだ一品の中にはカボチャの煮付けがあった。何の変哲もないその一品は、どの家庭でも作られる日本の家庭料理。カボチャ自体の甘味に加えて実家の味は昔ながら出汁、醤油、味醂(みりん)とお砂糖。意外と苦手な甘辛味だけど、それは矢張り懐かしい味でもある。普段甘味が欲しい時は控えめに蜂蜜、メープル、またアガベシロップなどを使う。アガベはテキーラと同じメキシコや南アフリカ原産の植物の樹液で甘味が強いのが特徴。少量の使用がお勧めだ。

鶏そぼろも、同じようにちょっと甘みがあり、みんな好きな味。そんなクラシックな二つのレシピが一度に楽しめるドッキンングなアイデアなのだ。味の相性は間違いなく抜群で、加えてその見た目も可愛い手毬風。饅頭を切った中から溢れる鶏そぼろで笑顔も溢れるに違いない。ちょっとカタチを変えることでお洒落に、そしてよそ行きの姿に、カボチャ煮もそぼろも変身してしまうってわけなのだ。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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