usagi bon ごはん vol.90 じゃがのフカ擬き | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.90 じゃがのフカ擬き

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第90回は、じゃがのフカ擬き。

じゃがのフカ擬き

薄くスライス、薄く千切りすればするほど、フカヒレの様になります。スライサーやピーラーを利用すると簡単に出来るのでチャレンジしてみてください。

【材料】1人分
じゃがいも 1個
片栗粉 少々
精進出汁 180ml
醤油 12ml
オイスターソース 小さじ1
胡椒 少々
片栗粉 大さじ1
ごま油 大さじ1

【作り方】
1. じゃがいもの皮を剥き、薄くスライスし、千切りにする。
2. 1のじゃがいもをフカヒレの形に整形する。(このとき、じゃがいもが付きにくい場合に片栗粉を少々付けて整形する)
3. フライパンに油をひき、2を中火で両面焼く。
4. 3に精進出汁、オイスターソース、醤油、胡椒で味を整えて沸かす。
5. 4に水溶き片栗粉でとろみを付けたら、火を止めて胡麻油を入れる。

擬似は本物を超えるか。

一般的に世界中で言われている食材三大珍味は、フランス料理に始まるキャビア、フォアグラ、トリュフ。日本ではカラスミ、うに、このわたなど。前提として美味しいに加えて貴重ということもそう呼ばれる要因となっているから「珍味」なんだろう。

他にも、河豚、鮎、松茸、などまだまだある。中国では、アワビ、ツバメの巣、そしてフカヒレ。サメのヒレを乾燥させて戻して料理にしたその独特の肉厚で柔らかい食感は、中国のみならず他国でも勿論日本でも大人気。世界中で取りすぎたサメの減少は動物環境問題にまで発展して実は深刻。

じゃがいもは、そんな珍味とは一番遠い所にある世界中でもっとも親しまれている食材の一つと言ってもよい。

料理の楽しさは、食材の切り方や調理法で同じ物でも違う物のように味わえる事。ガレットは千切りのじゃがいもをフライパンに押し付けて固めて焼く事で、表面がパリパリ食感でなんとも美味しい。擬似フカヒレもやっぱり切り方と食感がポイント。美味しく環境問題も解消で一石二鳥なのだ。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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