usagi bon ごはん vol.88 トマト飴 | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.88 トマト飴

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第88回は、トマト飴。

トマト飴

カラメルソースを作る時には、水を加えるとソースが飛び散るので、シンクの中で作るのがおすすめです。

【材料】2人分

ミニトマト 1パック
きび砂糖 100g
水 30ml

【作り方】
1. ミニトマトは水で洗って水気を切っておく。
2. カラメルソースをつくる。鍋にきび砂糖を入れて中火にかけ、溶けてカラメル状になったら火を止める。水を2、3回に分けて加え混ぜ、ソースを冷やす。
3. ソースがまだ熱いうちに、1のミニトマトを2に絡ませ、クッキングシートに置いて、冷蔵庫で20分くらい冷やす。
4. 3が固まったら、お皿に盛る。

思い出の味とビジュアル

お祭りは地元の恒例のもの、旅先で偶然出くわしたもの、それを目指していくイベント的要素の強いものなど、大小その規模に関係なくワクワクするものだ。そんな祭りとセットで屋台はお寺の参道沿いなどに並び、青々とした樹々の杜とお社(やしろ)の渋い色調と全くそぐわないはずが、屋台という簡易形式のお陰で逆にそのマジック効果を発揮して突然現れる黄色や赤(記憶の中ではこの2色が強い)もイヤじゃないのが不思議だ。これからの夏祭りには、金魚掬いや、ヨーヨー釣り、爽やかでひんやりした遊びや、食べ物もかき氷などが人気。

そして定番の焼きそばや、イカ焼きなども必ず並ぶ。杏子飴や、リンゴ飴、綿菓子も定番だ。りんご飴はそのツヤツヤピカピカな合成着力料独特の美しい「赤」に惹かれて子どもの頃は、親にねだった。「最後まで食べられないでしょ!」という説得もねじ伏せて買ってもらったのに、やっぱり持て余して食べきれないで苦労した。

そんな思い出からミニトマトで飴がけにしてみると、大きさもぴったりだし、何よりトマトの淡い酸味と飴の相性はバッチリ。加えて合成着色料なしでもこんなに綺麗な色が楽しめる。赤ばかりじゃなく、グリーンでも茶色でも、大人になるとただ派手な色だけが良いとも思わなくなって来る事もラッキーだ。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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