usagi bon ごはん vol.68 ひじきとちくわの炒め煮 | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.68 ひじきとちくわの炒め煮

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第68回は、ひじきとちくわの炒め煮。

ひじきとちくわの炒め煮

お好みで鶏肉や魚貝類など入れても美味しいですよ。

【材料】 2人分
ひじき 30 g
ちくわ 1本
ゴボウ 10 cm
人参  10 cm
平さやインゲン 3本
精進出汁 300ml(レシピはこちらを参照)
日本酒 50ml
きび砂糖 20g
醤油 50ml
太白ゴマ油 40g

【作り方】
1. 平さやインゲンは塩ゆでして、食べやすい大きさにカットする。
2. ひじきは水で柔らかく戻し、ざるで水を切る。
3. ゴボウ、人参はささがきにし、ちくわは縦半分にしてから1cmの幅に切る。
4. 2.3を太白ゴマ油で炒め、精進出汁を入れ、日本酒、きび砂糖、醤油を入れ煮る。
5. 4の中の煮汁が少なくなってきたら、1の平さやインゲンを加える。

蒲の穂と竹輪の相似性

夏の花として蒲の穂がある。うさぎとしては忘れられない出雲神話『因幡の白兎』。騙した鮫に襲われ皮を剥がされ、その上海水のついた身体が風に吹きさらされ裂かれ真っ赤っか…。

そこを通りかかった大国主命(おおくにぬしのみこと)が、傷み苦しんでいる兎に「真水で身体を洗い、ガマの花粉を敷いて寝ると良い」いうアドバイスをして、やっと回復したという話。その綿毛は本当に優しい。

その蒲の穂の風貌は『ちくわ』にそっくりだ。

元々、鉾(ほこ)の先につぶした魚肉を塗って焼いて食べたものが、蒲の穂によく似て「蒲穂子(かまぼこ)」と呼ばれ、それが「蒲鉾」になったようだ。江戸時代には、やっと武士、商人、町人へと徐々に広まり、その後時代を経て蒲鉾は贅沢品になり板に付け蒸した板付蒲鉾が蒲鉾。贅沢品だと陰口叩かれるのを避けて『蒲鉾』とは言わず隠語として『ちくわ』と名づけ食べ続けられたが実は同じものだったようだ。今でもやっぱり人気者、それが『竹輪』なのだ。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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