usagi bon ごはんrecipe.30 揚げそばの茸あんかけ 柚子風味 | Numero TOKYO
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recipe.30 揚げそばの茸あんかけ 柚子風味

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「L’Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。

揚げそばの茸あんかけ 柚子風味

たくさん茹ですぎた余った蕎麦も揚げることでまた美味しく食べられる。揚げた蕎麦に塩やブラックペッパー、粉チーズなどをかければ、そのままお酒のおつまみに。サラダに合わせるのもOK! 【材料】 4人前 乾燥十割蕎麦(なければ十割でなくても可) 200g 椎茸 4個 長ネギ 1/2本(下の白い部分) 三つ葉 1/2束 柚子 1/4個 精進出汁 800ml ※作り方はこちら 醤油 100ml 本みりん 100ml 片栗粉 大さじ1 サラダ油 適量

【作り方】
1. 蕎麦を茹で、ざるにあけて流水でよく冷ます。
2. ⓵の蕎麦の水気をしっかり切り、バットに移し、4等分にする。
3. 椎茸は1mmくらいに薄くスライスし、三つ葉は根元を切り、3cm幅くらいにカットする。柚子は皮を剥き、皮を1mmくらいに刻む。長ネギは5cmほどの長さに切り、白髪ネギに刻み、流水した後、水気を切る。
4. 鍋(フライパン)にサラダ油を熱し、②の蕎麦の水気が乾いたら、こんがりときつね色になるまで中火で揚げ、よく油を切っておく。
5. 鍋に精進出汁と本みりん、椎茸を入れて一煮立ちさせたら火を止め、醤油を入れ、水溶き片栗粉でとろみをつける。
6. ⑤に三つ葉、柚子の皮を入れて混ぜ合わせる。
7. 器に④を盛りつけ、⑥をかけ、上に白髪ネギを添える。

野暮も洗練も、とろみ加減

とろみをつけると急に、ほっこりとした感じになる。日本では、片栗粉や葛粉でとろみをつけることが多い。同じ蕪でも、サラッとした出汁の煮物と蕪蒸しでは、とろみのあるなしで、全く違う感じに仕上がる。結局どっちも美味しいんだけれど。

関東では、揚げ玉の入ってるかけ蕎麦が「たぬき」。関西では、刻み油揚げのとろみをつけたつゆが「たぬき」。

フランスのクラシックなソース、ベシャメルソースは、小麦粉、バター、ミルクでとろみをつけた白いソース。色合い同様に優しい味。昔は、フランス料理の基本中基本として、ベシャメルソースは、シンプルながらも、その作り方の難しさも加わり、フレンチ王道ソースのトップに君臨していたように思う。近頃のクラシックなフレンチ離れで、何となく忘れかけていた味。でも寒い時期にはやっぱりとろみは、身体が温まる感じで嬉しい。

葛の料理は、煮汁にといて上からかけるほか、敷餡といって先ず器に敷いた後、野菜や具を乗せた料理もある。とろみ具合で、急に洗練されたり、ちょっと野暮ったくなったり、わずかの違いでその差が出るのは、ファッションなんかも同じなんだと気がついた。

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Art Work&Text:Shinsuke Kawahara
Photo&Food Direction:Shintaro Imahira
Edit:Masumi Sasaki

Profile

河原シンスケ(Shinsuke Kawahara) 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo:Keiichi Nitta)
今平慎太郎(Shintaro Imahira) 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。(Photo:Ayako Masunaga)

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