usagi bon ごはん vol.134 瞬足ハーブシメサバ | Numero TOKYO
Life / Usagi Recipe

usagi bon ごはん vol.134 瞬足ハーブシメサバ

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載「usagi bon ごはん」。第134回は、瞬足ハーブシメサバ。

瞬足ハーブシメサバ

ハーブが苦手な人は、わさび醤油や、胡麻だれなどお好みでお楽しみください。

【材料】 4人分
サバ  1尾
精製していない塩 9g
てんさい糖 2g
ハーブ(エストラゴンやタイムなどお好みのもの) 少々
米酢 適量
太白胡麻油 少々
マルドンの塩 少々

【作り方】
1. サバは、3枚におろし、骨抜きで残った骨を抜く。
2. 精製していない塩9gとてんさい糖2gを混ぜ合わておく。
3. おろしたサバの重量に対して3.5%の合わせ塩を両面にふって30分くらい冷蔵庫に入れる。
4. 3のサバに、米酢をたっぷりかけて、塩を洗い落とし、そのまま1〜2分漬けて水分をしっかりとる。
5. 4のサバの皮の上にある薄い皮を手ではがす。
6. 5のサバの皮を軽く炙って冷蔵庫で冷やし、スライスして盛り付け、上から太白胡麻油、マルドンの塩、ハーブを散らす。

〆る、炙る、+ハーブ

ゴマサバの美味しい時期だ。周りで嫌いっていう人をそれ程沢山聞いた事は無いにも関わらず、いまだに「背の青い魚は……」なんてカテゴリーにされている事は七不思議。「美味しいより栄養ある」を強調して勧められるのもイマイチ腑に落ちない。

このように魚だけに関わらず、人の判断で物事が決められていくのが世の常だけど、いつも疑って自分の判断で生きて行きたいと思う。どうしても美味しくない、食べられない物はあるのかもしないが、子供の時不味いと思っていた苦味のある山菜を大人になって好んで食べたり、美味しい美味しいと毎朝食べる納豆も、外国人からしたら奇妙な食べ物だったり。世界中にはそんな物たちで溢れている。それは本当の嗜好ではなく、知識や情報からきているものなのだ。

塩をまぶすと魚の余分な水分から臭みが抜けて美味しくなる効果がある。そして酢で〆る。美味しく食べるという事以外にも、身に着いている細菌や寄生虫を殺菌する力もあるのだ。それでも必ず新鮮な魚を買うようにしたい。そしてそれを炙るとさらに美味しくなる。少しの手間をかけると、シンプルな一品もワンランクアップする事間違いなし。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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