usagi bon ごはん vol.130 ヤリイカ味噌煮 | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.130 ヤリイカ味噌煮

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載「usagi bon ごはん」。第130回は、ヤリイカ味噌煮。

ヤリイカ味噌煮

イカは火を通しすぎると硬くなってしまうので、煮すぎに注意して、手早く仕上げてください。

【材料】 4人分
小ヤリイカ 15杯
味噌 60g
日本酒 60ml
メープルシロップ 15g
三つ葉 少々

【作り方】
1. 小ヤリイカは塩水で洗う。
2. 味噌日本酒とメープルシロップを混ぜ合わせて、1の小ヤリイカを入れ、テフロンパンで煮詰めていくように煮る。
3. 2をお皿に盛りつけ、刻んだ三つ葉をのせる。

小さな図体に秘めた力強さ

ヤリイカの旬は冬から春にかけて、文字通り槍の形に似て、他の種類の烏賊よりとんがっているからこの名がついたのは納得がいく。

小さい身体でも大きい烏賊と同じディティールで子魚や蛸同様、そのミニチュア感がたまらない。定置網漁なので、ダメージが少なくキレイな姿で出荷され、我々の市場にお出まし。

図体が小さいからと言って見くびってはいけない。その効能は凄く、疲労回復、滋養強壮、しかもダイエット効果も高いタウリンを多く含んでいる。まさしく我々に元気をチャージしてくれるのだ。新鮮なヤリイカはイカそうめんやお刺身でも美味しいが、火を通しても硬くならず旨味も高まり、加熱調理にも向いている。

ヤリイカではないけれど、烏賊といえばイカ焼き。一般的な烏賊の姿焼きとは全く違い大阪のイカ焼きは卵の多いふわふわのお好み焼きの粉が少ないバージョン。

阪神百貨店の名物で昭和30年代からの大人気メニュー。近くを通ると長蛇の列と共に、ソースの香りが漂っている。そこらにしゃがみ込んで食べる人達も多く見られる大阪庶民の味。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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