usagi bon ごはん vol.129 わかさぎの白焼き | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.129 わかさぎの白焼き

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載「usagi bon ごはん」。第129回は、わかさぎの白焼き。

わかさぎの白焼き

クッキングペーパーをひいて焼くと、味噌漬け、蒲焼きなど焦げやすい食材を焼くときや、温めなおす時など便利です。にんにくオイルも、わかさぎを筍やパスタに変えたりと色々使えるので活用してみてください。

【材料】 2人分 わかさぎ 10匹
チンゲン菜 1/2束
にんにく 2片
太白胡麻油 大さじ5
精製していない塩 少々

【作り方】
1. わかさぎの腹を尻尾の方に軽く押して汚れを出す。
2. 1のわかさぎをボールに入れ、多めの食塩(別分量)で優しく塩揉みしてぬめりをとり、流水して水気をきっておく。
3. フライパンにクッキングペーパーをひき、中火で両面が白くなるまで焼く。
4. にんにくオイルを作る:フライパンにみじん切りにしたにんにくと太白胡麻油を入れ、弱火にかけて、泡が出できたら一度火から外し、1〜2分おいてにんにくの水分をとばしたら、再度軽く火にかけてこし器などでこして、余熱できつね色にする。
5. 4のにんにくオイルをフライパンに入れ、チンゲン菜をサッと炒めて、塩をふり器に盛る。3のわかさぎをのせ、にんにくをたっぷりかける。

繊細な小魚

日本は島国だけあって、世界的に見ても魚料理がとてもポピュラーだ。

南フランスでは、春から夏にかけてÉperlanという小魚が出回る。川と海の間の真水と海水が混合した汽水域の魚で、フリットにして塩パラパラ、ちょっとレモンを絞って屋台の味って感じのおつまみ感覚の一品。ビールや白ワインとの相性もピッタリ。イギリスでも、イタリアでも同じようにポピュラー。わかさぎに近く、内湾や湖に生息している。

日本では天然物を茨城県の霞ヶ浦から1910年代に各地の湖に移植した経緯があるらしい。冬には凍結した湖面にアイスドリルを使って小さな穴を開け、わかさぎ釣りをする野尻湖や山中湖の光景は冬の風物詩でもある。その味は繊細で、薄味に仕上げることが多いが、時には保存食として、佃煮や甘露煮にもする。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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