usagi bon ごはん vol.124 鶏ささ身のおこわ蒸し | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.124 鶏ささ身のおこわ蒸し

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載「usagi bon ごはん」。第124回は、鶏ささ身のおこわ蒸し。

鶏ささ身のおこわ蒸し

おこわではなくても、ご飯でも代用可能です。鶏肉が苦手な人は、エビや貝類など魚介にしたり、それも苦手な人は茸の種類を増やすと、肉や魚介を使わなくてもとても美味しくなります。

【材料】 4人分

餅米 300g
鶏ささ身 4本
ゆきのした茸(えのき、椎茸、キクラゲなどの茸でも代用可) 60g
インカのめざめ(栗や銀杏でも良い) 3個
長ネギ 1/2本
精進出汁 360ml ※レシピはこちらを参照
醤油 15ml
精製していない塩 2〜3g
片栗粉 大さじ1

【作り方】
1. 餅米は一晩水につけておく。
2. 鶏ささ身は、筋を取り除き、大きく切っておく。インカのめざめは皮を剥き、食べやすい大きさに切っておく。長ネギは縦半分に切り、小口切りにしておく。
3. 蒸し器に水気を切った1の餅米を広げて入れて、その上に2のささ身とインカのめざめを乗せて、精製していない塩(別分量)少々をふり、時々混ぜながら蒸す。
4. 鍋に精進出汁に2の長ネギ、ゆきのした(えのき)、醤油を入れ、片栗粉と同量の水を加えて溶いたものを回し入れ濃度をつけてあんにする。
5. 蒸し上がったおこわを器に盛り、4をかけ、あれば青味をふる。

怖くない強い米

白いご飯は、日本人が愛して止まないもの。ふっくらツヤツヤに炊き上がった白米は「立っている」なんて表現するのも日本人くらいだと思う。それはまるで宝石を目の前にした時のような感激と感傷までも含まれた日本の精神性までに及ぶ。

確かに美味しいお米は、それだけで、甘味や香りを楽しめる。

でも同時に、混ぜごはんやおこわも大好きだ。そこに季節感を感じられるのも魅力で、春のえんどう豆、秋の栗、など食べる時期でまた風情も出るというもの。

そして赤飯は、誕生日、入学式、結婚式などの祝い席では切っても切れない昭和の一品。今でもそうなんだろうか? わかる人いたら教えてください。

海外では、白米をそれだけで食べる習慣がないので、味付きがみんな好きだ。だからおこわ好き。

おこわとは、もち米を炊いたり蒸したりする米飯で、フランスでは、ベトナム料理などで知られている。日本では弥生時代にはうるち米を蒸した料理が食べられていたらしい。庶民はそんなに白米を腹一杯食べられない時代、主はお粥だった。そんなシャバシャバのお粥と比べ餅米とうるち米の硬い飯=強い飯が『おこわ』の語源と言われている。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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