usagi bon ごはん vol.106 豚ヒレの一口磯辺揚げ | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.106 豚ヒレの一口磯辺揚げ

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第106回は、豚ヒレの一口磯辺揚げ。

豚ヒレの一口磯辺揚げ

鶏肉や魚などにも応用出来るので、ニラの代わりに紫蘇や山菜など、お好みで季節の味にしてお楽しみください。

【材料】2人分
豚ヒレ肉 200g
海苔 適量
春ニラ 少々
醤油 15ml
生姜絞り汁 少々
片栗粉 適量
粉山椒 少々

【作り方】
1. 豚ヒレ肉は3センチくらいに切り、ニラは荒いみじん切りにする。
2. 1に醤油、生姜の絞り汁を合わせて、10分程味を馴染ませる。
3. 2の豚肉とニラを海苔で巻き、片栗粉を付けて揚げる。
4. 3に、粉山椒を振りかける。

初春の季語

春が近づいて来て、海苔が美味しい季節。乾物なので勿論一年中食べれるアイテムではあるけれど、この時期の海苔は最高だ。『海苔』は初春の季語であることでもそれは明白。

磯の岩にへばりついている苔みたいな藻類を摂って食べてみたのは、日本の他に、中国や韓国。味付きオイル付きの韓国のりも別物の美味しさ。乾燥前の生海苔から始まり、今や世界中でポピュラーな巻き寿司に登場する板海苔は、それ自体が紙を作るように漉いて乾燥させたものでサイズは21cmX19cmを全型、その10倍を1帖という単位。

海苔が巻いてある餅でもおかきでも『磯辺』の文字を見るとついつい惹かれて手が出てしまう。海苔は、佐賀県、宮城県、瀬戸内海などが有名産地。江戸時代は、東京・大森で採れた海苔を浅草海苔といって、江戸庶民と切っても切り離せない存在だったことが、文献や、浮世絵などからも見てとれる。現在はその歴史を『大森 海苔のふるさと館』で見学できるらしいがまだ行ったことがないので、興味津々で今度訪ねてみたい。磯辺揚げでポピュラーなのは、竹輪。海老や白身魚でも美味しいし、海苔マジックは、野菜、肉でも、まずその爽やかな色のルックスにジャブを打たれ、次に食べた途端に広がる磯の香りが、そのまま海に連れて行ってくれるようだ。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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