usagi bon ごはん vol.102 白菜の丸ごと煮 | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.102 白菜の丸ごと煮

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第102回は、白菜の丸ごと煮。

白菜の丸ごと煮

きのこや、鶏肉、貝柱など入れても美味しいです。沸騰させないで澄んだスープが絶品です。 【材料】8人分 オレンジ白菜(普通の白菜でも可) 1株 精進出汁 16Lくらい ベーコンスライス 5枚 ケッパー 少々 紫蘇  少々 黒胡椒 少々 白胡椒 少々 精製していない塩 【作り方】 1. 白菜は水洗いし、根元に十字の切り込みを入れる。 2. 大きな鍋に1の白菜を丸ごと入れ(!)、精進出汁をかぶるくらいまで入れ、ベーコンスライス、黒胡椒、白胡椒を入れる。 3. 2に落とし蓋をし、火にかけて沸いてきたら、塩で薄く味を調え、火を小さくして、沸騰しないようにゆっくり煮込む。 4. 白菜に竹串をさして、スッと入るくらいとろとろになったら、取り出してお皿に切り分けてスープを入れる。 5. 4にお好みでケッパー、刻んだ紫蘇を散らして、オリーブオイルをかける。

雪で野菜の美味パワー増加説

天気予報ではまた今日も大雪注意報が出ている。「今年は例年と比べて異常天気だよね~!」なんて言っているけど、実際は毎年差程違いは無いのかも知れないし、夏になればまた記録破りの猛暑が訪れ自然を前にして抗うことができない我々はただ嘆きの言葉を発するだけなのだ。

雪下野菜。雪の中で貯蔵された野菜は甘味が増すとよく言われるが、雪の中では温度が+-0.1~0.3度に安定し、湿度もほぼ100%という最高の状況が保たれる事で、野菜はイキイキ! 甘さが増すというより、味の中に存在する青臭さなどの雑味が取れて、まろやかになる事で、甘味が増す様に感じられるらしい。ただ雪下に保存すると、凍ってしまわない様に自力で戦う事によって美味しい野菜が出来るという説もある。

そういえば先日もすっかり雪を被って数日経った庭のたんぽぽ。一度雪が溶けても、凍らずまた逞しく青々とした葉っぱに再会出来たときは感動した。

白菜もそんな美味しい冬野菜。散歩途中に近所の農家の井上さんが雪下からまた巨大な白菜を収穫していた。きっと美味しい事間違いない。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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