usagi bon ごはん vol.100 シュトレン | Numero TOKYO
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usagi bon ごはん vol.100 シュトレン

アーティスト河原シンスケがプロデュースする「usagi」監修の、レストラン「Univers S.」シェフ今平慎太郎の料理をわが家に。旬の食材や一皿にまつわるエッセイとともに送る、五感で楽しむビューティフードの秘伝レシピ連載。第100回は、シュトレン。

シュトレン

ドライフルーツの優しい甘味が広がるケーキをクリスマスに、ぜひ作ってみてください。

【材料】作りやすい分量
おから 50g
薄力粉 200g
ドライフルーツミックス 170g
グレープシードオイル150g
卵L 2個
てんさい糖 110g
精製していない塩 5g
水 100ml
ドライイースト 7g
豆乳 適量(なければ、日本酒やリキュールやブランデーなどでも可)
粉糖 少々
飾り用 くるみやピスタチオ、ドライフルーツなど少々

【作り方】
1. 水とドライイーストを混ぜておく。ドライフルーツは豆乳に浸して柔らかくしておく。急ぎたい時は軽くレンジに入れる。
2. ボウルに卵、てんさい糖、精製していない塩を入れ泡立て器でしっかりよく混ぜる。
3. 2に薄力粉、1の水とドライイースト、おからをひとつずつ順番に入れ、手でよく混ぜる。
4. 3にグレープシードオイルを入れてよく練り混ぜる。
5. 1のドライフルーツを4に混ぜ合わせる。
6. 流し缶の2/3くらいの高さまで5を流して、温かいところに1時間半くらいおいて発酵させる。
7. オーブンを170℃で40分くらい焼く。
8. 型から出して、上からくるみやピスタチオ、お好みのドライフルーツ(別分量)を少々差して粉糖をかける。

1491年に許可された味

フランスで断然ポピュラーなクリスマスのお菓子と言えばブッシュドノエル。そしてイタリアからやって来たパネトーネ、ドイツからはシュトレンも合わせて人気だ。

日本では、シュトーレンと、伸ばして発音するのが定着しているこのケーキは、ローマ教皇よりキリスト教断食期のミルクやバターの禁止令から解放された後、国中に広まった。発祥地のドレスデンでは、クリスマス前にシュトレン祭りが開かれ、3,000kg、4,000kgもある巨大なシュトレンを乗せた馬車が街を練り歩き、クリスマスマーケットに登場する。コロナ以前は数十万人の観光客も集まる一大イベント。今年はどのくらいの人出になるだろうか? ドレスデンスタイルの味は伝承され続け、商標登録され材料分量も指定されているというストイックなもの。それ程人々に大切にされて来た歴史があるということだ。

クリスマスソングが流れ、イルミネーションが揺れ、空気がキリッとしたクリスマスシーズンは心躍る時期だ。ヨーロッパでは日本の正月的に家族で集まり、日本ではカップルたちのちょっとソワソワした感じも恒例に微笑ましい。

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Art Work & Text:Shinsuke Kawahara Photo & Food Direction:Shintaro Imahira Edit:Chiho Inoue

Profile

河原シンスケShinsuke Kawahara 80年代初頭よりパリを拠点に活動するアーティスト/クリエイティブディレクター。エルメス、ルイ・ヴィトンやバカラをはじめ、数々のブランドや雑誌とのコラボレーションでも知られている。(Photo: Keiichi Nitta)
今平慎太郎Shintaro Imahira 1974年、北海道出身。旭川、札幌のホテルで修行を積み、2014年札幌国際芸術祭のガラディナーで河原シンスケと初コラボレーション。17年の「usagi tokyo」立ち上げのため、上京しシェフに就任。19年2月札幌にレストラン「Univers S.(ユニヴェール エス)」をオープン。 Instagram/@univers.s.2019(Photo: Ayako Masunaga)

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