食のプロ御用達! クチコミ築地グルメ案内 | Numero TOKYO
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食のプロ御用達! クチコミ築地グルメ案内

豊洲移転の前に行っておきたい、食の殿堂、築地へ。プロが集う場内の魚がし横丁に、観光客で賑わう場外市場。たくさんの店舗が所狭しと軒を連ねる中で、築地通の料理人行き着けの、本当に美味しい店を紹介。※休市日は、www.uogashiyokocho.or.jp/ を参照のこと。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2013年6月号掲載

あんこう屋 高はし
マニアックに追求した魚を味わう食堂

「穴子丼、あんこう煮はあまりにも有名ですが、煮つけや焼き魚もハイレベル。友人が市場に遊びに来た時に案内することも」(沼口ゆき/「波よけ通りキッチン」主宰・料理家)

味にうるさい、魚好きにはたまらないと評判の高はし。祖父の代に始まり、現在は三代目が後を継ぐ。毎朝、天然の生の魚を仕入れるため、メニューは日替わり。それを楽しみに遠方からわざわざ訪れる常連客も多い。時季や産地、料理に適した大きさなど素材選びからとことんこだわる。冬には、店名でもある、あんこう煮が人気。

写真のめばるの煮付け(¥2,000)は、ほろ苦さが出ないちょうどいいサイズ。甘くない煮汁と柔らかな身の食感が絶妙。「本来天然ものを使っているから素材の良し悪しでいつでも美味しくなるとは限らない」と認める潔さ。

住所/東京都中央区築地5-2-1 築地市場内8号館
TEL/03-3541-1189
営業時間/8:00〜13:00
定休日/日・祝・休市日

魚河岸バル 築地TAMATOMI
築地の魚とワインが主役のバル

「メニューはカルパッチョやアヒージョ、香草焼き、フリットなど。地中海沿岸で定番の料理が並び、どれもワインに添う丁寧な仕上げ。いつ行っても楽しい気分になります」(沼口ゆき)

築地生まれのシェフと店舗開発に携わる男が、自分たちが通いたい「築地の旬をワインと一緒に楽しめる店」を形にした。徹底的に吟味した3種の塩と4種のオリーブオイルを味のベースに、いかにワインに合わせるかに焦点を絞った旬の魚や野菜料理と、イタリアの微発泡赤ワイン「ランブルスコ」14種ほかマニアックなワインが揃う。

人気メニュー「白身魚のカルパッチョ」(写真は鯛¥850)は、その日いち押しの魚で作る。ワインはグラス¥500、ボトル¥2,700〜

住所/東京都中央区築地4-10-12
TEL/03-6278-7765
営業時間/18:00~23:00(L.0.)、金・土〜25:00(L.0.)
定休日/日・祝・休市日
URL/http://tamatomi.com/

和食かとう
料理人も脱帽!魚料理の逸品を定食で気軽に

「場内で魚を食べるなら迷わずここ。30年近い常連です。煮魚は煮汁の味加減や火入れの加減が抜群で窯炊きの米も◎。“あじ酢”の締め加減もいいんです」(山田恵/代官山『ラブレー』オーナー)

築地の旬の魚で感動を味わいたい人はこちらへ。飴色の煮汁にさっとくぐらせて仕上げたツヤツヤの「金目鯛の煮つけ」(定食¥1,550)をはじめ、キリッと塩をしてふっくら焼き上げた旬の焼き魚や、さっと酢で締めた「あじ酢」(¥800)などの小鉢類まで、20種近いメニューはどれも絶妙な火加減、味加減。プロの料理人にもファンが多い。5升炊きの羽窯で炊いた米は、粒がピンと立った理想形。並ばずに入るなら平日9時~ランチ前が狙い目。

いさきの塩焼定食(¥1,500)には、野菜小鉢とみそ汁が付き、バランスも◎。野菜煮(¥500〜)は、春は筍などの旬が味わえる。

住所/東京都中央区築地5-2-1 築地市場内8号館
TEL/03-3547-6703
営業時間/5:00~13:30
定休日/日・祝・休市日

貝焼 築地 和光
築地で最高の貝だけを味わうファンクな酒場

「食材も、店の感じも、独自ルールも全て“普通じゃない!”。貝が大好きな人同士でワイワイ飲みたいときにうってつけです。ワインは伊・仏などの面白いものあり」(馬田草織/フリーランスライター・編集者)

看板なし、のれんなし、目印はガラス扉の右隅に小さく書かれた店名だけという知る人ぞ知る貝専門酒場。店主の丹羽さんは場内で仲卸の経験があり仲卸に友人も多く、必然的に特級クラスの貝が揃う。ワインは六本木「祥瑞」のセレクトで自然派多め、焼酎や日本酒も貝に合う少数精鋭主義。飲み物はセルフサービスの自己申告制、メニューはおまかせのみという独自ルールを楽しんで、ハイテンションな夜を過ごせる。完全予約制。


おまかせコース」は¥5,000、¥7,000、¥10,000の3コース(写真上は¥7,000)。旬の貝10種前後に、カニやウニなどが付くことも。日本酒・ビール・焼酎はすべてグラス¥500、ワインはボトル¥3,000~

住所/東京都中央区築地6-2-4
MAIL/wakoniwa@ezweb.ne.jp
営業時間/18:00~23:00(完全予約制)
定休日/日・祝(団体の場合、応相談)

寿司 弁富
赤酢を効かせたシャリと大きなネタに“粋”が凝縮

「ネタの良さはもちろん、シャリとのバランスが取れた寿司」(山田恵)

素材の良さもは言うまでもなく、しっかり食べごたえのある大きさのネタ、新潟産のこしひかりに赤酢を効かせたしゃりにもこだわる。鮪は脂ののった天然ものを使用。大ぶりな江戸前の煮穴子は仕上げに炙って香ばしさを加える、熟練の職人さんによって丁寧に握られた寿司にプロたちも納得。


大トロ、車エビ、ウニ、ミル貝、赤貝、小肌、アジ、カンパチ、アワビ、イクラ、アナゴなど季節のネタの握り(12貫+半分の巻物+1貫サービス付き)さくら(写真上・¥3,600)と、弁富丼(写真下¥2,000・)はマグロ、ウニ、カニ、イクラ、サーモンが敷き詰められ、満足度の高い一品。

住所/東京都中央区築地5-2-1 築地市場内8号館
TEL/03-3541-1503
営業時間/5:30〜14:00 
定休日/日・祝・休市日

てんぷら黒川
野菜も魚介も、旬をサクッと食べられる

「お値段控えめで味よしの、庶民の味方的存在。丼は、ごま油がふんわり香る、さくさく天ぷらに濃いめのたれのバランスが好み。黄身が溶けだす“卵黄の天ぷら”も面白い」(馬田草織)

「旬の素材が持つ豊かな香りや甘味など、天ぷらの繊細さを楽しんでほしい」と、天つゆではなく4種の塩を添え、名物かきあげ丼には芝エビとホタテ貝柱がごろり。きりっとした甘辛のたれがかき揚げと米をしっかりつなぎ、丼の醍醐味が満喫できる。夜は¥4,000~¥6,000の3コース。締めの「天むす」はイメージと違う珍しいスタイルで常連に好評。

ランチ限定の定食「蘭」(¥2,000)は、かき揚げ丼と千葉県鴨川の契約農家から届く野菜天ぷら7品(「卵黄の天ぷら」が入ることも)。つけ塩はアンデス岩塩、三陸のパウダーソルト、カレー塩、抹茶塩の4種。

住所/東京都中央区築地6-21-8
TEL/03-3544-1988
営業時間/9:00~14:00、17:00~21:00(夜は完全予約制)
定休日/日・祝

魚河岸三代目千秋 本店
築地魚河岸三代目の主人が選ぶ魚を堪能

「刺身、焼き魚、煮つけ、揚げ物、厳選された旬の魚を和でシンプルに味わえます。ちょっと魚にはこだわる人をお連れしても喜ばれます」(沼口ゆき)

店主の小川さんは、築地市場、元仲卸の三代目。そんな目利きのプロが毎朝市場内でその日の旬な魚を吟味し、それを料理長がその魚に合った調理法で素材の味を丁寧に引き出す。ランチはマグロを使った丼ぶりが中心で、そのほかに旬の魚を使ったおすすめ丼もある。同じビルの地下には姉妹店「千秋はなれ」がある。

旬の刺身盛り合わせ(5種)(¥1,800)は、魚ごとにおいしさを引き出すべく切り方にもこだわる。金目鯛の塩焼(¥1,200)は、金目鯛の脂のうま味と身のおいしさを上品に味わえるおすすめの食べ方。

住所/東京都中央区築地4-7-5 築地KYビル1F
TEL/03-3549-3334
営業時間/11:00~14:00、17:00~23:00(土〜22:00)
定休日/日・祝
URL/https://3daime.jp/

情報を提供してくれた食の達人たち

山田恵/代官山「ラブレー」オーナー

第一線で活躍する数々の名シェフを育ててきた、代官山のフレンチレストラン『ラブレー』オーナー。オープン以来25年以上、歴代のシェフとともに週何度も築地に通う。「お客様にいいものをお出しするには、オーナーも料理人もまず素材を見極める目を養うべきだと考え、今もシェフと築地に通います。売り手もプロ、買い手もプロの場内は毎朝緊張感漂う戦いの場ですが、通えば通うほど食材を見極める目が肥えて楽しくなるのが築地です」

RABELAIS(ラブレー)
住所/東京都渋谷区恵比寿西1-30-13 203
TEL/03-3780-3090
URL/www.rabelais.jp/

沼口ゆき/「波よけ通りキッチン」主宰・料理家

料理家の有元葉子氏に師事し、独立。新鮮で上質な素材がすぐ手に入る環境で料理を作りたいと、2009年3月に築地場外市場の波除通りに料理教室「波よけ通りキッチン」をオープン。「普段から場内、場外で買い物をしています。魚だけでなく、野菜、肉、乾物、調理道具、何でも揃います。せっかく築地で買い物をするなら、安いものを大量買いというより、少量でも上質のものをきちんと選んで買うのが正解。店の人にいろいろ教わると良いと思います」

波よけ通りキッチン
TEL/090-2910-2406(担当:加藤)
MAIL/namiyokedori-k.@ezweb.ne.jp

馬田草織/フリーランスライター・編集者

料理専門誌や女性誌、書籍、webなどで活動中。レストラン、市場、食堂など国内外を問わず、人、食材、料理を取材するほか、ポルトガル料理とポルトガルワインを楽しむ料理会(教室)「ポルトガル食堂」を主宰。「載せられなかったけれど、築地場外の漬物専門店『中川』のフレッシュザーサイは、あっさり&コリコリでビールによく合います」。ブログもチェック!

Photos : Shuichi Yamakawa Text : Saori Bada Edit : Masumi Sasaki

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