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Lifestyle Trip

Chim↑Pomエリイの秋の京都旅
嵐山の隠れ宿「星のや京都」へ

現代アーティスト集団「チンポム(Chim↑Pom)」の一員として、展覧会やアートイベントで世界中を飛び回るエリイ。プライベートでもかなりの旅好きというエリイが、紅葉本番を前に秋の京都を満喫。奥嵐山に佇む水辺の和のリゾート「星のや京都」で、日本の伝統文化に触れる。

京都・嵐山の名所、渡月橋から小舟に乗り込み大堰川を遡ること15分。川沿いにひっそりと佇む奥宿「星のや京都」に到着。


山々の葉が色づき、紅葉真っ盛りにはこんな景色が広がる!大堰川の翡翠色の水面との美しいコントラストはまさに絶景。


船着場から上がっていくと、星のや京都が現れる。


ロビーラウンジの前に広がるのは、小さな滝のある水のせせらぎが心地よい「水の庭」

観光客で賑わう嵐山の喧騒を忘れさせる非日常空間、自然の残る敷地には、日本の伝統とモダニティが共存する全室リバビューの建物が点在し、25室の客室が用意されている。嵐山は、かつて貴族らが四季を愛でながら暮らそうと別荘を構えた地。ここ「星のや京都」も江戸時代の豪商・角倉了以が、まさに別邸を構えた場所だった。それが100年前に旅館として引き継がれ、さらに「星のや京都」がそれを受け継ぎ現代のリゾートとして蘇らせた。

エリイが宿泊した部屋「月橋ツイン」は、広さと眺望が別格の特別室。川に面した大きくひらけた窓からの四季折々の風光明媚な景観が安らぎを与えてくれる。向かいの小倉山を汽笛を鳴らしながら走る抜けるトロッコ列車の姿も。

日本の伝統文化を体験:1

着物で過ごす非日常

着物は好きでたまに着ることもあるというエリイ。この後予約しているアクティビティの生け花に着物で参加すべく、事前に選んだレンタルの着物に早速着替えることに。もちろんこのまま京都の街を散策するのもおすすめです。

今回エリイが選んだ着物は、小菊の花びらを細かくたくさん散らし敷き詰めた江戸小紋の文様で、狢(むじな=アライグマやタヌキ)などの動物の毛並みに見えることから、「むじな菊文様」と呼ばれる淡い紫色の正絹の着物に、白地に八重の花の名古屋帯を着付けてもらった。着物に合わせてヘアもセット。髪を編んだり前髪を下ろしたり、普段とは違うアレンジに。

着物レンタル/¥28,000〜※物により料金は異なる
着付け/¥9,500
ヘアセット/¥9,500(ヘア&メイクセットの場合は、¥15,200)


ライブラリーラウンジの空中茶室にて、大堰川を臨む特等席でのんびりティータイム。

日本の伝統文化を体験:2

京の家元に学ぶ華道

未生斎一甫の生け花を現代に正しく伝えつつ、時代のニーズに合わせて進化する、伝統と創生を兼ね備えた流派として知られる、未生流笹岡の家元・笹岡隆甫氏による貴重なマンツーマンのプライベートレッスン。

指導してくれた笹岡隆甫先生は、3歳より祖父である二代家元笹岡勲甫の指導を受け、2011年に三代家元を継承。舞台芸術としての生け花の可能性を追求し、「日本-スイス 国交樹立150周年記念式典」をはじめ、海外での公式行事でも生け花パフォーマンスを披露するほどの方。さらに、2016年には、「G7伊勢志摩サミット」の会場装花を担当されたと知り、エリイもちょうど今春、伊勢志摩サミットの首脳たちが宿泊した志摩観光ホテルへ訪れたこともあり、勝手にご縁を感じてしまう。


「先生の手にかかると、完璧な角度で生けるから、マジで花が輝く」(エリイ)

生け花は初めてだというエリイ。いつになく真剣な眼差し。わかりやすく基本を教えてもらい、先生のお手本を見よう見真似で夢中に取り組む。7割ずつ長さを変えていき、方向性、立体感、奥行き、角度と花の向きなどを考えながら、三角を作るように構成し、流れるように見せていく。重なりをなくし、全ての葉や枝に意味を持たせる。そして、時間の経過、変わっていくことを計算して余白をつくる、余白を生かす美。

「さっきまでよく落ちてるような枝だったのに、その木を選び、手をかけことで自分と一体化していく感覚が芽生えてくる。新たな息を吹き込むことによって、なんだか違う輝きを放つようになった気がします。茶道を習ったことはあるけれど、華道をしっかり教えていただいたのは初めてです。実際に手を動かすうちに、植物と自分との対話になっていく過程が新鮮だったし、自分の作品になるという意味でも楽しめました。最後、作品を床の間に飾って、時間の経過による変化を愛でるとか、いろいろな学びがありました」(エリイ)

さらに後からわかったことだが、エリイの旅の行く先々でヒントを与えてくれる知人の大林組の大林剛郎会長(「Chim↑Pomエリイ伊勢志摩へ行く」参照)もご自身主催のお茶会のお花を笹岡先生に生けてもらったことがあるのだとか。これもまた何かのご縁。


エリイ作の生け花。

料金/1名¥25,000(お菓子、お茶、花材代含む)税・10%サービス料別

日本の伝統文化を体験:3

香り遊び、聞香入門

そもそも聞香とは、感性を鋭くし、香りを聞くという室町時代に始まった遊び。高価な香木の香りを「六国五味(りっこくごみ)」で表現した優雅で知的なこの娯楽は、戦国時代には戦に出陣する武将たちのリラクゼーションともなったそう。「星のや京都」では、希少な香木「伽羅」を使い、聞き方、表現の仕方を本格的な道具を用いて、香道の歴史を学びつつ、本物に触れることができる。

「香炉に灰で山を作って香木を焚き、香りを味わうという作法か道具までその奥深さに全てが驚き。手で持って、鼻で香って、口から出す。甘くフルーティな味がして、香りが膨らむように広がってきて興味深い体験でした」(エリイ)

時間/10:30〜11:10
料金/1名¥2,800(材料費含む) 税・10%サービス料別

秋の実りを味わう会席料理「五味自在」


食前酒の日本酒がまた美味!ネーミングも含め気に入ったエリイは、即刻ネットショップで探してお買い上げ。

夕食は星のや京都ダイニングにて「五味自在」をコンセプトにした、会席料理のコース(¥20,000/税、10%サービス料別)を。

宿泊時の9月の献立は、先附:満月寄せ、八寸:木の葉月の肴核(養老寄せ、秋刀魚博多、木通芋、鯵まとい巻き、子持ち鮎南蛮、小芋、鈴南瓜、手長海老飴煮、松葉銀杏)、向附:鰹の変わり造里、椀物:色どり真薯吹き寄せ見立て、焼物:甘鯛オランダ焼き、強肴:牛フィレ炭火焼きと旬野菜含め煮、御飯:鰻飯、デザート:巨峰とチーズケーキ貴腐ワインの香り、水菓子:旬の果物と盛りだくさん。お料理はどれもお味はもちろん、器や盛り付けと目にも美味しい内容に満腹満足のエリイ。シメのデザートのチーズケーキも甘すぎずとろけるような食感でさっぱりとした大人の味わい。

星のや京都 ダイニング

時間/17:30〜20:30
料金/¥20,000 税・10%サービス料別

部屋に戻って、さらに一人で乾杯。おやすみなさい。

部屋で楽しむ目覚めの朝食「朝鍋」

朝食には朝の大堰川や向かいの小倉山の景色を眺めながら自分のお部屋でリラックスしながら「朝鍋」を。星のや京都では、年間を通して朝食は、季節の旬な食材の鍋料理というのが定番。

この日は、生キクラゲ、原木しいたけ、大株のなめこ、もみじ舞茸ときのこ尽くしに、九条ネギをカツオと昆布の特製お出汁でいただきました。寝起きの体に染み入る温かさと優しいお味に朝から満足。

時間/7:00〜10:30
料金/¥3,800 税・10%サービス料別
※ホームページまたはフロントにて前日22時までに要予約

日本の伝統文化を体験:4

「朝のもみじ舟」で遊覧お茶会

明け方まで降っていた雨もすっかり上がり光が差し込むほどの、絶好のもみじ舟日和に。朝食の後は、平安貴族さながらの舟遊びに出かけます。一般の屋形舟の営業前の朝8時30分に出発するため、清々しい朝の静寂の中、大堰川をまるで貸切気分で堪能できる。約40分回遊しながら、移りゆく景色を愛で、お抹茶とお菓子をいただくというなんとも優雅で贅沢なひとときは、まさに貴族体験。

紅葉をあしらった「照葉」という名のお菓子は、1803年創業の老舗和菓子「亀屋良長」による特注品。お抹茶も宇治の茶舗「利招園茶舗(りしょうえんちゃほ)」が星のや京都のために厳選した茶葉を挽いたものだとか。

朝のもみじ舟

期間/開催中〜2018年12月5日(水)
時間/8:30〜9:10
料金/1名¥6,000(和菓子、抹茶を含む) 税・10%サービス料別
※ホームページまたはフロントにて前日22時までに要予約

神社仏閣や観光名所もいいけれど、歴史ある京都の雰囲気の中で、日本の伝統文化を体験するのもまた醍醐味。他にも、舞妓さんと楽しむ花街女子会や紅葉ヘリクルーズ、和尚様と巡る清水寺など、京都ならではの季節ごとの風物詩を楽しむアクティビティが用意されているので、旅のスタイルに合わせて取り入れてみるのもおすすめだ。

充実のひと時を過ごしたエリイは、嵐山「星のや京都」を後に。次なる旅の目的地、京都と滋賀の県境に位置する比叡山は延暦寺へ厄払い巡りに出発。その模様は後日レポートするので、お楽しみに!

「星のや京都」

住所/京都府京都市西京区嵐山元録山町11-2
TEL/0570-073-066(星のや総合予約)
時間/チェクイン15:00~ チェックアウト~12:00
料金/¥81,000~(1室1泊あたり、食事別、税・サービス料10%込)
※スタンダードなお部屋に宿泊した場合の通常最低価格
URL/http://hoshinoya.com

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Profile

エリイ(Ellie)アーティスト集団「Chim↑Pom(チンポム)」の紅一点メンバー。パフォーマンスや映像など話題を生む作品を発表し続け国内外から注目の的。『Chim↑Pomチンポム作品集』、『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』、『芸術実行犯』など著書も多数。

Photos:Ellie, Masumi Sasaki Edit&Text:Masumi Sasaki

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