サンフランシスコ、最先端のヘルシーな食を巡る旅
ヘルスコンシャスな人が多く暮らす、カリフォルニア州サンフランシスコ。2018年2月には、アメリカの都市の中で最も健康的な街という調査結果が発表されているほど。地元民に人気のレストランやカフェから、注目のスーパーフードまで、サステナブルをキーワードに進化を続ける食のシーンをリポート。
1. ヘルシー志向のローカルが通う、ショップガイド
厳選食材や本格デリが自慢のグローサリーストア
「Bi-Rite Market」
朝から晩まで多くのローカルで賑わう「Bi-Rite Market」。地元のフレッシュな食材や、目利きバイヤーが選んだ高品質なヘルシー食品が評判を呼んでいる。10月には、シビック・センター・プラザにカフェをオープンするなど、事業を拡大している。
野菜やフルーツは、毎シーズン50の農家から直接仕入れており、その90%がオーガニック認証を受けたもの。日によって店頭に並ぶ食材が異なるのは、そのときベストなものを提供するため。品質へのこだわりは一級で、小売のみならず食育にも力を入れており、自社農園を持っているほど。
レストラン出身のシェフが手掛けるデリは、毎朝届く新鮮な食材をもとにメニューを考案している。サラダからメインディッシュまで、幅広いラインナップがずらり。定期的に変わるメニューは、定番を味付けなどでモダンにアレンジしているという。
食材が所狭しと並んだ棚。定番は押さえながら、普通のスーパーではなかなかお目にかかれない、こだわりのオーガニック食品や地元サンフランシスコのプロダクトも並ぶ、圧巻の品揃え。おしゃれなパッケージも多く、お土産にもチョイスしたい。
Bi-Rite Market
住所/3639 18th St, San Francisco, CA 94110
TEL/415-241-9760
営業時間/月〜日 8:00〜21:00
URL/biritemarket.com/
ホームメイドがモットーのアイスクリーム
「Bi-Rite Creamery」
買い物をした後は、「Bi-Rite Market」から派生したアイスクリームショップへも足を運びたい。オーガニックミルクのアイスクリームはもちろん、その中に入れるブラウニーやピーナッツのキャンディ、マシュマロまで地元の素材を使った自家製というこだわりぶり。
季節限定のフレーバーや、サステナブルな農法で育てられた水牛から採れるミルクのソフトクリームも見逃せない。
Bi-Rite Creamery
住所/3692 18th St, San Francisco, CA 94110
営業時間/月〜日 11:00〜22:00
TEL/415-626-5600
URL/biritemarket.com/creamery/ice-cream/
環境問題にも取り組む“未来のレストラン”
「The Perennial」
単にオーガニックにこだわるだけでなく、生態系にまで配慮をした革新的なレストランも生まれている。シヴィックセンターのほど近くにある「The Perennial」は、サステナブルであることをテーマに、食料の生産から消費までの一貫したフードシステムそのものを変革しようという試みで、2016年のオープン当時より注目を集めている。
環境にやさしい食材の生産法を追求し、自社農園では大気中から二酸化炭素を土に取り入れる農法や、レストランの残り物を虫の餌にし、さらにその餌を魚に与え、魚廃棄物から肥料となる物質を抽出し、それで植物を育てるという循環するサイクルまで確立している。
この日はレストランの営業時間外を使って、ゲストシェフを招いたランチのポップアップイベントも開催。ヴィーガンやグルテンフリーにもカスタム可能な、サラダやスープを提供。ソーセージとレンズ豆のスープ($13)は、スパイスやハーブがたっぷり効いていて、代謝も上がりそうな味わい深さ!
洗練された料理はもちろん、持続可能な食サイクルを実践する、新しい食体験が待っている。
The Perennial
住所/59 Ninth St, San Francisco, CA 94103
TEL/415-500-7788
営業時間/火〜土 バー 16:00〜 ディナー 17:30〜
URL/www.theperennialsf.com/
一日の始まりはここで。人気ベーカリー&カフェ
「Tartine Bakery」
朝の大行列がお馴染みの光景となっている、ミッション地区の老舗「Tartine Bakery」。オープンから15年経った今でも、そのにぎわいは衰えない。店で焼いているパンは、栄養価が高い胚芽やふすまを多く含む小麦を、信頼のおける製粉会社が全粒粉に加工している。サステナブルなだけではなく、原料がどこから来たのか辿れるように、との信念からだ。
2017年には、サステナブルな素材調達と生産者との密接な関係構築を目指して、自社でコーヒーブランド「Coffee Manufactory」を立ち上げた。コーヒー農園から購入した生の豆の金額の75%を、直接農園に支払うというフェアトレードも行なっている。
とことんこだわりたいから、自分たちでやるしかない。老舗ベーカリーもそんなDIY精神のもと、新たな動きを見せている。
Tartine Bakery
住所/600 Guerrero St, San Francisco, CA 94110
営業時間/月8:00〜19:00 火・水 7:30〜19:00 木・金 7:30〜20:00 土・日 8:00〜20:00
TEL/415-487-2600
URL/www.tartinebakery.com/
2. 美容と健康効果に注目が集まるスーパーフード
ヘルシースナックの新常識、アーモンド
ビタミンEをはじめ、タンパク質や繊維質、カルシウムなどの栄養素がナッツ類のなかで最も多く含まれているアーモンド。近年では、コレステロール値を低下させるという研究結果から、糖尿病や心臓病のリスク回避にも効果が期待できるとして、関心が高まっている。
世界のアーモンド生産量の80%を占めているのが、ここカリフォルニア。温暖な気候がアーモンドの栽培に適しており、6,800の農家と100以上の加工業者が営む一大産業となっている。
アーモンドの収穫時期は8月中旬から10月。意外と知られていないが、アーモンドは畑ではなく、木になる植物。サンフランシスコから車で1時間ほど内陸に進んだ街、ローダイのアーモンド農園では、広大な土地にたくさんの木が整然と植えられている。
収穫は、シェイカーという機械を使って木に振動を与えることで実を地面に振り落とす。
その後、1週間ほど乾燥させてから収穫し、工場に運ばれ汚れの除去や仕分け、加工を経て出荷される。
アーモンドの殻は、牛の餌や寝床の下敷きとして再利用され、廃棄物が出ない取り組みも行なっている。
乾燥アーモンドと違って、木から収穫したばかりの実は、水分を多く含んだ柔らかい食感が特徴。
アメリカでは、1日23粒のアーモンドを摂取することを推奨されている。手のひら一杯分のアーモンド約30gには、ビタミンEが8.6g含まれており、日本人女性の1日に必要なビタミンE摂取目安量を補える。オフィスや外出先でも簡単に摂取できる手軽さが嬉しい。
日本でも最近ブームのアーモンドミルクも、アーモンドの栄養をたっぷり味わえるうえ、低カロリー。アメリカでは牛乳や豆乳よりも人気なのだとか。
生ハムやチーズと並べても立派なおつまみに。朝食にはグラノーラに加えるだけで、簡単に栄養素をプラス。
スライスのアーモンドなら、サラダにかけて食感のアクセントにも。スイーツにはもちろん相性抜群と、さまざまなメニューにアレンジすることができるのも魅力。忙しい現代女性の美と健康をサポートする、アーモンドを日常習慣として取り入れたい。
カリフォルニア・アーモンド協会
URL/www.almonds.jp/
Text: Yukiko Shinto Special Thanks: Almond Board of California