ガンバレルーヤよしこインタビュー「結婚か、芸を取るか葛藤中」
旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。vol.57はお笑い芸人・ガンバレルーヤのよしこにインタビュー。
ピンクのチークとシュールなネタで人気のお笑い芸人・ガンバレルーヤ。小雪をはじめとする女優を降霊(?)させるイタコ芸でも話題のよしこが、正真正銘の女優として映画に挑戦。初主演となる『Bの戦場』ではウェディングプランナーとして奮闘しながら、上司の久世課長(速水もこみち)とフラワーコーディネーター武内(大野拓朗)の間で揺れる、香澄を演じた。芸人・女優として邁進するよしこに、恋と仕事、そしてプライベートについて聞いた。
平成最後の銀幕女優!? よしこ誕生
──女優デビュー、おめでとうございます。コントでも多くのキャラクターを演じていますが、演技はいかがでしたか。
「難しかったです。宮迫さんや友近さんとか、演技も上手な先輩がいらっしゃいますけど、あんな風に上手にはできなくて。コントと演技はやっぱり違うので緊張しました。すぐ近くにマイクさん(マイク真木さんじゃないですよ)や照明さん(照英さんじゃないですよ)もいらっしゃるし、40人くらいのスタッフに見つめられている中で演技をしなくちゃいけない。かなり肝っ玉が据わってないとできないですよ。だから、女優さんって本当にすごいと思いました」
──よしこさんが演じる「香澄」は、外見にコンプレックスを持つという役でした。
「香澄はウェディングプランナーで、一生懸命仕事をする真面目な子なんですが、『絶世のブス』という設定です。そんなこと言われたことがないので、役作りに悩んだんですけど、先輩芸人さんに相談したら『そのままでいいよ』という声が多くて(笑)」
──久世課長(速水もこみち)と武内(大野拓朗)から求愛されるという設定はどんな気分だったんでしょう?
「台本をもらった日は、興奮して眠れませんでした。香澄は二人の間で揺れ動くんですが、私は演技の経験が少ないですし、繊細な演技は難しかったので、開き直って、よしことして二人に本気で恋をしました。監督にも『今、本気でドキっとしてたでしょ?』って聞かれるくらい。だから、この映画は芸人よしこが一生懸命に恋をした、ドキュメンタリーのような作品になりました。撮影中は最高に幸せでした」
──もし自身が恋をするなら、ちょっとクセのあるイケメン上司・久世課長と、友達のように気さくな武内、どちらがタイプですか?
「二人とも、とても素敵なので本当に迷っちゃいます。もともと私は他人より母性の量が多くて、年下の男の子が好きなんです。芸能人で言うと、鈴木福くん(14歳)。彼が小学生の時は口にするのは控えていたんですが、もう中学生だしいいですよね? あとは、鈴木笑福(えふ)くん(4歳)も。鈴木おさむさんと森三中の大島さんの息子さんです。だから、どちらかというと、久世課長ですかね。仕事はできるのに『もう、しょうがないな!』って抱きしめたくなるところがあるから。撮影中、のめり込むくらい好きになったので、撮影後にもこみちさんに会うと、元彼のような気持ちになるんです。あの、ちょっと自慢していいですか?」
──え? どうぞ。
「先日『MOCO’Sキッチン』に出演したんです。病気からの復帰初仕事だったんですが、撮影の合間にもこみちさんが『いろいろ大変だったろう』とプレゼントをくれたんです。開けてみたら、ふわっふわのピンクのブランケットでした。不意打ちのプレゼントって、それだけでドキっとするのに、もこみちさんがプライベートで私のことを考えていたことも嬉しくて。今でも箱のままとってあります。もったいなくて使えないから、死んだら棺にかけてもらおうと思って。もうひとつ、ドキっとした話をしてもいいですか?」
──ぜひ聞かせてください。
「共演した大野拓朗さんは、劇中の武内さんそのままの気さくな方なんです。大野さんは、ぼんちおさむ師匠とドライブをするほどの仲らしくて、芸人さんたちとの交流もあるんですね。それで、撮影後に連絡先を交換したら、よく飲みに誘ってくれるんです。でも、私は軽い女だと思われたくないから、そのたびに、お断りしています。それでもラフに誘ってくれるので、毎回ドキッとしています」
理想の男性のタイプは「年下男子とフィンランド人」
──よしこさんの好みのタイプは、年下男子と母性をくすぐられる人なんですね。
「あとフィンランド人です」
──フィンランド人? ピンポイントですね。
「『世界の果てまでイッテQ!』でフィンランドロケをしたとき、フィンランドのみなさんが、とても素敵だったんです。北の国だから肌のキメが細かくて色白で。私は、みかんの食べ過ぎもあって肌が黄色いので、色白の人に憧れます」
──なるほど…。結婚願望はあるほうですか?
「めちゃくちゃあります。今まで占い師5人に『32歳で結婚する』と言われていて、今、28歳なのでもうすでに出会ってるのかも。でも、私は極度の恥ずかしがり屋なので、好きな人がいると面白いことが言えなくなっちゃうんです。この映画の取材でも、もこみちさんと一緒のときは大人しくなっちゃって。だから、もこみちさんとの結婚か、芸なのか、正直、葛藤しています…」
──というと、理想の結婚相手は、もこみちさん?
「これまでは、友達のような人と結婚したいと思っていたんです。映画でいうと武内さんタイプですね。でも、久世課長に出会って、彼のような緊張感がある刺激的なタイプも魅力的で。かなり迷ってます」
──緊張感のある人の前では、オナラとかできないですね。
「オナラはしたいです! オナラで笑いあえる関係が理想です」
──オナラで笑ってくれて、緊張感もある刺激的な人…。
「いますかね、そんな人」
──探せばいるかもしれませんよ。ちょっとワルな男はいかがですか?
「ワルの度合いにもよりますね。犯罪者はちょっと…。芯は真面目な人がいいですね。学生時代はヤンキーに憧れていたんですけど、今は尼神インターの渚さんが仲良くしてくださるので、それで十分です」
──理想の結婚式は?
「『ゴシップガール』にハマっているので、欧米みたいなガーデンウェディングに憧れます。シンプルなドレスやパンツスーツに、大きなベールをつけて。もしくは、もこみちさんがくれたブランケットを」
「まひるが結婚するなら、10回のお色直しで盛大に」
──ガンバレルーヤのお二人は、今も一緒に住んでいるんですよね。
「そうなんです。休みの日もまーちゃん(まひる)と二人でDVDを見たり、お酒を飲んだりしています。外出しようと思いつつ、どうしてもインドアになっちゃって。釣りもしてみたいんですけど」
──釣りに興味があるんですか?
「芸人さんで釣りをする方が多いので、SNSではよく見てるんです。でも、乗り物酔いをしやすい体質なので、船釣りは吐いちゃいそう」
──お休みの日も二人でネタを作ってるんですか?
「ドラマや映画を見て面白いねって言いながら、ネタを作ることもあります。でも、一番はお風呂です。お湯代の節約で一緒に入っているんですが、そこでネタを作るのでどうしても下ネタが多くなっちゃって」
──公私ともに仲の良いお二人ですが、もしどちらかに恋人ができたら?
「私たちは大の男好きなのに、二人とも男性と付き合った経験がないので、どちらかが早く恋人を作って教え合いたいんです。まーちゃんに恋人ができたら、どういうことになるのか教えてほしいし、3人で遊びに行くのも夢です」
──カップルに参加するスタイルなんですね。映画でよしこさんが演じた香澄はウェディングプランナーでしたが、もしまひるさんが結婚するなら?
「まーちゃんは私の子どものような、家族のような存在なので、ちゃんとした式をプランニングしたいですね。ホテルの宴会場のような、ちゃんとした式場で300人くらい呼んで、お色直しは10回くらい。盛大にお祝いしてあげたいと思っています」
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結婚を封印していた女子が運命の相手に‼︎キュートなラブコメ『Bの戦場』
外見にコンプレックスを持ち、自らの結婚を諦め、ウェディングプランナーとしてバリバリ働く香澄(ガンバレルーヤよしこ)。ある日、職場にイケメンの久世課長(速水もこみち)が赴任してくる。瞬く間に女子社員の憧れの的になる久世だったが、彼は「意識の高いB専」だった。久世課長は「絶世のブスだ!」と、香澄にプロポーズするが、香澄は当然受け入れられない。そうこうするうちに、一緒に仕事をしてきたフラワーコーディネーター・武内(大野拓朗)からも、好きだと告白されて…。
二人の間で揺れ動く香澄。大好きな仕事も恋も諦めたくない。そんな彼女の運命の相手とは? 本作は、お笑い芸人・ガンバレルーヤよしこの女優デビュー作であるとともに、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『最高の離婚』など大人気ドラマを手がけた並木道子の監督第1作。恋と仕事に悩む女性に、少しの勇気を与えてくれる物語に仕上がった
『Bの戦場』
出演/よしこ(ガンバレルーヤ)、大野拓朗、高橋ユウ、有村藍里、おのののか、山田真歩、安藤玉恵/速水もこみち
監督/並木道子
原作/ゆきた志旗「Bの戦場」(集英社 オレンジ文庫刊)
URL/b-no-senjou.official-movie.com/
2019年3月15日(金)より全国公開
©ゆきた志旗/集英社 ©吉本興業
Photos:Ayako Masunaga Styling:Reiko Ishii Hair & Makeup:Mori Naito Interview&Text:Miho Matsuda Edit:Masumi Sasaki