松山ケンイチ インタビュー「役者が本物志向になると、面白くない」 | Numero TOKYO - Part 3
Interview / Post

松山ケンイチ インタビュー「役者が本物志向になると、面白くない」

talks#16
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若手落語家、志ん魚(しんとと)の青春を軽快なコメディとして描いた故・森田芳光監督の35年前の劇場デビュー作、『の・ようなもの』のその後を描いた、完全オリジナルストーリーの続編が公開。森田作品の助監督や監督補を務めた杉山泰一監督をはじめ、ゆかりのスタッフ、役者が大集結した本作で、落語家修行中・志ん田(しんでん)を演じるのは、俳優・松山ケンイチさん。主演を務めた松山さんに、何者にもなれない、”のようなもの”たちが繰り広げる大人の青春映画『の・ようなもの のようなもの』が教えてくれることについて聞いた。<映画『の・ようなもの のようなもの』の情報はこちら
一番リラックスしているのは、家族で過ごす時間
──松山さんがオフになるのは、どんなときですか? 「完全にオンオフを切り替えることを目指していたんですけど、やっぱり難しいんですよね。たぶん、みんなそうじゃないかと思うんですよ。でも、そこばかりにエネルギーを使うのも違うかなと。家族で過ごしたり子どもと遊んでいたりすると、いつの間にか仕事のことを忘れていたりすることもあるし、いつもどこかで仕事のことを考えながらいろんなことをやっている気もします。切り替えできる何かが見つかるといいなとは思いますね」
──家族を持ったことで、仕事やプライベートに対する考えは変わりました? 「家族ができてから、仕事とプライベートのどういうバランスが一番いい状態なんだろうとは考えるようになりました。一定の仕事をしているわけじゃないから、バランスも都度変わってきてしまう。それに対応するのが大変だったり、疲弊しきっているときもあります。上手くバランスを取るには、どうすればいいんだろうなぁ。単純に旅行に行くのでもいいかもしれない。今は、仕事だけじゃなく、とにかくもっといろいろやらなきゃなという思いはあります」

松山ケンイチ(まつやま・けんいち)

1985年3月5日生まれ、青森県出身。16歳で、ホリプロ男性オーディション『New Style Audition』のグランプリを受賞。モデル活動を経て、ドラマ『ごくせん』で俳優デビュー。2005年、映画『男たちの大和/YAMATO』の年少兵役で注目を集め、06年、映画『デスノート』、『デスノート the Last name』の“L”役で幅広い世代に人気を博す。12年にはNHK大河ドラマ『平清盛』で主人公を演じる。今後の公開待機作に、吉田修一原作の映画『怒り』(16年秋公開予定)など。森田芳光監督作品には、『椿三十郎』、『サウスバウンド』に出演、『僕達急行 A列車で行こう』では主演を務めた。
Photos:Ayako Masunaga Stylist:Takahisa Igarashi Hair & Make-up:Miwako Tohyama(THYMON Inc.) Interview & Text:Tomoko Ogawa Edit:Yuko Fukui

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