新井浩文インタビュー「真面目でも不真面目でも、いい映画を作りたい」 | Numero TOKYO - Part 2
Interview / Post

新井浩文インタビュー
「真面目でも不真面目でも、いい映画を作りたい」

旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。 vol.13は俳優、新井浩文にインタビュー。

アンドロイドが人間に勝つことはない

──完成した映画『さようなら』を観て、どう思われました?

「深田監督ワールド全開なのがいいなーと。でも、ワンシーンの長回しを多用してるから、最近のカット割りが多い作品に慣れてる人たちはたぶん耐えられないんじゃないかなと思いましたね。たとえ低予算の映画だとしても、最後のシーンがチャチかったらこの映画は絶対に駄目だって思ってて、監督も『そこは一番お金かけるから絶対大丈夫です』と言ってたんですけど、実に見事でしたね。生々しくて、痛くて、すごくグッときた」

──ターニャ役・ブライアリー・ロングさんの印象は?

「オックスオフォード大学を出ているインテリで、青年団にも入ってて、『なにを間違えてここに来たの?』って思いましたよね。『海外行きなよ! こんなところで演技やってる場合じゃないよ!』って」

──本人にそう伝えたんですか?

「言ったよ。そしたら『へへへ』って。『日本の作品をやってみたかったんです』って言ってました。『それは全然いいけど、絶対に出るところ間違えてる』って返しました(笑)」

──レオナ役は実物のアンドロイドが演じていますが、アンドロイドとの共演に戸惑いありました?

「戸惑いはなかったですね。誰が言ったか忘れましたけど、『アンドロイドは余分な動きができる』って聞いていて。要は、ずっと固まってはいないところがすごくいいって言われているんですよね。でも、動きすぎだよね、あれ。やっぱり機械には限界があるし、うちら人間には絶対勝てない。アンドロイドに負けるのは嫌だなって思ってたので、そこを知れてよかったです」

──もし、自分の人生の最期を宣告されたらどうやって過ごしますか?

「残り何年しかないと確定されたら、じっくりプランを立てると思う。いわゆる快楽の方向に頭が働きますよね。仕事はまず辞めるでしょ。残りラスト2日ぐらいからヤバイと思うよ。静かに誰かに看取られるみたいなことは望みもしないですね」

Photo:Satomi Yamauchi 
Stylist:Haruki Koketsu
Hair & Make-up:Hanako(HAPP’S) 
Interview & Text:Tomoko Ogawa 
Edit:Yukiko Shinmura

Profile

新井浩文(Hirofumi )俳優。1979年1月18日生まれ、青森県出身。2001年、映画『GO』でスクリーンデビュー。02年6月公開『青い春』では、初主演を務め、高崎映画祭で最優秀新人男優賞を受賞。話題の映画やドラマで幅広く活躍する個性派俳優。酒好きが高じてBSフジ『美しき酒呑みたち』という冠番組でナビゲーターを務める。現在TBS日曜劇場『下町ロケット』に出演中。公開中の映画『バクマン。』に出演しているほか、16年には出演する映画『俳優 亀岡拓次』、『星ガ丘ワンダーランド』、『女が眠る時』、『葛城事件』などの公開を控える。

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